トップページ
税理士 会計士 行政書士 司法書士 社労士
弁護士 弁理士 中小企業診断士 経営コンサルタント 保険代理店

田邉康雄のISO31000「自己宣言」審査は、JTTASの事業へ-6

 前ブログにおいて「困ったものだ」と述べました。JISQ31000を取り寄せたら、英文ISO31000が添付されていないことを「困った」と言ったのです。

 ―― 英文がついていないので、英文ISO31000は別に取り寄せることになります。これは本当に困ります。

 ―― なぜ困るか?
 JISQ31000序文の冒頭に「この規格は、2009年に第一版として発行されたISO31000を基に、技術的内容及び構成を変更することなく作成した日本工業規格である」と明記してあります。これは「翻訳文に疑義がある時はISO原文に準拠してください」と言っているのです。

 ―― 実際、JISQ31000が発行される前のISO31000英和対訳本では、その冒頭に以下の記述があります。即ち「翻訳文に疑義がある時はISO原文に準拠してください。日本語のみを使用して生じた不都合な事態に関しては、当協会は一切責任を負うものではありません」と。

田邉康雄のISO31000「自己宣言」審査は、JTTASの事業へ-6の続きを読む ≫

田邉康雄のISO31000「自己宣言」審査は、JTTASの事業へ-5

前ブログにおいて「日本語だけを見ることの危険性」について、私の見解を述べました。

 ――JISQ31000
 を、発行元の日本規格協会から取り寄せてみました。

 ―― すると、なんとしたことか英文が添付されていません。これでは、「日本語だけを見る」結果になってしまいます。念のために言いますが、JISQ31000は日本規格ですが、ISO31000の訳文です。日本独自の規格ではありません。

「JISQ31000だけをみて、ISO31000を理解してはダメ」
 と、私が言っているのにこれでは環境が整っていません。これは困ったことです。

 ―― この環境においては、多くの人が原文を見ずに日本語だけでJISQ31000を理解する羽目に陥ってしまいます。本当に困ったことです。

田邉康雄のISO31000「自己宣言」審査は、JTTASの事業へ-5の続きを読む ≫

田邉康雄のISO31000「自己宣言」審査は、JTTASの事業へ-4


 前ブログにおいて「ISO31000自己宣言評価基準準備分科会」の分科会員を募集するが、選考基準は三項目あることを紹介しました。それを一項目ずつ説明します。

―― 英文で理解する力量
を、ます最初に説明します。
具体的には「ISO31000規格の英文を理解し、この英文を日本語で顧客企業に説明できる力量」です。

―― ISO31000の原文の一つは英語
です。そして英語版からその日本語訳がJISQ31000として発行されました。しかしJISQ31000だけを見てISO31000を理解することは危険なのです。

 ―― なぜ危険か?
その理由を説明します。
以下の三種類の英単語を例に取りましょう。「Administration」、「Control」、そして「Management」の三つです。
これらは全て「管理」と訳されることが多いのです。ですから、もともと異なっていた英文の意味が日本語になった際、その差異が読み取れないのです。これが危険なのです。

田邉康雄のISO31000「自己宣言」審査は、JTTASの事業へ-4の続きを読む ≫

田邉康雄のISO31000「自己宣言」審査は、JTTASの事業へ-3

前欄で無償役務提供のことを紹介しました。役務とは、「ISO31000自己宣言評価基準」を策定するための実作業です。これを同基準の「準備分科会」の分科会長として私田邉康雄が実施します。

―― 今後JTTAS会員、かつ、JRMR会員の中から分科会員を募集することになりますが、この分科会員に必要とされる力量は以下の通りです。
1) ISO31000規格の英文を理解し、この英文を日本語で顧客企業に説明できる力量
2) 豊富なISOMS審査経験に基づく顧客企業をコンサルティングしながら評価をする力量、
3) 自分の専門分野のリスクアセスメント実務経験に基づく顧客企業をコンサルティングしながら評価する力量

