トップページ
税理士 会計士 行政書士 司法書士 社労士
弁護士 弁理士 中小企業診断士 経営コンサルタント 保険代理店

メイン

ISO31000の記事一覧

の続きを読む ≫

の続きを読む ≫

田邉康雄のセミナー - 福島原発とISO31000 (1)

リスクマネジメントの国際規格ISO31000が普及期を迎えようとしています。この期に当たって東京電力福島第一原子力発電所の地震・津波による被災事故が発生しました。この事故により、リスクマネジメントに関する国家的関心が高まっています。

―― 私田邉康雄は、去る3月13日の水素爆発の日から、4月1日まで現場で頑張っておられる作業員に声援を送りました。その結果、3月22日に現場作業員の御家族から感謝のお電話を受けました。「声援をありがとう。私達のことを分かってくれる人が居てうれしい」と。

―― さて今言及しているISO31000は、リスクマネジメントの国際規格です。繰り返しますが、今その普及期を迎えようとしています。そして私田邉康雄は、その普及のためにセミナーをやっています。以下の通りです。

―― 新技術開発センターの公開セミナーにおいて講師をやります。以下の通りです。
1)  来る6月8日(水)に機械振興会館(東京タワー正面)において定員100名でISO31000の基礎編(規格解説)半日(午後)セミナーを実施します。受講料は1人9,8000円です。
2)  来る6月29日(水)に新技術開発センター(東京メトロ麹町駅徒歩5分)研修室において定員20名でISO31000の応用編(規格の活用)一日セミナーを実施します。受講料は1人39,800円です。基礎編を受講された方は、5,000円の割引があります。
何れもテキストが充実しています。これらテキストだけでも受講の価値があります。ISO専門誌「アイソス」2011年6月号において「特集」「福島原発クライシスにからISO31000の活用を考える」を副読本に使用します。この特集は田邉康雄が執筆したものであり、22ページに亘る大作です。

 以上の2つのセミナーに御関心のある方は、このブログのトラックバックを利用して私に御連絡いただいても結構ですし、あるいは、「お問合せ」を御利用になっても結構ですし、さらにはグーグルやヤァフーに「新技術開発センター」を入力して検索し、出てきた画面において「セミナー」をクリックするとセミナー一覧表がでます。この中から今紹介したセミナーを選んでいただくと直接申し込みもできます。

 次回ブログにおいて、セミナー内容を一部紹介します。

田邉康雄のセミナー - 福島原発とISO31000 (1)の続きを読む ≫

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(16)


米国原子力の専門家、Mr. J. Cirincione チリンチオーネ氏が日本の原子力産業は復活しないといっています。

But it is absolutely immediately the farmers and people in that 20 km radius around the facilities whether they can return to their homes, again, is very doubtful. But you also have the nuclear power industry. Japan depends for over 30% of its electricity on nuclear power. This is a blow that, frankly, I don't think nuclear power industry in Japan can recover from. It may cripple nuclear power construction around the world Cherunobyl and Three mile Island did. So that is the ripple effect that I would be looking from this crisis.
原発から半径20km以内の農家や住民の避難は緊急の問題です。再び元の家に帰れるかどうかを考えている暇はありません。ところで日本は原子力産業をもっています。日本は電力の30%を原子力に頼っています。今回の事故は日本にとって大きな打撃です。私は日本の原子力産業が回復するとは思いません。またチェルノブイリやスリーマイル島原発事故のように世界の原発建設がストップされると思います。これがこの福島原発事故から波及する大影響でしょう。

Interviewer インタビューワー
Joseph, thank you so much for your expertise.
チリンチオーネさん。(核兵器専門家の)高い専門性を提供していただき、ありがとうございました。

My pleasure. Thank you for having me on.
どういたしまして。

次リスクマネジメントISO31000に関連して書いていますが、今回で一連のブログを終了します。次回からは別シリーズを連載する予定です。

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(16)の続きを読む ≫

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(15)


米国原子力の専門家、Mr. J. Cirincione チリンチオーネ氏が影響範囲を語ります。

Interviewer インタビューワー
If your worst case scenario happens, who is the most affected? Is the entire allied Japan, or some segment?
最悪のシナリオが起こった場合、もっとも災害を被るのはだれですか? 日本全体でしょうか? それともある特定の分野だけでしょうか?

Well, this is not like a Chernobyl accident where intense of radioactivity shot into atmosphere and spread across the containment. This is a radiation problem of Japan. It is unlikely that we in the United States are going to feel any effects of this.
チェルノブイリの事故ほど酷くはありません。チェルノでは、核爆発で高濃度の放射能含有物質が空中へ飛散し、周辺諸国が放射能被害を受けました。しかし今回のことは日本だけの問題です。アメリカが被害を受けることはありません。

次ブログにつづきます。リスクマネジメントISO31000に関連して書いています。

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(15)の続きを読む ≫

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(14)


米国原子力の専門家、Mr. J. Cirincione チリンチオーネ氏が今後を大予想しています。

In the best case to contain it, and keep the radioactivity in the concrete boxes and two, three, or four years from now, we will have and sand mound on each of reactors dotting the Japanese shoreline. That is going to be a monument that no one really wants to see. And then, the little time we have left.

