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岡本経営労務事務所岡本 孝則(おかもと たかのり)

ブログ記事一覧

過労で退職後に自殺  労災は認められる?

Q:過労で退職後に自殺  労災は認められる?

  過重労働がきっかけでうつ病を発症した40代の男性会社員。仕事を続けることができなくなり、退職したものの、約2ヶ月後に自殺した。遺族は退職前の仕事が自殺の原因だったとして労災認定を求めたが、労働基準監督署は認めなかった。退職してしまうと、「過労自殺」と認定されないのか。


A:在職中の発症なら認定も

 厚生労働省によると、仕事が原因で精神障害などを発症、自殺や自殺未遂をしたとして、労災認定の請求件数は増加傾向にある。2003、04年度は120件前後だったが、05年度は147件、06年度は176件、07年度は164件に達している。
 ただ、認定されたケースは在職中にうつ病などを発症、自殺や自殺未遂をした場合が多く、退職後に自殺した場合は在職中に比べると、ハードルは高くなる。
 「退職前の仕事とは別の原因で自殺した」などと認定されることがあるからだ。
 ただ過労のため退職したものの1ヵ月後に自殺した元保育士(当時21)について、東京地裁が「労災」と認定したケースがある。労基署は「退職後に治っていた」として認めなかったため、元保育士の両親が提訴。同地裁は06年9月、「うつ状態には気分変動があり、繰り返しながら回復していく」と指摘し、労基署の判断を取り消した。
 労災に詳しい弁護士は「うつ病は復帰に向けた活動ができるようになる回復期でも、壁にぶつかり、無力感から自殺することもある」と指摘する。
 1993年4月に自殺した元保育士は労災認定までは13年以上要した。だが06年9月の地裁判決に控訴しなかった国は退職後の自殺について幅広く認定するようになっている。
 例えば過労でうつ病を発症、希望退職した約7ヶ月後の02年7月に自殺したシステムエンジニアのケース。労基署は「退職前の業務と因果関係はない」として認めず、遺族からの審査請求に対し、労災保険審査官も05年12月に同じ判断だった。だが再審査請求を受けた国の労働保険審査会は08年1月、「在職中に発症した精神障害で自殺を考えるようになった」と労災認定した。
 ただ在職中に診断を受けずに退職した場合はいつ発症したかが焦点になる。弁護士は「在職中に本人が書いた日記や、家族や友人に送ったメールなどが役立つこともある」とアドバイスしている。

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うつ病や自殺 労災基準見直し

うつ病や自殺 労災基準見直し

    負荷判断項目追加
    「ひどい嫌がらせ」など

 厚生労働省は19日、うつ病や自殺の労災認定基準を見直すことを決めた。ストレス強度の評価項目を現状の31項目から43項目に増やし、「ひどい嫌がらせ」「違法行為の強要」などを追加する。同日の専門家検討会が了承。来年度から新基準での認定を始める。
 都道府県労働局の労災認定では、うつ病などの精神疾患や自殺が、業務上の心理的負荷が原因かどうかを精神科医3人による合議で決定。その際、従来は「病気やケガ」「重大なミス」「仕事の内容の変更」「セクハラ」などの具体的な出来事の有無を判断材料に、総合判定で弱、中、強の三段階に分類。強の場合、労災に当たるとしている。
 同省は新たな判断基準として ・多額の損失を出した ・ひどい嫌がらせやいじめ、暴行を受けた ・非正規社員であることを理由に差別や不利益扱いを受けた―など12項目を追加。総合判定の方法も明確化し、「職場の現状に沿った労災認定ができるようになる」(同省労災補償部)としている。
 現行基準は1999年に策定。その後、成果主義の導入や人員削減など、職場環境が大きく変化したことから、同省が昨年12月から基準見直しを進めていた。(21.3.21 日経新聞 -労働問題-)

