役員に金銭を貸し付けた時の利率はいくらにすればよいのか?
みなさま、こんにちは。毎日暑い日がつづきますね。
さて、今日は役員への金銭の貸付に関する税務上の取り扱いについて、ご説明いたします。
役員に対して、金銭を無償又は、通常の利率よりも低い利率で貸し付けた場合は、通常取得すべき利率により計算した利息の額と実際徴収した利息の額との差額に相当する金額は、その役員に供与した経済的利益(役員に対する給与・賞与)となります。(法人税法基本通達9-2-10(7))。
この、「通常取得すべき利率」については、所得税法基本通達36-49で定められています。
①その金銭を法人が他から借り入れて貸し付けたものが明らかな場合には、その借入金利率によります。たとえば、金融機関等から1.0%で融資を受けて、そのタイミングで役員へ貸し付けたような場合がそうです。ひも付きであればその利率が使えるということです。
②その他の場合には、貸付をした日の属する前年の11月30日を経過する時における公定歩合に年4%の利率を加算した利率によります。(公定歩合については、日本銀行HP にて公開されています。)ちなみに、平成23年中に貸し付けた場合には、平成22年11月30日を経過する日の公定歩合0.30%に4%を足した4.3%となります。この利率は、延滞税の利率(最初の2カ月間)と同一となります。
しかし、例外として以下のような場合には、無利息又は、低利率で貸し付けを行っていも、給与所得として課税しないこととしています(所得税法基本通達36-28)。
①災害、疾病等により臨時的に多額の生活資金(結婚、入学のための資金などは除く)を要することとなった役員に対し、その資金に充てるために貸し付けた金額につき、その返済期間として合理的な期間内に与える経済的利益
②役員に貸し付けた金額につき、会社の借入金の平均調達金利(会社が貸し付けを行った日の前事業年度中における借入金の平均残高に占める前事業年度中に支払うべき利息の額の割合など合理的に計算された利率)など合理的と認められる利率を算定し、これにより利息を徴収している場合
金融機関からの借入があれば、その利率が使えます。借入がなければ、②の計算をして4.3%よりも低利であれば、その利率で貸し付けることができます。いずれにせよ算定根拠を明確にしておくことが大切です。ご参考まで。
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