睡眠障害は安全と健康に影響する
こんにちわ。株式会社トシナイの十枝内智一です。
さて今回は、前回の「サーカディアンリズム」と関わりのある「睡眠障害」についてお話します。
十分な睡眠が取られていると思っているのに、慢性的に疲労を感じているのであれば、それは「睡眠障害」に罹っているのかもしれません。一般的に信じられている「不眠症」は「睡眠障害」ではありません。それは寝つきが悪い、すぐに目が覚めるなど眠りの質が悪いことに対する不満の言葉にすぎないのです。
「睡眠障害」には次の3つがあります。
1.閉塞性睡眠時無呼吸症候群(山陽新幹線の居眠り運転をきっかけに関心が高まる)
2.ナルコレプシー(居眠り病とも呼ばれ、突然寝入ってしまう)
3.周期性四肢運動障害(睡眠中に四肢がピクピク動き睡眠の妨げとなる)
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(日本ではSASという)
睡眠中に繰り返し呼吸が止まるという特徴を持つ呼吸障害です。一度に10~30秒、重症であれば1分も呼吸が止まり、これを一晩に何百回も繰り返すのです。そのために空気を求めてあえぎ、何度も目を覚ますのですが、目覚めの時間が1~2秒程度ですから本人は自覚がありません。睡眠を何度も分断されるために、全体に眠りが浅く、日中でも強い眠気に襲われます。
潜在的に日本人の1~2%の人がSASに罹っているといわれていますが、交替制勤務で働く人やトラックドライバーは7~8%の罹患率と推定されています。
アメリカでの調査によれば、SASに罹っている人は、そうでない人に比べて疲れやすく、健康状態が悪く、身体機能が低下していることが分かっています。また不眠症や睡眠障害の人は交通事故や転倒事故の発生が、そうでない人の2~3倍になるそうです。
日中、眠ってはいけない時でも眠ってしまう人は要注意!
最もわかりやすい症状は、大きなイビキをかくことです。しかし、イビキをかく人がみんなSASに罹っているわけではありません。もしみなさんが、「訳もなく体がだるい」、「朝起きたとき頭が痛い」、「十分に睡眠をとっているのに、日中眠気に襲われる」のならば要注意です。
よく会議などで眠っている人を見かけますが・・・あれは「居眠り」でしょう・・・