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中野人事法務事務所中野 泰(なかの やすし)

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タイムカードの不正打刻で懲戒解雇できるか?

タイムカードの不正打刻というのは、単なる社内における手続き違反ということでは済まされません。
タイムカードを不正打刻することにより、遅刻や早退、欠勤控除、残業手当の額等を
ごまかすことができるわけですから、一種の詐欺と言ってもいい場合が生じます。

タイムカードの不正打刻が発覚した場合、懲戒処分を行う分には問題ありませんが、
次の問題として、どの程度の懲戒処分を行うかがポイントになります。

裁判を見据えて考えると、最終的には個々の事情によって異なりますので、
一概には言えませんが、参考となる判決に『八戸鋼業事件』があります。

<事件の概要>-------------------------
八戸鋼業に勤める労働組合執行委員のAとBは、昭和36年1月30日、
午後4時から11時まで勤めるシフトに出勤して、タイムカードに打刻をしました。

Bは組合書記長の代わりに組合の会議に出席しなければならなくなり、
3時間遅刻する旨の遅刻届を会社に提出して退社したものの、
結局当日は勤務しませんでした。

Aは勤務終了後、職場を退出する際に自分のタイムカードに打刻するとともに、
Bのカードにも打刻しました。
この行為が翌日発覚し、会社はA、B両名ともに懲戒解雇をしたという事件です。
--------------------------------

この事件は最高裁まで争われました。

会社としては、タイムカードの不正打刻を撲滅させようというして、
昭和35年6月に『出社していないのに、同僚に依頼して出社したように見せかけるような
タイムカードの不正を行った者については、依頼した者、依頼された者ともに解雇する』
という告示を掲示し、その旨を従業員全員に周知させていました。

最高裁判所では、不正打刻を依頼され、不正打刻を実際に行ったAは、
この警告を十分に知っていたにもかかわらず、
あえてこれを無視し、不正打刻を行ったことになり、
Aの懲戒解雇は懲戒権の乱用だと判示した高等裁判所の判決を破棄し、
原審差戻しの判決となりました。

会社としては、八戸鋼業のように
事前に「不正打刻をした者に対しては厳正に処分する」旨の警告を行い、
その警告を周知徹底させることが重要なポイントです。

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