特定の月に限り給与の支払日を遅らせることはできるか?
毎月25日払いをしている会社があるとします。
資金繰りの関係で1月と6月に限り、月末払いにしたい場合は、
事前に従業員から同意を得ておけば問題ないでしょうか?
結論から申し上げると、例え従業員の同意を得たとしても、
あらかじめ定められた賃金支払日を
25日以外に変更することはできません。
賃金支払日を労使間で自由に決めることはできますが、
この場合であっても、毎月払いの原則や一定期日払いの原則
(労働基準法第24条第2項)に反することはできないためです。
次の判例が参考になります。
「たとえ各労働者が賃金の不払いを承諾していたとしても、
賃金の支払いは労働条件の中でも重要な条件であって、
使用者に対し労働者を保護するために
特に賃金支払い確保の目的から
労働基準法第24条が設けられたのであるから、
同条第1項但書及び第2項但書の場合の外、
所定の支払方法を変更することは
許されないものと解するを相当」
(昭和25年2月4日 大阪高裁判決 扶桑商運事件)
つまり、従業人の同意の有無に関係なく、
特定の月の給与支払日を遅らせることは違法なのです。
それでは、いっそのこと毎月の賃金支払を
25日から月末に変えるということではいかがでしょうか。
これについては労働条件の変更となりますが、
毎月払いの原則に反しない限り就業規則によって
自由に定めたり変更したりすることができます。
事前に労働基準法第90条による手続きに従って、
就業規則を変更する限り、
支払日が変更されても違法とはなりません。
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