 以上の力量に関しては、応募者を私、分科会長が面接して定性的に判断し、専攻します。

 ―― もっとも重要なことは、応募した分科会員が提供する分科会役務への対価は期待しないということです。このことは分科会長が無償役務提供をしているので、当然のことです。分科会長と同様に、先行投資として役務提供を考えられる人だけが選考の対象です。

田邉康雄のISO31000「自己宣言」審査は、JTTASの事業へ-3の続きを読む ≫

田邉康雄のISO31000「自己宣言」審査は、JTTASの事業へ-2


前ブログにおいて、私田邉康雄が公益法人JTTASに対して「無償で協力する」と約束したことを紹介しました。無償協力とは具体的には、無償「役務提供」です。

―― この役務無償提供は、有限会社田辺コンサルタント・グループにとっては、先行投資としいう意味があります。

―― 経済力の小さい弊社には、不確実性の高い「危ない事業」に、リスクを取って資金を投資する余裕はありません。敢えて投資するとすれば、銀行から借入れて投資する他はありません。
その場合は必ず資金を回収する必要があります。しかし。役務ならば後で回収する必要はありません。その間、「只働き」をしたと思えばよいのです。

田邉康雄のISO31000「自己宣言」審査は、JTTASの事業へ-2の続きを読む ≫

田邉康雄のISO31000「自己宣言」審査は、JTTASの事業へ-1

公益法人、経済産業省認可社団法人日本工業技術振興協会(JTTAS)は、2010年3月にリスクマネジメント研究会(JRMR)を設立しました。私は、従来からJTTAS会員でありましが、JRMR会員設立にともなってここの会員にもなりました。

―― JRMR設立は、2009年9月にリスクマネジメント国際規格31000が制定されたことに対応したものだったと聞いています。

―― 昨年(2010年)の12月に第二回目の研究会が開催されました。その席上私田邉康雄は、ある提案をしました。即ち「ISO31000自己宣言評価基準準備分科会の設立」です。
この提案は、JTTAS理事会に諮って頂くことになりました。そして去る1月28日にJTTAS事務局長松井武久さんから連絡を受けました。曰く「該分科会の設置が承認された。ついては、分科会長就任を依頼する」と。

―― これを受けて直ちに、就任承認書をJRMR会長へ送付しました。そして昨2月4日、改めて松井事務局長が弊社へ御訪問され、「協力を感謝する」と言っていただきました。

―― 私のJTTASに対する協力に関しては無報酬を提案し、これをお約束しております。これが公益法人に対する正しい姿勢であると考えています。事務局長には、この姿勢を高く評価して頂きました。

田邉康雄のISO31000「自己宣言」審査は、JTTASの事業へ-1の続きを読む ≫

田邉康雄のリスク管理ISO31000―自己宣言の無料審査 6

ISO審査機関は「経営に関する冬の時代」を迎えていると、前ブログにおいて書きました。なぜならば、認証取得企業において、①ISO返上、②値下げ要求の選択肢があるとからです。

―― これら選択肢のいずれも、ISO審査機関にとっては経営上致命的です。そこでこれらを回避する目的で顧客満足を諮ります。一方顧客はコンサルティングしながら審査してもらうことを期待しています。しかし審査機関はこれができません。なぜならISO17021の制限、コンサルティング禁止があるからです。


―― 現制度下では望むべくもありませんが、もしも審査の場におけるコンサルティングが許されるならば企業の「利」に繋がるでしょう。そこでISO31000では、コンサルティングしながら適合評価するという手段をとりたいと思います。

次回からは、本件に関する社団法人日本工業技術振興協会(JTTAS)の動きを紹介します。

田邉康雄のリスク管理ISO31000―自己宣言の無料審査 6の続きを読む ≫

田邉康雄のリスク管理ISO31000―自己宣言の無料審査 5


前ブログからつづけます。形式が不要になったら、その形式を捨てるだけのことです。もしも捨てないとするならば、何か「利」になることが無ければ継続できません。言い換えると、何らかの「見返り」がなければ継続できません。

―― この状況下において認証/登録の「見返り」は何でしょうか。認証/登録そのものが販売促進に役立った時代においては、販売促進の向上が「見返り」でした。しかし時代は変わった現在、販売促進の向上は期待できません。

