最近皆さんも新聞等で目にしているかと思いますが、脳疾患、心疾患など、またはうつ病などの精神疾患の病気による死亡、後遺障害が労災の認定を受けているケースが増えています。
たとえば、従業員が仕事から帰宅後に自宅で倒れ、脳溢血で亡くなってしまった。今まででしたら、ここで労災の申請をするなんて誰も思いもしませんでしたよね?でも今では、こういったケースでの労災認定が増えているのです。なぜか。キーワードは「過重労働。」です。 慢性的に残業をしていた従業員が心疾患や脳溢血又は精神疾患などでなくなってしまった場合に本人の仕事による心理的負荷が原因とみなすようになってきているのです。
もちろん労災の認定は本人、遺族へ手厚い補償が受けられるのである意味必要なことですし、私が危惧しておりますのは、実はこの労災認定が企業への民事賠償に発展し、何千万もの支払いを求められている判例が急増して企業に取って新たなリスクになっています。
遺族の側からすれば、ご主人さんが突然死した。または仕事を苦にして自殺をしたときに労災が認定されたことで、仕事が原因なんだから会社にも責任あるとの流れで使用者責任へと発展しているのです。
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