田辺(田邉)太一蓮舟のつぶやき 翁の著書:幕末外交談から(2-26)
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<幕臣への道>
徳川幕府の幕臣は世襲制だった。儒学者の家、俸禄200石の家に生まれた私ではあったが、兄の家籍に属する「厄介の身」だった。だから私には身分取り立ての機会は本来皆無だった。次男以下が徳川の家来、即ち幕臣になるには、子のいない幕臣と養子縁組するしか道はなかった。しかし私は自力で幕臣になった。幕末動乱の世だから可能だった。
<幕府海軍伝習所入学と語学>
私は甲府徽典館の教授を辞めて長崎に行き、幕府の海軍伝習所に入所した。私は三期生だった。ここでオランダ海軍から派遣された教授達に航海術、造船学、機関学、算術等をオランダ語によって習ったが、内容よりも習ったオランダ語がその後大いに役立った。後、外国との交渉のため、必要に迫られて英語とフランス語をマスターした。清国とは筆談で苦労はしなかった。
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