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名ばかり管理職認め和解

マクドナルド 残業代1000万円支払

 日本マクドナルド(東京都新宿区)が直営店の店長を労働基準法上の管理監督者(管理職)と見なして残業代を支払わないのは違法として、埼玉県熊谷市で店長を務める高野広志さん(47)が、同社に未払い残業代などの支払を求めた訴訟の控訴審は18日、東京高裁(鈴木健太裁判長)で和解が成立した。同社が、高野さんは管理職ではないと確認し、和解金として、約4年半の残業代分など約1000万円を支払う。
 大手企業を相手に、現職の店長が「名ばかり管理職」の労働実態を訴えた訴訟は、原告の実質的な勝訴で終結。同様の「管理職」を抱える他の企業の労務管理にも影響を与えそうだ。
 高野さんは1987年に同社に入社し、99年に店長に昇格。その後も早朝から深夜まで調理や接客を行い、残業時間が月100時間以上に及ぶこともあったが、店長は労基法上、残業代の支払対象から除外される管理職にあたるとし、残業代は支払われなかった。
 一審・東京地裁判決は、高野さんについて、アルバイトの採用などの権限が店舗内に限られ、賃金などの待遇も不十分だったと指摘。「経営者と一体的な立場にある管理監督者とは言えない」として、約755万円の支払を命じていた。
 同社は昨年8月以降、高野さんを含めた直営店の店長約1700人を管理職から外し、残業代を支払っている。

 日本マクドナルドの話
「和解は本人にとっても他の社員にとってもベストだという経営判断をした」

3月19日 読売新聞―労働問題―

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雇用保険加入要件 半年に短縮

自公民合意 料率0.8%に軽減

 非正社員の雇い止めなどに対応した雇用保険関連法案の改正をめぐり自民、公明、民主党は17日、非正社員の雇用保険加入要件を現行1年以上の雇用見込みから6ヶ月へと短縮することで合意した。雇用保険料率は09年度に限り1.2%から0.8%(ともに労使折半)に引き下げる。とともに政府案どおりだが、加入要件は野党の意向を採り入れ、さらなる緩和の検討を求める付帯決議を採択する。
 与党と民主党は全会派一致で18日の衆院厚生労働委員会で可決することを目指す。
 今回合意した改正案の施行日については「年度末までに失業する人も対象に含めるべきだ」とする野党側の主張を受け入れ、3月31日へと1日前倒しした。例年、年間退職者の約1割が同日付けに集中していることを考慮した。
 改正案では失業手当の受給要件についても、雇い止めの場合、必要な保険加入期間を現行の12カ月から6カ月へと短縮するなどの給付拡充を盛り込んだが、3月31日付の失業者からその恩恵をうけることになる。今年は3年の派遣期限を一斉に抑える「09年問題」の要素が加わるため、与野党は「新たに10万人程度を救える」と見込む。
 非正社員の加入要件について野党側は「働く者は原則加入させるべきだ」として「31日以上」と主張してきたが、政府案の早期成立による適用拡大を優先した。今回の加入要件の緩和によって、雇用保険に加入していない約1千万人の非正社員のうち、新たに148万人が対象になる。
 雇用保険料の引き下げは、麻生首相が昨年10月の新総合経済対策で打ち出した。企業負担の軽減分を春闘での賃上げにつなげることを狙っていたが、企業側は慎重で実現の見通しが立たず、野党側が「料率引き下げより財源確保による給付の拡充」を求めたため、調整が難航。しかし政府・与党側が「1年限りであれば、雇用保険財政に影響をあたえない」と主張、押し切った。料率引き下げで企業と家計合わせ年約6400億円の負担軽減となる。(21.3.18 朝日新聞 -労働問題-)

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「育休切り」相談急増

「育休切り」相談急増

   解雇や減給 復職拒否も

 育児休業の取得などを理由に、解雇など不当な扱いを受けたという相談が、08年度は2月までで前年度の約1.3倍に増えていることが16日、厚生労働省のまとめでわかった。特に今年に入ってから急増しており、経済情勢悪化で、弱い立場の人にしわ寄せが出ている実態が浮かんだ。
 育休の申し出や取得を理由に、解雇や雇い止め、退職勧奨、減給など不利益な扱いを受けたとして、全国の労働局に寄せられた相談を集計した。今年度は2月までですでに1107件と前年度(882件)を大きく上回り、比較可能な01年度以降で最高を更新した。
 相談内容も「育休後に復職予定だったが、会社から業績悪化で無理になったと言われた」など、経済情勢の影響を受けたものも多いという。 
 妊娠や出産などを理由とした不利益な取り扱いの相談も、2月までで1806件と、すでに前年度(1711件)を上回っている。(21.3.17 日経新聞 -労働問題- )

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研究職から異動求められたが、従うしかないか?

