貸付?それとも贈与?
鳩山首相が母親から2004年から2008年までの間に9億円の資金提供を受けていたことについ
て東京地検特捜部は「贈与」であるとの見解を示すようです。
母親の側近は「首相個人への貸付だった」と説明しているようです。
贈与税に限らず、税金は実質で課税をします。
今回の件でも焦点は、その資金提供が本当に貸付だったのかということです。
相続税法基本通達(相続税法の解釈の基準となるもの)では、「親と子などの特殊関係者相互間
で金銭の貸与等があった場合には、それが事実上贈与であるのにもかかわらず貸与の形式をと
ったものであるかどうかについて念査するものであるが・・・・」と明記されています。
つまり、「ある時払いの催促なし」等の貸付は贈与とみなすということです。
贈与だとみなされずに、親族間の資金の貸与を行うには下記の手続きが必要となります。
1.金銭消費貸借契約書を作成する。
2.返済予定表を作成する。
3.返済条件
①貸付者の年齢が概ね80歳までの返済期間とする。
②返済金額の年額が年収の40%以内とする。
4.契約日の翌月から通帳間の振込で返済を行う。
5.借入金は完済する。
上記の手続きをして貸付金の実態を証明することになります。
税金については、実質だけではなく後で証明できるように形式を整えて説明できるようにしておく
ことが大切です。
会社取引についても、顧問税理士と相談しながら進めていくことが必要ですね。