会社分割~労働契約承継法~ その10(労働協約の承継)
労働契約承継法第6条では
労働協約の承継について定められています。
労働組合員が承継会社等に承継される場合には、
原則として、承継会社等と分割会社の双方で
会社分割の効力発生前と同一の内容の
労働協約が存在することとなります。
【ポイント:債務的部分の取り扱い】
労働協約のいわゆる債務的部分については、
下記の2者が合意すれば
【原則:同一の内容の労働協約が承継されます】
労働組合員が承継会社等に承継される場合には、
原則として、承継会社等と分割会社の双方で
会社分割の効力発生前と同一の内容の
労働協約が存在することとなります。
【ポイント:債務的部分の取り扱い】
労働協約のいわゆる債務的部分については、
下記の2者が合意すれば
分割契約等に定めて
承継会社等に承継させることもできます。
1 分割会社
承継会社等に承継させることもできます。
1 分割会社
2 分割会社との間で労働協約を締結している労働組合
【分割契約等の定めの例】
「会社は、労働組合に対し、100平方メートルの規模の組合事務所を貸与する。」
という労働協約の内容のうち
30平方メートル分の規模の組合事務所を貸与する義務については
当該会社に残し、
残り70平方メートル分の規模の組合事務所を貸与する義務については
承継会社に承継する。
【分割契約等の定めの例】
「会社は、労働組合に対し、100平方メートルの規模の組合事務所を貸与する。」
という労働協約の内容のうち
30平方メートル分の規模の組合事務所を貸与する義務については
当該会社に残し、
残り70平方メートル分の規模の組合事務所を貸与する義務については
承継会社に承継する。
【そもそも労働協約とは?】
労働協約とは、
労働組合と使用者またはその団体と締結された
労働組合と使用者またはその団体と締結された
労働条件等に関する取り決めのうち
労働組合法に則って締結されたものをいいます。
就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出る際は、
従業員に「意見を聞く」ことが要件の一つになっています。
意見を聞けばよいので、仮に反対意見しか
記載されていない意見書であっても、
労基署は届け出を受理してくれます。
一方、労働組合がある会社の場合は、
就業規則の内容を労働協約にすることが多いです。
労働協約は使用者側と労働組合側が「合意」しなければ
協約できません。
したがって、就業規則の内容が記載された労働協約を
使用者側が変更しようとしても、
労働組合との合意が取れなければ、
その労働協約は変更できません。
意見を聞けばよいとする就業規則と、
労働組合との合意がなければ成立しない労働協約。
当然のことながら、
従業員を保護するために、就業規則よりも
労働協約が優先されます。
■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■