22年度予算審議にあたり気付いたこと・・・
政治資金がらみの事件もあり、なかなかすっきり進まない国会審議ですが、平成22年度予算の審議にあたり、ふと気が付いた点があり触れてみます。
いわゆるこども手当についてですが、紆余曲折を経て、本国会で可決されて4月分より6月から開始とのことですが、これに伴い、平成23年より所得税の15歳未満の扶養控除が廃止、併せて平成24年より住民税の15歳未満の扶養控除も廃止になります。
平成22年については、政権交代後すぐのことであり、旧政権からの予算でしたから、急に満額支給は困難であろうと、受給対象者のみなさんもある意味半額支給やむなしと思われていると思います。
ところが、平成23年からの満額支給も、1/31と2/1に野田財務副大臣と峰崎財務副大臣が困難ではないかとのコメントを発表しました。税収も少なく、当初描いていた埋蔵金も少なかったのでしょうね。と、ここでちょっと待て!?と思いました。
この手当支給と(若干適用時期のズレはありますが・・・)扶養控除の廃止は手当の満額支給がなければまったく意味がないのです。
平成24年に支給額が現状と同じ半額であるという想定の下でのお話ですが、小学校1年生の子供1人がおり、所得税の税率が20%の家庭であった場合、
もらえる受給額(こども手当) @¥13,000×12ヶ月=¥156,000
なくなる受給額(児童手当金)@¥△5,000×12ヶ月=¥△60,000
扶養控除(所得税)¥△380,000×20%=¥△76,000
扶養控除(住民税)¥△330,000×10%=¥△33,000
負担の合計¥△169,000
差し引き¥156,000△¥169,000=△¥13,000
と結局こども手当が導入されたばっかりに損してしまう結果になるのです。最高税率(40%)の家庭にとっては、子供1人あたりおよそ¥90,000も負担を強いられます。
少子化に歯止めをかけるため、配偶者控除とすべての扶養控除を廃止し、日本中の子供をみんなで育てていこう!というスローガンの下に始めたこのこども手当。
いつのまにか参院選を前に、有権者のご機嫌取りに走ってすべてを維持した結果、専業主婦家庭とニートなどを抱える家庭、様々な理由により子供を持たない家庭に負担をお願いするどころか、頑張って子供を育てていこうという家庭に負担を強いるという本末転倒な結果になってしまいそうです。
今夏の参院選が終われば、有権者への一時的なご機嫌取りも終わるのでしょうが、きちんと本来行おうとしていた道に戻れるかどうか、こども手当受給家庭は今後もしっかり政権与党を見ていかなければなりませんね。