コンクリート箱の中に放射能閉じ込め成功を見た「ベストケース」の場合、2年か、3年か、4年後、海岸に点のような「砂の山」が並ぶでしょう。これはモニュメント(記念碑)であり、だれも見たくないものです。

次ブログにつづきます。リスクマネジメントISO31000に関連して書いています。

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(14)の続きを読む ≫

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(13)


米国原子力の専門家、Mr. J. Cirincione チリンチオーネ氏が今後を大予想します。

Interviewer インタビューワー
I know that the information has been frustrating to people like you coming out of gentlemen Japan. Can you give me your best guess how this ends?
こんな情報は日本の人々を苛立たせるとは思いますが、今後の経過に関して「こんな風になるだろう」という大予想をしていただけませんか?

My best guess is that there is going to be a bigger breach than we have already seen and we suspect the breaches in No.2 and No.3 reactors and that there will be a bigger breach that will force the evacuation and we will see, I think, at least two core meltdowns and possibly two, maybe more pool fires and end very, very badly. That what I actually think is going to happen. I hope I am wrong. I hope they contain it. This will take weeks or months.
私の大予想は以下の通りです。これまでに発生したよりも、もっと大きな爆発が発生するでしょう。とくに2号機と3号機の爆発です。さらに2つの炉心がメルトダウンし、冷却プールにおいてある炉心が燃え上がるでしょう。この結果、避難区域が拡大されるでしょう。このように予想していますが、予想が外れることを祈っています。日本人が、こんな事態にならないように、放射能の閉じ込めに成功することを祈っています。閉じ込め成功の可否は、数週間から数ヶ月で分かります。成功を祈っています。

次ブログにつづきます。リスクマネジメントISO31000に関連して書いています。

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(13)の続きを読む ≫

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(12)

米国原子力の専門家、Mr. J. Cirincione チリンチオーネ氏が最悪ケースと最良ケースを語ります。。

Interviewer インタビューワー
And full melting downs and breaches of the containment walls means what?
完全メルトダウンと建物の壁の破壊は何を意味しますか?

Mr. J. Cirincione チリンチオーネ氏
The best case is that these cores sort of melt-down or partial melt-down much it is all contained in these concrete boxes, basically. And then over the period of yeas, you would --- you have a slow period of cooling this radioactive mess.
最善のケースは以下の通りです。複数の炉心が完全メルトダウンや部分メルトダウンしても、全ての炉心が現有の鉄筋コンクリートの建物に収まっていることです。放射能源が冷却できる状態にあることです。冷却には何年も掛かりますが。

The worst case is that as they completely meltdown and they punch through, they breach through the concrete walls spilling radio active lava on to the beach, on to the surrounding area, spreading radioactivity over 10-100 km2
最悪のケースは以下の通りです。複数の炉心が完全メルトダウンし、建物のコンクリートを突き破り、放射能物質が海岸や周辺地域に撒き散らされることです。その範囲は10-100 km2です。

次ブログにつづきます。リスクマネジメントISO31000に関連して書いています。

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(12)の続きを読む ≫

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(11)


米国原子力の専門家、Mr. J. Cirincione チリンチオーネ氏の話を、さらにつづけます。

And the real danger is what we have been seeing today. The possibility of high levels of radiation whether it is going to be 10,000,000 times or just 1,000 times which is what the radiation from the other reactor was. That could cause evacuation of workers
本当の危険は今日までに見たとおりです。今高い放射能が検出されつつありますが、今後さらに高い放射能が発生すると、例えば10,000,000 倍などの値がでると、オペレーターを含む従業員の避難が必要となります。

If it gets to be a wide scale evacuation, that means no body to manipulate pumps, no body to run the control rooms. That means the water levels drop in the pools and reactor cores. And that can lead to full melting downs and possible breach of containment walls.
もしも避難範囲が拡大すると、原子炉のコントロールルームに残留して原子炉を制御するオペレーターガ不在になります。すると使用済み核燃料プールや炉心の水面が下がってしまいます。その結果完全メルトダウンが発生し、原子炉を閉じ込めている堅固な建物が破壊されてしまいます。

次ブログにつづきます。リスクマネジメントISO31000に関連して書いています。

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(11)の続きを読む ≫

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(10)

