爆発死亡事故を起こした東ソー塩ビ工場は、先輩エンジニアの安全技術を必要に応じて伝承しているか(8)。
前のブログからつづきます。
「死亡事故ですから書類送検を受けることは、ある意味では当然」
と前ブログで書きました。
―― これに因んで、私が三菱化学で経験した話を紹介しましょう。も40年以上も前の話です。私は水島事業所の製造二部に勤務していました。ここは合成繊維/合成樹脂原料(モノマー)を製造する部署でした。
―― シクロヘキサンというガソリンのような引火性液体をベンゼンから作る工場でした。この工場では、工程管理のためにベンゼンを定められた時刻に工程からサンプリング(試料採取)していました。
―― ある日オペレーターがいつも通りサンプリングしました。すると静電気で着火しました。そのオペレーターは驚いて転倒しました。火の付いたベンゼンを頭からかぶりました。これにより、オペレーターは全身火傷を負いました。
―― あいにく一人作業でした。助けにくる人はいません。発見された際は、苦しんでいる姿でした。直ちに救急車で病院に運ばれましたが、数日後にお亡くなりになりました。
次ブログへつづきます。