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中野人事法務事務所中野 泰(なかの やすし)

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行方不明の社員をどうする? 退職 or 解雇?

従業員がある日突然出社しなくなり、行方が分からなくなりました。
この場合、会社としてどのような対応が考えられるでしょうか。

1 退職扱い

就業規則の退職事由に、
「行方不明となり、その期間が○日を経過したとき」
等と記載されている場合、
その期間を超えれば当然に退職となります。

この場合は、本人の退職の意思表示も、
会社からの通知も必要ありません。

後にご紹介する解雇の場合よりも
手続きが簡単で、おススメです。

なお、「○日」が短すぎるとトラブルの元になりかねません。
具体的に「○日以上とすること」等の通達はありませんが、
厚生労働省監修の書籍による事例ですと、
「2ヶ月」という例が表示されています。
また、懲戒解雇となる無断欠勤日数の基準を
14日とする通達もありますし(後述)、
解雇予告をする場合は「30日前」という基準もあります。

これらを参考にしていただき、
妥当な日数を設定ください。

2 懲戒解雇扱い

懲戒解雇の事由に
「無届欠勤が○日以上に及んだとき」等と記載されている場合、
この要件を満たす期間、行方不明であれば、
懲戒解雇の要件を満たすことになります。

従業員の責に基づく解雇の場合は、
解雇の予告をしなくても構いません。

また、日数の設定については次の通達が参考になります。

----------------------------------------------------------
原則として2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、
出勤の督促に応じない場合は
労働者の責に帰すべき事由となる。
(昭和23年11月11日基発第1637号、
 昭和31年3月1日基発第111号)
----------------------------------------------------------

出勤督促をしようと思ってもできない行方不明の場合は、
2週間以上無断欠勤しているというだけで十分かと存じます。

なお、この場合は、労働基準監督署長から
解雇予告手当の除外認定を受けることで、
解雇予告手当の支払いをしなくて済むようになります。

なお、面倒なのはここからです。

解雇をする場合、
解雇の意思表示が本人に届かないと、
解雇の効力が生じません。

そこで、公示送達(民法第97条、民事訴訟法第110~113条)
という手段を用います。

公示送達は、従業員の住所地を管轄する
簡易裁判所に申し立てをし、
裁判所の掲示場に掲示することによって行います。

掲示場に掲示を始めた日から2週間経過すると、
公示送達の効力が発生し、
従業員に解雇の意思表示が届いたとみなします。

公示送達、面倒ですよね?
となると、退職という形を取れるよう、
就業規則を見直しておく方がよいかと存じます。

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