易経とは?
易経は東洋の古典では最古の部類に入る書物です。
5千年前に記されたとの説もありますが、
ハッキリしたことは分かりません。
占いの書として発祥しましたが、
後に思想哲学の書、帝王学の書としての側面も持つようになりました。
「易」という漢字の由来には、日月説と蜥蜴(せきえき)説があり、
結論から言えば蜥蜴説が有力です。
※ 蜥蜴:とかげのこと
【日月説】
日月説は「易」という漢字の上半分が「日」、
下半分は「月」であるとして、
陽の象徴である太陽(日)と、
陰の象徴である太陰(月)を組み合わせた字とする説です。
易と来れば「陰陽説」であり、
その点で日月説は大変納得度が高いです。
ただ、下半分はどう見ても「月」の字ではなく、
無理矢理こじつけたのではないかという疑念が拭い切れません。
【蜥蜴説】
一方、蜥蜴説というのは、
十二時虫という、
1日に12回も体の色を変えるトカゲが易の原字であるとする説です。
『漢字源』で確認すると、次の通りです。
「易」は「ヤモリ+彡印(模様)」と解字。蜥蜴の蜴の原字。
もと、平らにへばりつくヤモリの特色に名づけた言葉。
数千年前の文字である甲骨文字による
「易」という漢字を見ると、
トカゲの絵らしきものが描かれています。
少なくとも、「日」や「月」には見えません。
こうしたことから、蜥蜴説が有力とされています。
さて、「易」という漢字の成り立ちから考えると、
「変化」という意味合いがあることが分かります。
それでは次に、易経の「経」とは何でしょう?
地球の緯度・経度という言葉から連想されるように、
元々、経とは布を織るときの、
まっすぐに通った織物の経(たて)糸を指していました。
ここから「時代を縦に貫いて伝わる不変の道理」
「物事の筋道」という意味が生じました。
易とは「変化」、経とは「道理、筋道」ですから、
易経とは「変化の原理原則を解き明かす書物」となります。
ちなみに、易経を英語では『Book of Change』と言います。
易経の本質が明快に伝わってきます。
□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■