―― 見返りが無いならば、企業は認証/登録返上という選択肢をとります。あるいは当面、ISO審査機関に対して「認証/登録料金の引下げ」要求という選択肢をとります。

―― 実際この二つが起こっており、とくにISO9001において顕著です。「ISO返上」と「審査料金の値引き競争」です。この大きな波を受けて現在、ISO審査機関は「経営に関する冬の時代」を迎えています。

次ブログにつづきます。

田邉康雄のリスク管理ISO31000―自己宣言の無料審査 5の続きを読む ≫

田邉康雄のリスク管理ISO31000―自己宣言の無料審査 4


 新技術開発センターによるセミナーの話を続けます。その中で説明した「コンサルティング禁止」が「ISO形骸化」に繋がる件をここで再度説明します。

 ―― 以前(1990年台)ならばISO9001認証/登録していること「自体」が見返りでした。なぜならば、ISO9001認証/登録している事実が「販売促進」になったからです。

 ―― しかしその後、事情が変化しました。製品納入の条件とする企業が減少してきたのです。販売促進に役立ったことはISOMSが普及する初期段階だけのことでした。

 ―― 普遍的な原理
形式を必要とする「物」は、最終的には必要とされる「形」だけが生き残るという原理があります。

 ―― 組織の官僚化は、この原理その典型です。そして官僚化した組織は古今東西例外なく破綻しました。我が国が導入した品質マネジメントシステム国際規格ISO9001は、この原理に基づいて形骸化したのです。「我が国」におけるISO9001の完全破綻は近いと考えています。

 コンサルティング禁止が形骸化に繋がる理由は次ブログに譲ります。

田邉康雄のリスク管理ISO31000―自己宣言の無料審査 4の続きを読む ≫

田邉康雄のリスク管理ISO31000―自己宣言の無料審査 3


 新技術開発センターによるセミナーの話を続けます。なぜ「コンサルティング禁止」が「ISO形骸化」に繋がるのでしょうか。その理由に関しては以下に説明します。

 ―― ここで言う「コンサルティング禁止」とは、認証/登録に係る審査の場における禁止のことです。認証/登録を支援するコンサルタントによるコンサルティングのことではありません。どうか間違えないでください。

 ―― 受審企業はISO認証/登録に対して料金を支払っています。100名の企業であれば、三年間で150万円から300万円もします。認証/登録を継続する限り、この料金を支払わなければなりません。

 ―― こんな高い料金を支払っているのですから、企業としてはそれだけの見返りを当然期待します。これは甚だ自然なことです。

 次ブログに続きます。

田邉康雄のリスク管理ISO31000―自己宣言の無料審査 3の続きを読む ≫

田邉康雄のリスク管理ISO31000―自己宣言の無料審査 2


 さて本論に入ります。さる2011年1月18日と19日にISO31000解説講演をやってきました。主催者は「技術士ISO品質管理のセミナー/通信講座」の株式会社新技術開発センターでした。

 ―― 予め御案内した講演メインタイトルは「ISO31000規格の実践探求特別講座」であり、サブタイトルは「ISO31000の原文を正しく理解して内部統制と一体化し、自己宣言しよう!!」でした。サブタイトルはもう一つありました。即ち「コーポレートガバナンスを向上し、コンプライアンスを高めよう!!」でした。

 ―― 私田邉康雄は、ISO9001やISO14001の認証/登録が形骸化している事実を紹介し、ISO17021によって規制を受けているISO審査機関に原因があると説明しました。

 ―― 私が言わんとしたことは以下の通りでした。
即ちコンサルティングが禁止されている審査員によって審査されている事実が、該「形骸化」(即ち「ISO形骸化」)の原因であると。

田邉康雄のリスク管理ISO31000―自己宣言の無料審査 2の続きを読む ≫

田邉康雄のリスク管理ISO31000―自己宣言の無料審査 1

  
 今、リスクマネジメントに関してブログを連載しています。今回からリスクマネジメントの代わりにリスク管理という言葉も使用します。もちろん従来から使っている「リスクマネジメント」も使用します。

