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中野人事法務事務所中野 泰(なかの やすし)

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定年後再雇用された人の年次有給休暇の取扱いは?

60歳で定年を迎えた人が継続雇用制度により再雇用されました。
通常、退職時に消化し切れなかった有給休暇の権利は消滅しますが、
再雇用の場合はどのように取り扱えばよいのでしょうか?

結論を申し上げると、定年なくそのまま継続して勤務した人と
同じように取り扱います。

具体的には次の通りです。

★ 定年時に未消化であった日数は再雇用後にも引き継がれます。
★ 定年退職・再雇用といったん契約がリセットされたとしても、
   「継続勤務」の要件を満たします。
★ 付与時には定年前からの勤務年数によって加算された日数を付与します。

一般に、退職時に未消化の年次有給休暇の権利は消滅しますが、
それは、雇用関係が存在しなくなる以上、
年次有給休暇を取るということができなくなるからです。

再雇用の場合は、契約の内容
(例:月給制から時給制へ等)は変わることが多いですが、
雇用関係そのものは消滅するわけではありません。

雇用関係が存続するわけですから、
定年時に未消化の有給休暇を
再雇用後に取得することができるわけです。

したがって、定年前の未消化分の
有給休暇の日数は引き継がれます。

次に、年次有給休暇の付与要件として
下記のものがあります。

「1年間(初年度は6ヶ月間)継続勤務し、
 全労働日の8割以上出勤した労働者」
(労働基準法第39条)

定年を迎え再雇用されるということが、
継続勤務として考えられるかどうかがポイントです。

こちらも前述の通り、雇用関係そのものは
引き継がれておりますので、
継続勤務していると考えます。

また、雇用関係そのものは引き継がれている観点から、
再雇用後の年次有給休暇の付与日数は
定年前の勤続期間も加えた付与日数を付与しなければなりません。

結局、定年を迎えずに引き続き勤務している人と
同一の処理をするということになります。

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