原発危機 ISO31000リスクマネジメント 電力自由化(4)
前ブログにおいて、新日本石油精製の根岸製油所はアスファルトの有効利用を図って発電所を建設し、その電力を東電に卸売りしていると言いました(新聞情報)。
―― 私は石油化学プラントの専門家ですからその発電プラントの様子は容易に想像できます。即ち想像するに、アスファルトのガス化プラント収納建屋は、ガスタービン発電機収納建屋よりも遥かに大型です。その分だけ建設費が嵩みます。これは外観上、発電所というよりは、石油化学プラントです。
この想像の源は、勤務していた三菱化学の四日市事業所の、アスファルトを原料とする「シェルのガス化炉」です。水素を得る目的のプラントでした。
―― シェルのガス化炉は安定化するまでに多くの時間を要します。また不安定であり、2つの炉を設置して交代で操業します。不安定ですから、予期せぬシャットダウンに備えて大きなガスホルダーが必要です。
ガスタービンを回すだけなら、灯油の直焚きで事足りるのに、なぜアスファルトのガス化によるガスタービン発電なのでしょうか。
ジェット機は灯油でガスタービンを回して飛行しています。発電を灯油燃料タービンでやってはダメなのでしょうか。不思議に思われませんか。
―― それは認可条件をクリアーするためです。
価値の低いアスファルトを有効利用するという大儀名分がないと認可しないのです(新聞情報)。灯油を使う。あるいはLNGを使うでは認可されないのです。この方が建設費を勘案するとトータル安いのに。
―― 現在私が普及に努めているISO31000に関連して福島原発危機を書いていますが、ISO31000はリスクマネジメントの国際規格です。そして広義リスクマネジメントの中にはクライシスマネジメントが含まれています。但しISO31000には含まれていません。
次ブログにつづきます。