福島原発危機 ― ISO31000リスクマネジメント 初動(8)
前ブログにおいて、東京電力は原子炉リアクターを自ら設計していなかったと言いました。
―― さらなる実際の大筋は以下の通りです。
「東芝/日立はこのリアクター設計図をGEから開示を受けてその通りに製作した。「なぜそのような設計になっているか」について知らされなかったので、東芝/日立はいわゆる「ブラックボックス」のまま製作した。製作したリアクターを東電に引き渡した。東電は、基本設計データを知らされないまま、オペレーションした」と。
―― もちろん部外者の私にとっては推定です。しかしこの推定は石油化学コンビナートの中核プラントをオペレーション側(三菱化学)として設計成功した経験に基づいていまから、さほど違っているとは思えません。
―― ブラックボックス
このような東電オペレーターが、リアクターに大事故が発生した場合に、リアクターの中で何が起こっているかを知る術はありません。GEに聞かないと分からないのです。
三菱化学のプラントの例では、オペレーターがリアクター内部を知り尽くしています。因みに三菱化学の設計者は私、田邉康雄です。そして優れた設計をした故に大河内記念生産賞の「特賞」を1986年に受賞しました。
―― 現在私が普及に努めているISO31000に関連して福島原発危機を書いていますが、ISO31000はリスクマネジメントの国際規格です。そして広義リスクマネジメントの中にはクライシスマネジメントが含まれています。但しISO31000には含まれていません。
次ブログにつづきます。