会社分割~労働契約承継法~ その2(労働者及び労働組合への通知)
労働契約承継法、第2条では
【労働者及び労働組合への通知】について定められています。
この条文によると、会社分割をする会社(分割会社)は、
会社分割に当たり、労働者及び労働組合に対して、
会社分割に関する事項を通知することが必要です。
分割会社が通知する必要がある労働者及び労働組合は、
下記の通りです。
A 承継される事業に主として従事する労働者
B 「A」以外の労働者であって承継会社等に承継させる労働者
C 会社との間で労働協約を締結している労働組合
通知する事項は、A・Bに対しては次の1~9、
Cに対しては次の4~6、8、10~12であり、
書面に記載して通知することが必要です。
1 当該労働者が承継会社等に承継されるという
分割契約等の定めの有無
2 当該労働者の異議申出期限日
3 当該労働者が上記ABいずれに該当するかの別
4 承継される事業の概要
5 会社分割の効力発生日以後における
分割会社及び承継会社等の商号・
住所(設立会社については所在地)・
事業内容・雇用することを予定している労働者の数
6 効力発生日
7 効力発生日以後における分割会社
または承継会社等において当該労働者が従事する
予定の業務内容・就業場所その他の就業形態
8 効力発生日以後における分割会社
及び承継会社等の債務の履行の見込みに関する事項
9 異議がある場合にはその申出を行うことができること、
異議の申出を受理する部門の名称・
住所あるいは担当者の氏名・職名・勤務場所
10 分割会社と当該労働組合との間で
締結している労働協約が承継会社等に承継されるという
分割契約等の定めの有無
11 承継される労働者の範囲
(労働組合にとって労働者の氏名が
明らかとならない場合には労働者の氏名)
12 労働協約を承継させる場合には、
承継会社等が承継する労働協約の内容
これらの通知が書面によることとされているのは、
個別の労働者に対して
確実に到達する方法で提供するとともに、
事後に紛争が生じて労働者の地位が
不安定になることを防止する必要があるためです。
通知書については厚生労働省が作成した
下記の記載例をご利用ください。
<労働者への通知例>
<労働組合への通知例>
分割会社の通知期限日は、
分割契約等を承認する株主総会の日の
2週間前の日の前日です。
なお、株主総会の承認を要しない場合
または合同会社の会社分割の場合は、
分割契約等が締結または作成された日から起算して
2週間を経過する日までです。
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