Mr. J. Cirincione チリンチオーネ氏の話がつづきます。

Interviewer インタビューワー
Well, I was going to ask you. Is this beyond Japan's ability to contain it?
この事態は日本の能力で解決できるのでしょうか?
Mr. J. Cirincione チリンチオーネ氏
Frankly and honestly, I do believe this situation is beyond ability of Japanese thors and those.
率直に正直に言いましょう。この事態は日本の対応能力の範囲を超えています。

Heroic workers despite their best efforts to really contain. You have to understand what they are doing now is not in safety manual.
消防隊などの英雄的な人達が「閉じ込め」を図ろうと大変な努力をしています。しかし今やっている活動は、安全マニュアルには書いてないものです。このことを知ってください。

There is no plan for moving fire trucks on the beach and pumping sea water into reactor cores. There is no plan for what they are doing in the least threatening facilities.
消防車を海岸にもってきて海水を炉心に放水していますが、この活動には計画性がありません。自分達がやっていることに関して計画がないのです。危機の低い号機からやっているようですが。

Five and six, where they have had to punch holes in the wall to prevent a damage for potential hydrogen explosions. They are literally making this up as we go along.
5号機と6号機ですが、事態の進行を見ていると、水素爆発の被害を防止するために建物の壁に穴を開けなければならない状態になってきています。

次ブログにつづきます。リスクマネジメントISO31000に関連して書いています。

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(10)の続きを読む ≫

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(9)


Mr. J. Cirincione チリンチオーネ氏の話をつづけます。
The present situation is very, very serious. This is an unprecedented situation. He talked about multiple melt-down in the Middle East. But here, in the Northern shore of Japan, this is an unprecedented situation of 6 nuclear reactors lined up in a row at northern coast of Japan. Here, multiple melt-down means Nuclear Dominos. Any one of these                  Any one of these will be considered a serious situation, then, all of them will fell in a critical condition at the same time, making this a uniquely challenging situation.
現状は未曾有の極めて深刻な状況です。先日中東における複数メルトダウンの話をしました。今回の状況はもっと深刻です。6基もの原子炉が海岸に一列に並んでいます。このような状況においては、複数メルトダウンは、核ドミノを意味します。どれかひとつが深刻な状態に陥ると、全部が危機的状態に陥ってしまいます。これは人類が未だかって経験したことのない状況です。

We have possibility of three the reactors 1, 2, 3 of melt-down, or at least partial melt-downs are already under way in the cores. And fourth reactor, the core was taken out of and put in the fuel pond, And they are jammed in with other fuel a possibility that that could also melt and catch fire. And you have these high radiation levels spiking up and spiking down, leading to a situation that worse. Frankly, no one knows how it ends.
今1号、2号、3号の3炉とも完全メルトダウン、あるいは部分メルトダウンの危機に直面しています。4号炉では炉心が取りだれて冷却プールに設置されています。これはすでに取り出されて冷却中の炉心とともに冷やされています。これらも溶解して着火するでしょう。高放射能レベル区域がどんどん広がり、事態をどんどん悪くするでしょう。正直言ってどんな終末を迎えるか、だれにも分かりません。

次ブログにつづきます。リスクマネジメントISO31000に関連して書いています。

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(9)の続きを読む ≫

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(8)


政府要人の「神のみぞ知る」発言や、テレビにでてくる大学の先生の説明などでは、「今後どうなるか」に関する「見通し」は得られません。そこへ来て昨日のヨウ素134の誤報です。

今や、信ずる情報は自分で選択する他はありません。
そこでまず、解説の度に大学の先生を呼んでくる日本のテレビは選択から外しました。

―― 事故を起こした福島原発が「どのような形で落ち着くか?
これが、私の知りたいことの全てです。
これに関してプラント設計エンジニアの私が、現在信用している情報は、大前健一さんのお話です。それに一昨日海外のテレビCNNが加わりました。CNNが2011年3月27日午後11時、CNN(スカパーHD)が以下の報道をしていました。これを録画して英文ワープロで掘り起こしました。これを何回かに分けて紹介します。
以下の通りです。

Japan's nuclear crisis
日本の核危機
Interviewer (female) 女性のインタビューワー
An authority, at the country's Nuclear Safety Agency, questioned the extremely high radiation figure. Earlier, the power company said the radiation levels are 10,000 times more than normal of that reactor.
日本の国家原子力安全委員会が今回の極端に高濃度の放射能値に関して諮問しました。これに先立ち、東電は通常値よりも一万倍も強い値を報告していました。
Here we in Washington, Joseph Cirincione, President of Pallsious (スペル不明)Fund, a public plan-making foundation, focused on nuclear weapon policy.
ここワシントンにおいて、パルシウス・ファンド社長のヨセフ・チリンチオーネ氏のお話を聞きます。パルシウス・ファンドは、核兵器に特化したシンクタンクです。
We discuss every week on this topics. And to me it is more and more confusing. First evening, Oh my, this is catastrophic, and next, the radiation is OK. Can you compare with something. This is serious or not serious? Could you explain this situation --- never ending or something.
毎週このトピックで議論していますが、よく分かりません。深刻なのでしょうか、それとも大丈夫なのでしょうか。

