小規模宅地の特例の中で、非同居親族がその土地を取得した場合の適用要件(通称:家なき子の特例)について、コメントしたいと思います。
非同居親族が取得した場合には、以下3つのポイントをクリアすれば、小規模宅地の特例適用要件を満たします。
①相続開始前3年以内に今回取得する相続人本人もしくは、その配偶者の所有する家屋に住んだことがない人が取得した場合で、
②被相続人に同居親族がいない場合に限られます。
③この同居親族とは法定相続人に限られます。
しかし、この家屋について、括弧書きで、「相続開始の直前において、被相続人の居住の用に供されていた家屋は除く」とあります。
この括弧書きがクセモノなんです。
つまり、非同居親族が、相続開始3年以内に持家があって、そこに住んだことがあっても、相続開始直前において、被相続人がその家屋を居住用として住んでいた場合には、持家がない人と同様に取り扱いますよという意味なんですね。
この括弧書きをちゃんと説明しているモノ(書物、ネット)は少ないので、今回コメントしておきます。
具体例として、レアかもしれませんが以下のケースが考えられます。
①母親の土地に自己資金で新築(父はすでに他界)
②1年後転勤命令により空家状態に
③空家を貸家とするにも、いつも戻ってこれるか分からないので取り合えず母親に住んでもらう
④翌年母親が亡くなる
⑤この土地を相続する
この場合、相続開始前3年以内に持家ありですが、その家を被相続人が居住の用に供していたので、持家なしと同等の取り扱いにより、小規模宅地の特例の要件を満たします。
仮に、この母に実妹がいて、妹と住んでいたとしても、妹は、法定相続人ではありませんから、同居親族なしの要件を満たします。
上記の通り、家なき子の特例は、この括弧書きを含めると他の小規模宅地の特例より緩め?のイメージがしますよね。
読みにくい括弧書きです。ご参考まで。
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渋谷で開業60年。
経営者と共に悩み、共に喜ぶ
田 中 會 計 事 務 所
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