06 子曰く、弟子、入りては則ち孝
【書き下し文】
子曰く、弟子(ていし)、入(い)りては則(すなわ)ち孝、
出(い)でては則(すなわ)ち弟(てい)、
謹(つつし)みて信あり、
汎(ひろ)く衆を愛して仁に親しみ、
行(おこな)いて余力あれば、則(すなわ)ち以て文を学ぶ。
【現代語訳】
先生が次のように言いました。
「いいかい君たち。家庭では孝行、
家の外では目上の人を立てることだ。
細やかに気を配ること、
言ったことに責任を持ち、約束は守ること、
大勢の人たちに思いやりの気持ちで接しすること、
思いやりの気持ちを持っている人と親しくつき合うようにすること。
こうしたことが実際にできて、まだ余力があるのであれば、 書物から学ぶようにしなさい。」
まず言葉の整理から。
弟子(ていし)とは弟や子。
ひいては年の若い人たちを指しています。
「入(い)りては」というのは、「家に入ったら」ということなので、
「家の中では」とか「家では」と訳します。
逆に「出(い)でては」は「家から出たら」ということです。
孝は孝行、弟は「悌」と同じで
「兄や年上の人におとなしく仕える心」を指しています。
おとうとのことではありません。
「謹(つつし)む」とは、細やかに気を配ることであり、
「信」とは 言ったことに責任を持ち、約束を守ることです。
私たちは「学ぶ」となると、真っ先に「本から学ぶ」ということを
イメージしがちです。
本から学ぶことも大切ではありますが、
それ以上に、現実の社会を通して、
あるいは実際の人間関係の中から
実践的に学びなさい、と孔子は私たちに伝えています。
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