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中野人事法務事務所中野 泰(なかの やすし)

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インターンシップは労働者?

先日、ある企業に伺ったところ、数名の学生さんが一生懸命働いていました。
てっきりアルバイトとして働いているのかと思ったところ、
「インターンシップ」として無給で働いているとこのこと。

ご本人たちは「普通のアルバイトではできない経験をさせてもらっている。
お金なんかいらないので、もっと学生のうちにいろいろ経験を積んでいきたい。」と語りました。

社長さんに聞いてみると、「知り合いの学生に声をかけたら、いつの間にかネットワークが広がった。
こちらも人件費がかからずに済むし、学生さんの経験を積みたいという気持ちも満たしているので、
Win-WInなんじゃないか。」とお話しています。

法的には大丈夫なんでしょうか?

平成9年9月18日基発636号によると、
原則としてインターンシップは労働者ではないとしながらも、
次の場合には労働者となるので注意を喚起しています。

★直接生産活動に従事する等、その作業による利益・効果が会社に帰属する。
★会社と学生との間に使用従属関係が認められる。

また、この件については商船大学等の実習生について
労働者性の有無の判断基準が記載されている
昭和57年2月19日基発121号も参照してほしいとあります。

こちらに記載されている判断基準の骨子は次のようなものです。
なお、実習は「インターンシップ」、
実習生は「インターンシップ生」と置き換えて表記しておきます。

★インターンシップは会社の従業員で、
  大学等から実習の指導を委嘱された者の指導の下に行われていること。
★インターンシップは、通常、現場実習を中心として行われており、
 その現場実習は、通常、一般労働者とは明確に区別された場所で行われ、
 あるいは見学により行われていること。
★生産ラインの中で行われている場合であっても
  軽度の補助的作業に従事する程度にとどまり、
  インターンシップ生が直接生産活動に従事することはないこと
★インターンシップ生の欠勤、遅刻、早退状況及び実習の履修状況は、
 通常、まず会社によって把握・管理されているが、
 工場実習規定等に定める所定の手続きを経て、
 最終的には大学等において把握・管理されていること。
★インターンシップ生の実習規律については、
 通常、会社の諸規則が準用されているが、
 それらに違反した場合にも、通常、会社としての制裁は課されないこと

なお、本日、東京労働局に確認したところ、
この商船大学に関する通達は、
インターンシップに大学が介在するケースの取り扱いを言っているものであり、
インターンシップを行う際、必ず大学が介在しなければならないということではありません。

したがって、大学が介在しないインターンシップであれば、
遅刻・早退・欠勤などについて大学等で把握・管理すること等の文言は
特に気にする必要はありません。

なお、インターンシップについては平成9年の通達を出す際に、
文部省、通商産業省、労働省が
『インターンシップの推進にあたっての基本的考え方』
という付属資料を発表しています。

結局、次の2点はしっかり押さえておく必要があります。

★仕事を体験させる場合はちょっとした軽作業に留めること
  (労働者としての労働力を期待しない。)
★使用従属関係を疑われるような言動を慎むこと

また、労働者ではないからこそ、賃金も支払わないわけですが、
となると、職場にいる間や通勤途中のケガに対して、労災も適用されなくなります。
(特に職場にいる最中に起きたケガが心配です。)
いざというときのために、民間の保険への加入等を検討することもご検討ください。

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