次ブログにつづきます。リスクマネジメントISO31000に関連して書いています。

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(8)の続きを読む ≫

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(7)


ヨウ素134(半減期53分)(放射性物質濃度2.9×10の9乗ベクレル)が2号機タービン室地下階溜まり水から検出との発表(原子力保安院)を受けて「再臨界発生」と前ブログに書きました。

―― 今朝おきてみると。これはセシウム134(半減期2年)の誤りだったと新聞に書いてありました。試料の再採取からやり直し測定した結果、誤りが判明したとのことです。記事は、日経新聞2011年3月23日朝刊一面「2号機極めて高い放射線」でした。やれやれ。

―― 記事には「原子力安全委員会が測定数値に疑問をもち、東電に再測定をもとめた」とありました。専門家には「半減期53分」「放射性物質濃度2.9×10の9乗ベクレル」の恐ろしい意味(再臨界開始)がすぐに分かったのでしょう。だから測定数値に疑問をもったものでしょう。

―― しかしヨウ素134と発表した瞬間には、発表者(原子力保安院)はその値が真実と思っていた筈です。その意味が「再臨界」を意味すると、どうして言わなかったのでしょうか。発表者がそのことを知らないのでしょうか。それとも影響大きいと思って敢えて言わなかったのでしょうか。

―― とりあえず私の「再臨界恐怖」は払拭しました。なぜなら、稼動中に生成したセシウム134が、金属鞘がメルトダウン(融解)して露出した燃料ペレットの一部が、タービン駆動水によってタービンへ運ばれたものと推定できますから。

―― しかし今後どうなるかは私には分かりません。メルトダウンした燃料ペレットが容器底に積もって再臨界を迎えないという保証は、私には見えません。だから昨日書いたように日本国首相が率いる国家的危機管理組織の立ち上げが待たれます。

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(7)の続きを読む ≫

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(6)

 本日(2011年3月27日)の発表です。2号機タービン室の地下階溜まり水から高濃度のヨウ素134が検出されたと。以下のURLです。
 http://www.meti.go.jp/press/20110327001/20110327001-4.pdf
 半減期が53分と記載されています。

 ―― 原子炉から離れた位置にあるタービン室で、半減期が「53分」の放射性同位元素が「大量」(2×10の9乗ベクレル/弊方センチ)に検出されたことの意味はお分かりになるでしょうか。
 このデータはタービンと配管で直結している2号機リアクター内部において燃料棒の「再臨界」が起こっていることの動かぬ証拠です。私がもっとも恐れていた「再臨界」が発生しました。これは一私企業、東京電力の手には負えない国家的危機です。日本国首相は何をしているのでしょうか。

 ―― 国家的「危機対応組織」を編成して「危機管理」の指揮をとって貰わないと国民はどうしたらよいか分かりません。原発現場で文字通り「懸命」に電源やポンプの復旧作業に当たっている東電工事下請作業者もどうしたらよいか分かりません。何の目的ために懸命になっているかが分かりません。

 ―― 放射能の値を発表して「避難指示」や、飲み水の「摂取制限」の指示をやっているだけでは困ります。

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(6)の続きを読む ≫

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(5)


「1~3号機への消防車注入水が真水に切り替えられた」と。「米軍が協力してくれた」と。テレビ報道でした。嬉しいことです。これを聞いてとりあえず、懸念していた悪化方向へは行かないと安堵しました。海水の注水を継続すると蒸発により固体食塩が貯まり、それ以上の冷却はできなくなるからです。また食塩に放射能物質が付着して処理を困難にするからです。

 ―― 分かり易く言うと、ポンプや配管は一度閉塞すると、「分解掃除」をしないかぎり開通しないのです。事態の打開はますます困難になります。このことは化学工場で長年勤務してきた化学エンジニアの常識です。

「海水を注入する」
 と、聞いた時、私は冷却配管が閉塞する懸念を周囲の者に告げておりました。一時的除熱であれば、海水注入は最適な判断だったでしょう。しかし燃料棒は長期的に発熱があるので除熱冷却は一時的なものでは済まされません。
 よって最適判断であったかどうかは今になってみると疑われます。もしも海水を注入しなければ、核暴走(連鎖反応の再開)が発生したのでしょうか。それならば諦めます。

 ―― 核暴走に関して知識のない私には「海水注入」の判断が「核暴走防止」であり、それが成功していることを祈念しています。そして今は、核暴走を起こさないための「戦闘状態」にあるのだと理解すれば納得できます。

原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(5)の続きを読む ≫

アーカイブ

最近のエントリー

このページのトップへ