フレックスタイム制のメリットとデメリットは?
フレックスタイム制は従業員の意思で始業時刻と終業時刻を決められる点に特徴があります。
といっても、ある社員は早朝に来て昼過ぎに帰り、
別の社員は昼過ぎに来て夜に帰るような形になると、
会議もしづらくなってしまいます。
そこで、この時間帯は必ず在籍するようにという「コアタイム」を設け、
その前後にこの時間帯の範囲内で出社・退社してくださいという「フレキシブルタイム」を設けます。
コアタイムをあまり長くしすぎると、実質的にフレックスタイム制度の趣旨が損なわれることから、
だいたい4時間程度までをコアタイムとすることが多いです。
※昔、コアタイムを5時間にしたら、労基署から行政指導を受けたことがありました。
従業員にとっては、自分の意思で出社時刻や退社時刻が決められますので、
非常にメリットが大きい制度です。
しかも、1日8時間働かなくても、コアタイムの時間帯に在籍していれば、
遅刻・早退もありません。
コアタイムが4時間の会社の場合、月の半分はコアタイムの4時間のみ、
残り半分はコアタイムを含めて12時間働けば、平均8時間となります。
この場合、この人は(深夜や休日に仕事をしていなければ)
遅刻・早退・残業が一切ないとみなされ、
通常の月給をもらうことになります。
今日は早めに退社して、その分明日頑張ろうといった時間配分もできるわけです。
一方、会社側から見たらいかがでしょうか。
上記のメリットを従業員が享受することで、ライフワークバランスが取りやすくなり、
仕事に活力が生まれ、生産性が上がれば会社にとってもメリットとなります。
ただし、実は他の変形労働時間制と比較して、扱いづらい制度ではあります。
従業員が自主的に出社・退社時刻を決めるということは、
原則として「明日は9時に来なさい」等と言いづらくなることを意味しています。
(※ 絶対言えないということではありません。)
朝イチ全員で集まって早朝会議をすることもしづらくなり、
コアタイムの時間帯に会議を設定することが多くなってきます。
この時間帯はお客様とお目にかかったりすることも多いでしょうから、
コアタイムにも会議を入れづらくなるでしょう。
月曜日は通常の労働時間制度、他の日はフレックスタイム制といったように
曜日単位で変形労働時間制を導入することもできません。
要は、労働時間に関する権限の一部について、会社から従業員側に譲ることになるのです。
こうしたことにストレスを感じる経営者の方や、
これでは仕事が回らなくなるという会社の場合は、
導入を見送ることを検討した方がよいでしょう。
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