 ―― 今後私のブログにおいては、「リスク管理=リスクマネジメント」と御理解ください。即ち、マネジメントの日本語訳をブログの上では「管理」とすることをお許しください。理由は簡単であり、「語句が短い」からです。字数制限のある記述場所において便利だからです。

「Wikipedia」によると、
 管理とは「物事や一定の事務を管轄し取仕切ること」だそうです。そして私はこの説明に賛同してこれを採用しています。

 ―― 一方Oxford Advanced Learner's Dictionary 7th Editionによると、Management(マネジメント)とは「the act of running and controlling a business or similar organization」、即ち「ある事業やそれ同等の組織を経営し、かつ、制御する活動」だそうです。
 すなわち、ある事業をうまくやり遂げるという意味があります。私はこの説明に賛同して、「リスクマネジメント」を説明する場合にこの意味で説明しています。

 次ブログに続きます。

田邉康雄のリスク管理ISO31000―自己宣言の無料審査 1の続きを読む ≫

田邉康雄のリスクマネジメント―ISO31000―JTTAS(6)


前ブログにおいて「ISO31000は、システム規格である」と看破し、その根拠としてデミングのシステム定義を置いたことを述べました。以下看破した理由を述べます――。

デミングによれば、システムとは――、
1) ある「目的を達成」するために
2) お互いに協力し合い、かつ、依存し合う「要素」の
3) 「複合体」

です。ここで「要素」は英語のエレメントであり、「複合体」はネットワークです。

 ―― ISO31000は、
リスク低減という目的を達成するために、お互いに協力しあい、かつ、依存しあう「コミットメント&指示」「マネジメント方法の設計」「マネジメント実行」「リスク発見」「リスク分析」「リスク分類」「リスク対処」「実行監視&軌道修正」等の要素の複合体です。

―― このことに疑いを挟む余地は、私には発見できません。

 ですから、このようなデミングの定義を採用する私は、ISO31000をシステム規格のひとつであると考えているのです。

田邉康雄のリスクマネジメント―ISO31000―JTTAS(6)の続きを読む ≫

田邉康雄のリスクマネジメント―ISO31000―JTTAS(5)


 ISO31000自己宣言の適合性評価を無料で実施することを力説してきました。ここで話を元に戻します。さて――、

 ―― ISO31000に関して私は、リスクマネジメントシステムという言葉を使用していますが、ISO31000規格の中でシステムという言葉は使用されはいません。むしろ文章の流れから判断するに、「マネジメントシステムではない」と言っているようです。

 ―― しかし私は、私の理解する所に従ってISO31000を「リスクマネジメント『システム』規格である」と呼称しています。その根拠はデミングの定義「システム」です。

 その詳細に関しては次ブログに譲ります。
次ブログにおいてデミングのシステム定義を紹介します。

田邉康雄のリスクマネジメント―ISO31000―JTTAS(5)の続きを読む ≫

田邉康雄のリスクマネジメント―ISO31000―JTTAS(4)


前欄においてISO31000適合評価は、無料であってこそその目的が達成されると述べました。この欄で、無料評価が必要である理由をさらに続けます。

―― 一般論ですが、依存心が無くなれば「自分でやらねば」という意気込みが沸いてきます。この意気込みこそが何事においても推進の原動力です。

―― ISO31000内部監査も自分でやります。即ち自分で工夫してやります。決して強制された方法ではありません。有料のISO認証/登録においては、「内部監査は強制されている」と、ある意味では被害者意識があるので、やる気が無くて被評価側(企業)の内部監査が形骸化しています。

―― 内部監査が形骸化しては、どんなマネジメントシステムも初期の成果を上げることはできません。しかし多くのマネジメントシステム運用企業は、この内部監査が形骸化しています。このような形骸化が、せっかくの(期待の大きい)ISO31000にも起きてしまうことを懸念しています。

田邉康雄のリスクマネジメント―ISO31000―JTTAS(4)の続きを読む ≫

アーカイブ

最近のエントリー

このページのトップへ