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田辺(田邉)太一蓮舟のつぶやき 翁の著書:幕末外交談から(2-14)

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政権交代システムとしての天皇制に関して田邉太一はつぶやく。
<天皇制の悪用>
薩摩は汚い手をつかう。岩倉を抱きこんで偽の錦旗を立てた。多くの国民が敬う、ユニークな世界に誇る天皇を悪用した。こんな政府に協力することは嫌で沼津に引き込んで、徳川家兵学校教授をしていたが、何度も使者がくるので、折れて外務省に出所した。生活のためという意味が大きい。遣米欧使節団に協力したが、岩倉や大久保と同じ船に乗ることは嫌だった。

<薩摩による天皇家の利用>
薩摩は天皇を利用した。島津久光の子、薩摩藩主島津忠義の娘俔子を、陸軍元帥久邇宮邦彦王に嫁がせ、その子良子を大正天皇の子、皇太子(後の昭和天皇)に嫁がせた。鎌倉時代から名目的地位にとどまっておられた天皇家を政治に担ぎだして利用した。天皇家を自分達の悪行の隠れ蓑とした。今後の世の中において天皇家をさらに悪用する者がでないこと切に祈る。

<阿弥陀如来様の御許から昭和を嘆く>
薩長軍の伝統を引き継ぐ昭和の軍閥も天皇制を悪用した。統帥権などと称し、陸海軍は天皇直属であって、内閣の指示を受けないなどと勝手な理屈をつくった。兵隊に対して「上官の命令は天皇陛下の命令である」と嘯いて多くの将兵に無理な作戦を強要して悲惨な死に追いやった。戦闘で死ぬならまだしも、無理な計画の下で餓死した将兵が少なくとも30万人は存在した。

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