『 人間の努力と社会の進歩 』
吉村昭著『冬の鷹』新潮文庫を読みました。
この本は、日本最初の西洋医学書を翻訳した『解体新書』を中心に、杉田玄白と前野良沢を対比するかたちでその生涯に光を当てたものです。
役業は語学力において当時並ぶもののない前野良沢が行ったが、盟約者全体の舵をとり訳出に積極的能率的に協力し、出版折衝等の実務を一手に引き受けたのは杉田玄白でした。
これを読んで感じたのは、人間それぞれ能力や生き方が有り、その努力の集合が世の中の進歩に成って行きます。
それからいつの世も、夫婦親子の相手を思う気持に変わりが無く、当時も今も人間の営みが続いている事を感じました。
何が幸福で何が不幸かは本人の考え方生き方で決まりますが、基本的に人間は孤独のような気がします。
今後も人間は努力し、より良い社会にして行くことでしょう。