弥生会計で消費税~消費税は事業者が分担して納める
さきに説明したとおり、消費税は間接税ですから、事業者はお客さまから消費税をお預かりして、これをそのまま税務署に納めることとなります。
しかし、消費税の納税の大原則は、事業者である会社が売上などの収入について預かった消費税から、仕入や諸経費について支払った消費税を差し引いた差額を納めることになっています。ここで、「あれ?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
例えば、小売店であるあなたが、仕入7350円の商品をお客さまに10500円で販売したときは、売上につき500円の消費税をお預かりし、仕入で支払った350円の消費税を差し引いた150円を税務署に納めます(話を単純化するため、諸経費は考えないことにします)。これでは、お客さまから預かった500円のうち150円しか納めていないことになります。なんだか変ですよね。
じつは、消費税の仕組みはつぎのようになっているのです。先ほどの商品がお客さまの手に渡るまでに、メーカー、問屋、小売店(あなた)と段階を踏んでいるとします。
メーカーは5250円で問屋へ販売し、売上につき250円の消費税を納めます。問屋は7350円で小売店(あなた)へ販売し、売上につき350円の消費税からメーカーへ支払った250円の消費税を差し引いた100円を納めます。そして小売店であるあなたは先ほどの差額150円を納めます。
それぞれの事業者が納めた消費税を合計すると、メーカー250円+問屋100円+小売店(あなた)150円=500円となり、お客さまからお預かりした500円となるのです。最終的に消費者であるお客さまが納める消費税を、事業者間取引の各段階でそれぞれの事業者が分担して納めることとなります。このような課税方式を、「多段階課税」といいます。