メンタルヘルス -心の健康を保つために-
この歳にもなると、体の健康には特に気をつけなくてはいけません。しかし現代は、産業経済の大きな変革期で構造改革が凄まじいスピードで進行中です。リストラ、組織改革、年功制・終身雇用制の崩壊、定年制の廃止、退職金の問題等・・・。
これらのことが労働者にとって、実務面では長時間労働の増加、精神面では、雇用不安、将来不安、人間関係の問題などを生じさせ、職業性ストレスが増加しています。そのストレスの増加に伴い、うつ状態やうつ病、過労死や自殺などが増えています。
このような状況から、近年、急速にメンタルヘルスに対する関心が高くなってきました。
体の健康はもとより、心の健康にはもっと気をつけなければいけない時代となりましたね。
■強い不安、悩みストレスを持つ労働者
厚生労働省の5年毎の調査では、「仕事や職業生活に強い不安、悩み、ストレス」を持つ労働者(12,000事業所の16,000人対象)の割合は1992年57.3%、1997年62.8%、2002年61.5%となっています。
さらに、1998年以降、自殺者の数が毎年3万人を超えており、勤務者がそのうちの7,000人以上を占めています。
このような厳しい労働環境の中で働く労働者の心の問題に対応するために、厚生労働省では、2000年8月に「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」を発表しました。
しかしながら、平成14年度の厚生労働省の企業調査では、メンタルヘルスケアに取り組んでいる事業所は、全体のわずか23.5%に過ぎませんでした。
■メンタルヘルス対策の在り方
職場には、労働者自身の力だけでは、取り除くことのできないストレス要因が存在します。また、心の健康問題による心身の不調を怠けていると思ったり、弱い人間がなる、という誤解、偏見も存在しているようです。
事業場全体で、労使双方が正しい知識と問題意識を持ってメンタルヘルスケアに取り組むことが必要ですね。