残業手当は支払わないと従業員と約束したら残業手当は支払わなくてもよいか?
ある会社では「残業手当は基本給に含まれているため、
別途の支払いは行わないことを合意する」という労使協定書を締結しています。
何時間残業しようとも、この労使協定書を根拠に残業手当を支払わないということなのですが、
この労使協定書は有効なのでしょうか?
労働基準法37条第1項には次の定めがあります。
使用者が、(中略)労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、
その時間又はその日の労働については、
通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内で
それぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
(後略)
この規定は強行規定です。
この条文を覆すような約束事を従業員と結んでも、法律の方が優先されます。
したがって、このような労使協定を締結したとしても、
この労使協定は無効です。
会社は残業手当を別途支払わなければいけません。
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