Q:研究職から異動求められたが、従うしかないか?

 20年あまり専門研究職として勤めてきた40代の男性。突然、会社の方針で所属部門を大幅縮小することになり、営業職にうつって欲しいと打診された。そもそも研究職との約束で入社したので他への異動は想定していなかったが、従うしかないのだろうか。

A:「限定」契約なら同意必要

 一般的に職種変更を含む配置転換は、就業規則などでの明示など一定の条件を満たせば、本人の同意がなくても会社が命令できる。
 ただし、医師や教師のように特殊な技能や資格が必要な業務では、特定の職種に限って労務を提供するという「職種限定合意」をする例が多い。この場合、個別に本人が同意しなければ職種を変更できない。
 そのため、まず職種限定合意が存在しているかどうかが焦点となる。
 労働契約書に「ほかの職種には一切就かせない」という趣旨が明記してあれば合意を確認しやすい。求人票や労働条件通知書に職種の言及があるだけの場合は、雇用当初の予定や条件を示すにとどまり、不十分とされる。長年、専門的な職種を担った実態から「黙示の合意」認めた事例もあるが、契約上の記載がなければ「合意の存在は否定される傾向にある」(労働法に詳しい岩出誠弁護士)という。雇用安定を優先し、企業内の流動性を高める考え方が背景にあるためだ。
 職種限定合意が成立しており、本人があくまで職種転換に同意しない場合はどうなるのか。
 同意しなければ解雇となることもありうるが、会社がいきなり従業員を解雇すれば、解雇権の乱用(労働契約法16条)とみなされる。「会社は別の職種や割増退職金の提案などで解雇回避に努めたことを、また従業員はきちんと話し合いに応じたことを示す必要がある。
 専門家の間では、職種限定契約があっても個別同意なしに会社が職種変更できる場合もあると言及した判決が関心を集めている。職種限定合意があった社員の地位確認請求訴訟で、東京地裁は2007年、請求を認めたが、一般論として「配転を命じる正当な理由があるとの特段の事情が認められる場合は、配転を有効と認めるのが相当」との考え方を示した。
 労働問題に詳しい金久保茂弁護士は「解雇よりも職種変更を強制する方が現実的との考えによるもので、ほかの裁判にも影響を与えるかどうか注目される」としている。

ポイント① 職種限定の合意は労働契約書上に明記するべき
ポイント② 同意が得られず解雇する場合でも会社は回避努力が必要

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雇用調整助成金 残業分の減額せず

厚労省、支給要件を緩和

 厚生労働省は従業員を解雇せずに休ませることで雇用を維持する企業を助成する雇用調整助成金の支給要件を緩和する。休業者が残業をした場合、残業時間相当分を休業時間から差し引き助成金を減らしていたが、この要件を撤廃。十三日に職業安定局長名で通知する。与党が十二日開いた新雇用対策プロジェクトチーム(座長・川崎二郎衆院議員)で明らかにした。
 休業とは事業主が指定した期間内におこなうもので、一時間の休業でも休業者となる。雇用調整助成金を利用する企業は、休業者を職業訓練に出すことができる。どんな教育訓練が対象になるのかが不明確だったため、企業から不満が相次いでいた。「企業がもともと実施していた訓練」など一定の訓練以外はすべて認めることにする。(21.3.13 日経新聞 -労働問題-)

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雇用保険改正 月内に施行も

離職集中に対応
 
 雇い止めなどに対応する雇用保険関連法案を巡り、桝添厚生労働相は12日、年間離職者の約1割が3月31日に集中している傾向を明らかにした。「4月1日施行」を目指す政府案の問題点が浮き彫りになり、それ以前の「年度末の失業者を含んだ適用」を求める野党側の主張に沿った修正が進む可能性が強まった。
 参院予算委員会で小林正夫氏(民主)の質問に答えた。3年の派遣期限を一斉に迎える「09年問題」の要素が加わる今年3月は、職を失う人がさらに膨らむ可能性がある。桝添氏は雇用保険以外の手段で対応する考えを示した。
 また、麻生首相は12日の同委員会で、強い意欲を示してきた雇用保険料率の引き下げについて「(雇用情勢
は)悪化しており、賃金アップになかなか結びつけ(考え)られてないという指摘は正しい」と述べた。企業負担軽減を賃上げの原資につなげようとした当初の狙いが現状では難しいことを認めた。
 雇用保険関連法案を審議する衆院厚生労働委員会は12日、修正に向けた与野党の実務者協議を始めており、18日の委員会採決をめざしている。(21.3.13 朝日新聞 -労働問題-)

