エネルギーマネジメントシステムISO50001要求事項とその対策(5)
ISO50001に関するブログを書いています。ISO14001のIRCA登録主任審査員であり、かつ、三菱化学において33年間、石油化学プラントの省エネ技術開発/省エネ設計/省エネプラント建設に携わってきた私にとって、その理解は極めて容易なものがありました。そこでそれを紹介しています。では以下は、前ブログからのつづきです。
―― 私が卒業した京都大学工学部燃料化学科の歴史を説明しています。東亜戦争中に以下のような国家プロジェクトが設置されました。目的は航空機用ハイオクタンガソリンの製造です。
―― まず石炭をガス化して水素と一酸化炭素を合成し、それを鉄触媒のもとで反応(フィッシャー法)させて直鎖炭化水素を合成します。直鎖単価水素を水素存在の下で白金触媒存在の下で熱を加えて一部を異性化し、オクタン価を上げます。
―― 一方、糖蜜を特殊な酵母をもちいて発酵させ、ブタノールを得ます。ブタノールを熱分解してブテン-1を得ます。ブテン-1を異性化させてイソブタンを得ます。イソブタンとブテン-1を濃硫酸を触媒としてカップリングさせ、イソオクタンを得ます。
―― このイソオクタンを石炭ガス化から得られた異性化単価水素と混ぜてオクタン価87の戦闘機用航空ガソリンを造るプロジェクトです。実際北海道滝川に工場が建設されました。
次ブログにつづきます。