エネルギーマネジメントシステムISO50001要求事項とその対策(7)
ISO50001に関するブログを書いています。ISO14001の19条項から7条項が追加になって26条項になりました。その追加条項はエネルギー特有のものですが、石油化学プラントの省エネ技術開発/省エネ設計/省エネプラント建設に携わってきた私にとって、その理解は極めて容易なものがありました。そこでそれを紹介しています。以下は、前ブログからのつづきです。
―― そもそも大東亜戦争は、米国から石油の供給を止められたことに端を発していましたから、原油以外の原料からガソリンを合成することは国として喫緊の課題でした。
とくに緒戦の勝利で確保したスマトラ島の製油所からの輸送が、戦況の悪化にともなってままならぬ事態に陥った昭和18年以降においては国の存亡をかけた課題でした。
―― この課題を解決するために設立された学科が京都大学工学部燃料化学科であり、この課題に真正面から取り組んだ燃料化学科の福井健一先生は、自ら陸軍燃料廠勤務を志願され、技術将校となって陸軍燃料廠へ赴き、北海道滝川でプラントを建設してイソオクタン合成に専念されました。
―― この際に石油成分である様々な炭化水素の性状と様々な反応性に親しまれ、その御経験をベースにされて後に、実験しなくてもここの炭化水素の反応性を予測できる理論を開発されました。"フロンティア電子論"です。
これが評価されてノーベル賞を受賞されました。私も先生の御講義を受けた学生の一人として誇らしく思っています。"燃焼理論"と量子力学に基づいた"統計熱力学"であり、単位を取得させていただきました。
次ブログにつづきます。