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中野人事法務事務所中野 泰(なかの やすし)

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答えがあるようでない世界に生きるということ

法律というのは白黒はっきりしていてとても分かりやすいです。

例えば、労働法分野では労働契約法に次のような条文があります。

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使用者は、期間の定めのある労働契約について、
やむを得ない事由がある場合でなければ、
その契約期間が満了するまでの間において、
労働者を解雇することができない。
(労働契約法第17条)
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「やむを得ない事由がある場合」なら契約途中でも労働者を解雇できますし、
「やむを得ない事由がない場合」なら契約途中で労働者を解雇することはできません。

判断基準は「やむを得ない事由があるか否か」です。
至って明快。白黒ハッキリしています。

ところが、法律を運用していく世界の話になると、これほど曖昧なものもありません。

例えば・・・
100人分の給与計算をする有期雇用契約社員は
入社して3ヶ月経ちますが、毎回3人くらいの給与処理を間違えます。

この人を「給与計算をするたびに必ず間違える」という点を取り上げて、
契約途中での解雇に値するほどのやむを得ない事由があると言えるのでしょうか。

「このくらいでは裁判で訴えられたら負けてしまう」とガマンをする会社もあれば、
「裁判になって(負けて)も構わないから、とにかく辞めてもらう」と
判断する会社もあります。

極端な話、やむを得ない事由ではないことが分かっていても、
解雇するという判断をする会社もあります。

当社はこうしたご相談に対し、判断するのに必要な情報を提供し、
各選択肢のメリットやデメリットを伝え、
極力経営者にとって(長期的に)得をする判断ができる「助言」をすることが役割です。

この辺りのスタンスは社労士事務所によって異なります。
私どもは「助言」にとどまり、最終的な判断は経営者の方にお願いしています。
ただし、経営者の方がどのような判断をしても、
私どもは最後まで経営者を支えます。

別の社労士事務所さんでは「助言」ではなく「指導」するそうです。
実際、指導の場面に立ち会ったことがないので、何とも言えない部分がありますが、
「助言」レベルよりももっと踏み込んだ、「こうしましょう!」と
ほぼ結論を決め打ちした形でサポートをするのだと推察しています。

どちらのスタンスがいいとか悪いとかいうことではなく、
お客様がお好きなスタンスの社労士事務所を選べばよいと私は思っています。

ただ、譲れないのが判断軸。
法律に照らし合わせてどうか、というだけではダメだと思います。

社長も社員もそれぞれの人生を歩んでいます。
こうした一人一人に対し、筋道を通しつつ、
思いやりの気持ちを持たなければいけません。

人の人生を左右することもある仕事である以上、
私どもは単に法律について勉強するだけではなく、
人格を磨き続ける責務があると思います。

どこまで頑張っても「磨き切った」という境地には至らないことは分かっていますが、
それでも人格陶冶の道を歩み続けることが、
答えがあるようでない世界の中で、
お客様に対しよりよいサービスを提供することにつながると信じています。

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