裁判員制度について
11/28に最高裁判所から裁判員の候補者になったことを知らせる「裁判員候補者名簿記載通知」が一斉に発送されました。全国で約30万人の人に通知が届くそうです。私達の関与先、すなわち中小零細事業者の経営者の方々にとっては、非常に悩ましい問題です。
よくお伺いしますのが、やはり呼び出しに対する不安です。このご時世、中小零細事業所は常にギリギリの人数での経営です。制度自体はご理解をなされても、たとえ従業員一人でさえ大事な戦力。
そして、自分がどうして人を裁けるのかという不安もお持ちです。特に取り扱い事件は重大な刑事事件です。仮に有罪事件を出したときに、自分が被告人から恨みを買うのではないかというご心配も伺いました。
もっともなご心配です。さらに守秘義務も業務上身に付いている私達ならいざ知らず、精神的にも負担のかかることです。
さて、裁判員を辞退できる理由で、仕事などを休むことで重大な損害が生じる場合がありますが、実際にどのような運用となるかははっきりしておりません。ただし、各地の模擬選任で辞退が認められた仕事の事情の例で、百貨店の化粧品売り場に勤め、職場を空けられないとか、夫婦で床屋を経営しており、お客さんへの癒やしを大事にしているのでアルバイトには頼めないとか、経営している八百屋の特売日などがありました。この点から考えれば、ただ仕事が忙しいとか、他の人に仕事をまかせると不安などの理由でなければ、ある程度は考慮してくれるのかもしれません。しっかり主張するべきなのでしょうね。
日本国民にとって大事な制度ではあるのは事実なのでしょうが、個々人の仕事そして日々の生活はもっと大事ですから。柔軟な対応を求めたいところです。
ですが、呼び出しを受けたのに無断で行かないと、10万円以下の罰金がかかるときもあるそうです・・・これだけは避けたいですね。