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残業代不払い容疑 古奈屋を書類送検

カレーうどんチェーン

 従業員に長時間のサービス残業をさせていたとして、池袋労働基準監督署は12日、カレーうどんチェーン店「古奈屋」(本社・東京都豊島区)と同社の戸川貞一社長を、労働基準法違反(時間外、休日及び深夜の割増賃金不払い)の疑いで書類送検した。07年に同労基署が是正勧告したが従わず悪質性が高いと判断した。
 調べでは、古奈屋は当時、残業代について1ヶ月に30時間を上限とする打ち切り制を導入していた。その場合でも、超過分については、残業代や深夜割増賃金を支払う義務があるが、不払いだった。
 確認された例では残業が月100時間を超し、1ヶ月当たりの不払い残業代が約20万円にのぼる人もいたという。
 古奈屋は83年に東京・巣鴨本店を創業。現在は六本木ヒルズなどの計3の直営店を展開している。(21.3.13 朝日新聞 ー労働問題-)


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確定拠出年金の運用商品

確定拠出年金の運用商品

   追加や除外、企業責任  企業年金連合会

 企業年金連合会は運用実績に応じて受給額が変わる確定拠出年金(401k)を導入する企業が加入者に対して負うべき責任の範囲を示した論点をまとめた。投資教育や中途脱退者への説明義務は「最低限果たすべき責任」と明記。一度用意した運用商品の入れ替えをせず放置する企業が多いなか、運用商品の追加や除外など法律には書いていない事項についても「考慮すべきだ」と指摘した。

 企業年金連合会が設けた「企業型確定拠出年金の今後のあり方に関する検討会」がまとめた。同検討会には損害保険ジャパンなど企業8社のほか、運用商品の情報を提供する運営管理機関などが参加。7月をめどに提言をまとめる。
 同検討会は報告書で退職時にどういう説明をすれば放置者を減らせるかという具体的なノウハウを紹介し、企業の参考にしてもらう。(21.3.12 日経新聞 -労働問題-)

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常用労働者雇用が過剰に

 厚生労働省が十日発表した二〇〇八年十-十二月期の労働経済動向調査によると、正社員など常用労働者が「不足」と答えた企業の割合から「過剰」と答えた割合を引いた過不足判断指数(DI)は全産業で前回調査比二四ポイント低下のマイナス一一となった。過剰超過に転じるのは二〇〇三年四-六月期以来、五年半ぶり。
(21.3.11 日経新聞 -労働問題-)

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不二越、全員自宅待機に

今春入社予定の73人・受注急減で半年間

 工作機械メーカーの不二越が今春入社する予定の新卒者七十三人全員を四月から六カ月間、自宅待機させることが十日、明らかになった。主要顧客である自動車メーカーの減産が広がり、受注が急減したため、人員計画の見直しを迫られた。
 不二越の内定者七十三人の内訳は高卒二十八人、大卒など四十五人。雇用契約は継続し、期間中は初任給の六割を保障する。受注が早期に回復すれば待機期間を短縮するが、「悪化すれば延長することもあり得る」(人事部)という。内定者に対しては、本社ですでに事情を説明した。
(21.3.11 日経新聞 -労働問題-)

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SE「名ばかり管理職」認定

SE「名ばかり管理職」認定

    東京地裁 残業代4500万円支給命令

 職務上の権限を十分に持っていないのに「管理監督者」とされ、残業代が支払われなかったのは不当だとして、ソフトウエア会社の社員3人が未払い残業代の支払いなどを求めた訴訟で、東京地裁は9日、原告の訴えをおおむね認め、会社側に3年半分の残業代など計4500万円の支払いを命じる判決を下した。

 判決によると、3人はシステムエンジニアで、90~93年に管理職の課長代理に昇格。基本給の30%相当の特励手当が支払われる代わりに残業代は出なくなった。3人は月平均18~62時間の残業を行ったと認定された。判決は「原告らは部下の人事考課や昇格を決める権限を持っていない。プロジェクトチームの構成員を決定する権限すらなく、(管理監督者の定義である)経営者と一体的な立場にあるとは到底いえない」とした。原告側代理人は「名ばかり管理職がホワイトカラーでも蔓延している実態があらためて確認された」としている。
(21.3.10 朝日新聞 -労働問題-)

