税理士から見た中小企業経営
「バランス経営」
前回のコラムで「原理原則というのは何においても大事ですね。」と書きましたが、この「バランス」も、いろいろなことに当てはまり、経営においても同様です。
バランスが悪いとガタガタと崩れていくし、良ければ継続していきます。
中小企業は「人、物、お金、情報」どれをとっても規模の大きい会社に勝てるわけがありません。
それでも、うまくバランスを保っていなければ経営が傾いて倒れてしまうでしょう。
創業間もないときは、まずは「売上を上げていくこと!」これに尽きると思います。
設備投資、営業投資、人材投資、情報収集、商品・サービス価値向上、やらなければならないことが山ほどあり、いくらあっても「お金」が足りません。
少ない「お金」をどこに投資して回していくか、経営者の裁量が問われます。
「お金」を回さなければ売上UP、会社の成長はありません。
リスクがないところにリターンはないということですね。
売上が増えたと思ったら、「人」が不足して、「人」を補う。そのために金融機関等から追加融資を受ける。融資された「お金」をうまく運転資金や設備資金に投下して、返済できる利益をつくっていく。投下が間違えば、それに見合う売上は計上されない。返済資金を回収できずに、資金ショートになる。
また、会社の成長に伴い、会社としてあるべき姿に変化させていかなければならない。
例えば、
社会保険に入っていなかった会社は社会保険に加入する。
就業規則を作って、残業代を支給する。
人が多くなって、事務所移転を行う。
会社のブランドを向上させるため、会社案内やHPのイメージをリニューアルする。
消費税の課税事業者になる
消費税の簡易課税制度が選択できなくなる
などなど会社が成長するには創業当初の姿ではいられない。
まさに会社成長は「山あり、谷あり」ですね。
この山と谷を越えるためには、うまく経営のバランスをとることが必要である。
時には、バランスを傾ける必要もあるかと思います。
一部分のリソースに重点を起きたい場合が出てくる。チャンスのときです。
傾けても倒れてしまっては元も甲もない。
なんとかバランスを保ち続ける。
乗り越えるとバランスがまたよくなってくる。
「バランス経営」
経営における、バランスには非常に奥深いものを感じます。
しかし、経営者にとってこのバランス経営の感覚は会社が継続している以上、必要不可欠なもので、前に進んでいかなければならないんですね。
税理士法人FISはそんな中小企業の経営者の方々とともに、歩んで生きたいと思っております。