有名人の商標 LADY GAGA (1)
有名人の名前を商標登録して儲けようとする人はどこにでもいるものです。
最近でも、米国のエキサイト・ワールドワイド(Excite Worldwide)社という会社が
LADY GAGAさんの許可なしに、化粧品や宝石類の販売で「Lady Gaga By Design」の名称を使用する商標登録を出願し、これに対してLADY GAGA側が訴訟を起こしたそうです。(New York Post)
因みに、LADY GAGAというのは、非常に有名なアメリカのミュージシャンです。皆様、ご存知かとは思いますが。
もちろん、LADY GAGA自身、いろいろな商品について商標登録はしていました。
2010年2月に、コンピュータや電子機器、ソフトウェア、印刷物、衣服、チャットルーム(コンピュータ上でアーティストについてファンが語り合うもの)、ライブ演奏、ブログ等のサービスについて、「LADY GAGA」という商標を出願し、これらは今年の5月に登録になっています。
日本でも、同様の商品のほか、今回、問題となっている化粧品や宝石類についても、LADY GAGAの会社が商標登録を得ています(商標登録第5405058号)。これは去年の4月に出願され、今年の4月に登録になったものです。
さて、何が厄介かと言うと、商標登録というのは、
・商品やサービスごとに出願しなければならない
・基本的に先に出願した者が登録される
ということなのです。
今回のケースで言うと、化粧品や宝石類かその販売サービスに関して、Excite Worldwide社の出願の方がLADY GAGA本人の出願より先だったようです。そうなると、LADY GAGA本人の出願であっても、Excite Worldwide社の出願が障害になって登録されないのです。しかも、Excite Worldwide社の商標が登録されたりするとLADY GAGAとしても非常に厄介なことになります。
そこで、LADY GAGA側としては、Excite Worldwide社に出願を取り下げろと訴訟を起こしたというのが今回の事件。
実は、有名人の商標については第三者が勝手に出願すればそのまま登録になってしまうというわけではないのですが(この点は次回(2)で)、まあ、いろいろ厄介ではあるといういい例です。