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リスク管理の記事一覧

田邉康雄のISO31000「自己宣言」審査は、JTTASの事業へ-1

公益法人、経済産業省認可社団法人日本工業技術振興協会(JTTAS)は、2010年3月にリスクマネジメント研究会(JRMR)を設立しました。私は、従来からJTTAS会員でありましが、JRMR会員設立にともなってここの会員にもなりました。

―― JRMR設立は、2009年9月にリスクマネジメント国際規格31000が制定されたことに対応したものだったと聞いています。

―― 昨年(2010年)の12月に第二回目の研究会が開催されました。その席上私田邉康雄は、ある提案をしました。即ち「ISO31000自己宣言評価基準準備分科会の設立」です。
この提案は、JTTAS理事会に諮って頂くことになりました。そして去る1月28日にJTTAS事務局長松井武久さんから連絡を受けました。曰く「該分科会の設置が承認された。ついては、分科会長就任を依頼する」と。

―― これを受けて直ちに、就任承認書をJRMR会長へ送付しました。そして昨2月4日、改めて松井事務局長が弊社へ御訪問され、「協力を感謝する」と言っていただきました。

―― 私のJTTASに対する協力に関しては無報酬を提案し、これをお約束しております。これが公益法人に対する正しい姿勢であると考えています。事務局長には、この姿勢を高く評価して頂きました。

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田邉康雄のリスク管理ISO31000―自己宣言の無料審査 6

ISO審査機関は「経営に関する冬の時代」を迎えていると、前ブログにおいて書きました。なぜならば、認証取得企業において、①ISO返上、②値下げ要求の選択肢があるとからです。

―― これら選択肢のいずれも、ISO審査機関にとっては経営上致命的です。そこでこれらを回避する目的で顧客満足を諮ります。一方顧客はコンサルティングしながら審査してもらうことを期待しています。しかし審査機関はこれができません。なぜならISO17021の制限、コンサルティング禁止があるからです。


―― 現制度下では望むべくもありませんが、もしも審査の場におけるコンサルティングが許されるならば企業の「利」に繋がるでしょう。そこでISO31000では、コンサルティングしながら適合評価するという手段をとりたいと思います。

次回からは、本件に関する社団法人日本工業技術振興協会(JTTAS)の動きを紹介します。

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田邉康雄のリスク管理ISO31000―自己宣言の無料審査 5


前ブログからつづけます。形式が不要になったら、その形式を捨てるだけのことです。もしも捨てないとするならば、何か「利」になることが無ければ継続できません。言い換えると、何らかの「見返り」がなければ継続できません。

―― この状況下において認証/登録の「見返り」は何でしょうか。認証/登録そのものが販売促進に役立った時代においては、販売促進の向上が「見返り」でした。しかし時代は変わった現在、販売促進の向上は期待できません。

―― 見返りが無いならば、企業は認証/登録返上という選択肢をとります。あるいは当面、ISO審査機関に対して「認証/登録料金の引下げ」要求という選択肢をとります。

―― 実際この二つが起こっており、とくにISO9001において顕著です。「ISO返上」と「審査料金の値引き競争」です。この大きな波を受けて現在、ISO審査機関は「経営に関する冬の時代」を迎えています。

次ブログにつづきます。

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田邉康雄のリスク管理ISO31000―自己宣言の無料審査 4


 新技術開発センターによるセミナーの話を続けます。その中で説明した「コンサルティング禁止」が「ISO形骸化」に繋がる件をここで再度説明します。

 ―― 以前(1990年台)ならばISO9001認証/登録していること「自体」が見返りでした。なぜならば、ISO9001認証/登録している事実が「販売促進」になったからです。

 ―― しかしその後、事情が変化しました。製品納入の条件とする企業が減少してきたのです。販売促進に役立ったことはISOMSが普及する初期段階だけのことでした。

 ―― 普遍的な原理
形式を必要とする「物」は、最終的には必要とされる「形」だけが生き残るという原理があります。

 ―― 組織の官僚化は、この原理その典型です。そして官僚化した組織は古今東西例外なく破綻しました。我が国が導入した品質マネジメントシステム国際規格ISO9001は、この原理に基づいて形骸化したのです。「我が国」におけるISO9001の完全破綻は近いと考えています。

 コンサルティング禁止が形骸化に繋がる理由は次ブログに譲ります。

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田邉康雄のリスク管理ISO31000―自己宣言の無料審査 3


 新技術開発センターによるセミナーの話を続けます。なぜ「コンサルティング禁止」が「ISO形骸化」に繋がるのでしょうか。その理由に関しては以下に説明します。

 ―― ここで言う「コンサルティング禁止」とは、認証/登録に係る審査の場における禁止のことです。認証/登録を支援するコンサルタントによるコンサルティングのことではありません。どうか間違えないでください。

 ―― 受審企業はISO認証/登録に対して料金を支払っています。100名の企業であれば、三年間で150万円から300万円もします。認証/登録を継続する限り、この料金を支払わなければなりません。

 ―― こんな高い料金を支払っているのですから、企業としてはそれだけの見返りを当然期待します。これは甚だ自然なことです。

 次ブログに続きます。

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田邉康雄のリスク管理ISO31000―自己宣言の無料審査 2


 さて本論に入ります。さる2011年1月18日と19日にISO31000解説講演をやってきました。主催者は「技術士ISO品質管理のセミナー/通信講座」の株式会社新技術開発センターでした。

 ―― 予め御案内した講演メインタイトルは「ISO31000規格の実践探求特別講座」であり、サブタイトルは「ISO31000の原文を正しく理解して内部統制と一体化し、自己宣言しよう!!」でした。サブタイトルはもう一つありました。即ち「コーポレートガバナンスを向上し、コンプライアンスを高めよう!!」でした。

 ―― 私田邉康雄は、ISO9001やISO14001の認証/登録が形骸化している事実を紹介し、ISO17021によって規制を受けているISO審査機関に原因があると説明しました。

 ―― 私が言わんとしたことは以下の通りでした。
即ちコンサルティングが禁止されている審査員によって審査されている事実が、該「形骸化」(即ち「ISO形骸化」)の原因であると。

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田邉康雄のリスク管理ISO31000―自己宣言の無料審査 1

  
 今、リスクマネジメントに関してブログを連載しています。今回からリスクマネジメントの代わりにリスク管理という言葉も使用します。もちろん従来から使っている「リスクマネジメント」も使用します。

 ―― 今後私のブログにおいては、「リスク管理=リスクマネジメント」と御理解ください。即ち、マネジメントの日本語訳をブログの上では「管理」とすることをお許しください。理由は簡単であり、「語句が短い」からです。字数制限のある記述場所において便利だからです。

「Wikipedia」によると、
 管理とは「物事や一定の事務を管轄し取仕切ること」だそうです。そして私はこの説明に賛同してこれを採用しています。

 ―― 一方Oxford Advanced Learner's Dictionary 7th Editionによると、Management(マネジメント)とは「the act of running and controlling a business or similar organization」、即ち「ある事業やそれ同等の組織を経営し、かつ、制御する活動」だそうです。
 すなわち、ある事業をうまくやり遂げるという意味があります。私はこの説明に賛同して、「リスクマネジメント」を説明する場合にこの意味で説明しています。

 次ブログに続きます。

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