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中野人事法務事務所中野 泰(なかの やすし)

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休日出勤に対する代休の取得が翌月となった場合の給与計算は?

ある会社の給与は月末締めです。月の途中に休日出勤を行い、
翌月に代休を取得することになっています。

この場合、賃金の支払いについてはどのように考えればよいでしょうか?

仮のこの休日が法定休日である場合、
休日出勤をしたのですから、1.35倍の賃金を支払わなければなりません。

ただし、従業員の意思に基づいて代休を付与したり、
代休の付与が制度として確立している場合は、
代休日の賃金(1.00倍)を1.35から差し引き、
結果として残る0.35部分の支払いをすればよいとなっています。

ただし、代休の取得が翌月となった場合は、
どのように考えればよいのでしょうか。

Aパターン 割増賃金を支払わない

まず考えられるのは、0.35部分を支払わないという選択です。
実態としては一番多いのですが、これは明らかに労働基準法違反となります。
ということで、おススメはできません。

Bパターン 0.35のみ支払う

0.35のみ支払うという選択は、
適法な取り扱いを目指している会社の中ではよくあるパターンですが、
厳密に言うと、これも法違反です。
労働基準法には「全額払いの法則」が掲げられており、
その賃金計算期間内に働いた分、
原則として全額を支払わなければならないからです。

とういことで、完ぺきに合法を目指すなら、次のCパターンとなります。

Cパターン いったん1.35倍全額を支払い、
        代休取得月に1.00分を控除する

いったん1.35倍を支払い、代休を取得した月に
1.00分を控除するという選択です。
これであれば、全額払いの原則に抵触しません。
代休を取得した月に1.00分を控除するというのも、
ノーワークノーペイの原則からして妥当となります。

ただ、正直、このパターンで実務を運用している会社って、
大企業ならともかく、中小・ベンチャー企業では
ほとんど見たことがありません・・・。

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