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「心の病」も休業保障

「心の病」も休業保障


  「就業不能保険」で新商品


 日本生命保険は4月、ケガや病気で長期間働けなくなった会社員に保険金を支払う「就業不能保障保険」の新商品を投入する。新たに妊娠・出産に伴うケガや病気を保障対象に含めたほか、特約をつければ「心の病」による休業も保障する。個人向けではなく企業向けの団体保険とし、日生と契約した企業の従業員が加入できる。

 就業不能保障保険は休んだ期間に応じて保険金を支払うが、新商品では保険金支払いの限度期間も現在の24カ月から36カ月に延長する。10万円の死亡給付金をなくすなど商品内容もわかりやすく改める。

 日生は現在も団体向けの就業不能保障保険を扱っているが、保険料収入は年5億円にとどまる。同保険の市場規模は現在の年百億円から将来は年千億円まで膨らむと日生は予想しており、新商品で顧客を開拓する。(21.3.9 日本経済新聞 -労働問題-)

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ワークシェア すれ違い

ワークシェア すれ違い

   経営側意欲 労組は慎重

 今春闘では、経営者側が一人当たりの労働時間を縮めて仕事を分け合う「ワークシェアリング」を提案するケースが増えてきた。組合側は早急な導入に慎重な姿勢をみせており、先行きは不透明だ。
 「ワークシェアは人員削減と同じ効果が得られ、すぐに事業も再開できる」
 日産自動車のカルロス・ゴーン社長は2月の記者会見で、ワークシェアの検討に言及。3月から生産部門だけでなく、事務職など間接部門を含めたワークシェアを実施する方向で労使交渉を進める。
 日産に加え、東芝やJFEスチールなど日本を代表する大手メーカーで、ワークシェアを検討する動きが相次いでいる。ワークシェアという言葉は使っていないが、富士通の半導体子会社、富士通マイクロエレクトロニクスは1月から三重、福島、岩手の3工場の勤務体系を「2交代」から「3交代」に改めた。一人当たりの労働時間は3分の2に縮むため、給料も減るが、人員削減を避けることができる。日本電産は、2月から本社とグループ会社を対象に最大5%の賃金カット。同時に、人員の再配置を行う。
 ただ、経営者側が意欲を見せるワークシェアも、「雇用維持は経営者の当然の責務」と考える労働組合には慎重な見方が根強くある。賃金の削減は全従業員に及ぶためだ。
 三洋電機は03年、掃除機や扇風機の国内工場でワークシェアを導入したが、約10カ月で打ち切った。同社労組の堀口成一委員長は「収益の回復が望めないのなら、ワークシェアは問題先送りするだけだ。事業構造そのものを問い直す必要があった」と話す。


    非正規社員の処遇配慮する必要も

 
 ワークシェアで先行する欧州では、従業員の労働時間を短縮することで、失業者の新規採用枠をつくる「雇用創出型」を導入する企業が多い。
 日本では、ITバブル崩壊後の02年に政府と日経連(現日本経団連)、連合の3者がワークシェア導入に向けて基本合意したが、業績悪化時の生産調整に合わせて労働時間を減らす「緊急避難型」が主流で、以前からあった時短や一時帰休と違いはない。
 労働者の3人に1人にまで増えた非正規社員の削減が進むなか、正社員の雇用だけが優先されるワークシェアについて、労働政策研究・研修機構の浜口桂一郎統括研究員は「非正社員を『仲間はずれ』にし、自分たちだけで雇用を維持しようする正社員に対し、社会の反発の目が向かいかねない」と指摘する。
 非正社員が構成者の4割を占める労働組合「全国ユニオン」は09年春闘で「緊急ワークシェアリング」を提唱。正社員向けの賃上げ原資の1部を非正社員の雇用確保に充てることを経営側に求めるなど、新しい考え方のワークシェアを模索する動きもある。
 労働問題に詳しい慶応大の樋口美雄教授は、「不況をしのぐ手段ににとどまらず、日本社会の持続可能性を念頭に置いたあり方を議論すべきだ」と話す。(21.3.6  朝日新聞 ―労働問題―)

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