05 子曰く、千乗の国を道びくに事を敬して信
【書き下し文】
子曰く、千乗(せんじょう)の国を道びく(=導く)に、
事を敬(けい)して信、
用を節して人を愛し、
民を使うに時を以(もっ)てす。
【現代語訳】
先生が次のように言いました。
「戦時に戦車千台を出すことができる程の諸侯の国を治めるには、
政事(事業)を慎重にして人民の信頼を得、
費用を節約して人々に対し思いやりを持ち、
人民に働いてもらう場合は、農繁期を避けることだ。」
千乗とは戦車千台という意味です。
「千乗の国」は、戦車一千台の軍事力を保持する、中程度の国です。
当時の社会では次のような感覚が一般的でした。
・天子(国王):万乗の大国
・諸侯:千乗の中国
・大夫:百乗の小国
「事業を慎重にして人民の信頼を得」というのは、
今でいう公約やマニフェストを掲げたら、それを守ることで
国民の信頼を得ることが大切だ、ということです。
また、費用を節約すれば、税金も安くなり、
その分、国民の生活も楽になります。
また、人民に肉体労働をさせるようなときは、
国の都合ではなく、人民の都合に合わせるとよいと言っています。
企業経営で言えば、次の3点に置き換えられます。
1 社員との約束は守ろう!
2 ムダな経費を節減し、その分、社員の役に立つ使い方を心掛けよう!
3 社員の立場に立って、仕事の割り振りを考えよう!
また、家族に置き換えれば、こんな感じでしょうか。
1 家族との約束は守ろう!
2 ムダな支出を抑え、家族みんなの役に立つ使い方を心掛けよう!
3 家族に家事を手伝ってもらうときは、相手の都合を考慮に入れよう!
いずれにしても、自分中心の考えではなく、
自分を支えてくれている相手の立場に立った
振る舞いをしていくことが重要です。
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