秋田書店で女性社員が懲戒解雇!食い違うそれぞれの主張
秋田書店が発行している「ミステリーボニータ」、
「プリンセス」及び「プリンセスGOLD」という
マンガ雑誌で掲げられている懸賞商品について
実際に当選している人の人数が、
紙面上の当選人数を下回っているという問題で、
平成25年8月20日、消費者庁が景品表示法違反に当たるとして、
を秋田書店に対して行いました。
秋田書店側も8月20日付で、
同社のHPでその事実を認め、謝罪文を掲載しております。
これに関連して、景品担当の女性社員(28)が
懲戒解雇されていたことが発覚しています。
これに関して、女性や、その女性が加盟する労働組合
「首都圏青年ユニオン」側の主張と、
会社側の主張が食い違っています。
1 景品について
<女性側の主張>
担当になった際の引き継ぎで不正を知り
「一つの商品しかないのに、
当選人数を10人にするのはおかしい」などと上司に訴えたが、
「会社にいたかったら文句を言わずに黙って仕事をしろ」と言われた。
<会社側の主張>
「女性社員は景品を盗んでいた」(だから懲戒解雇した)
2 休職について
<女性側の主張>
女性は不正のあった雑誌でプレゼント担当を4年以上務めていた。
女性は不正を続けているうちに睡眠障害や適応障害を発症、
2011年9月から休職していたが、
2012年2月29日に「多数の読者にプレゼントを発送せず、
不法に窃取した」と書かれた解雇通知書が送られてきた。
<会社側の主張>
元社員は業務上ではなく、私傷病による休職。
こちらの女性の証言は、8月21日付の
毎日新聞の夕刊記事で明らかになりました。
この記事についても、秋田書店側は、
次のようにコメントしております。
<会社側の主張>
8月21日付の毎日新聞夕刊に
元社員を名乗る人物による証言記事が掲載されました。
この記事は弊社への取材も一切おこなわれず
一方的に元社員の言い分を掲載したものであり、
また、書かれている内容と
弊社の認識とは大きな隔たりがあり、
とうてい容認することができません。
3 今後の展開
<女性側の主張>
会社から「罪をなすりつけられた」と主張。
「組織的不正」として景品表示法違反で
秋田書店に措置命令を出した
消費者庁の調査で主張が裏付けられた形となり、
解雇撤回を求めて提訴する考え。
<会社側の主張>
法廷の場で事実関係を明らかにし、
解雇の正当性を証明する所存。
ちなみに、会社側の主張については
コチラにリンクを貼っておきます。
会社の主張が正しいとすれば、
自分で景品を盗んでおきながら、
とんでもない嘘を並べ立てている女性という構図になります。
一方、女性の主張が正しいとすれば、
不正行為を女性に強要しておきながら、
その罪を女性になすりつけるという
とんでもない会社という構図になります。
どちらの主張が正しいのか、
今後の展開に注目したいところですが、
一つ気になることが。
「休職」について、女性によると、
「不正を続けているうちに睡眠障害や適応障害を発症」
とありますが、労災の申請はしているのでしょうか。
労災が認められているとすれば、
「業務上の災害」であることが
行政から認められているということになりますので、
女性にとっては相当な追い風になります。
労災の申請は、最終的には本人の申請で
労基署は受け付けてくれます。
労基署で労災が認められなければ、
審査請求、再審査請求を行い、
それでも認められなければ、
労基署を相手に裁判を起こします。
後は皆さんご存知の「三審制」ですから、
地裁→高裁→最高裁という流れになります。
この流れと並行して、会社を相手取って裁判をし、
できれば「労災も認められているぞ」という主張を織り交ぜながら、
勝利を勝ち得ていくのが基本的な戦略なんじゃないかと思います。
ちなみに、業務上の災害であることが認められれば、
治療費は本人負担がなくなります。
(健康保険の場合は、3割自己負担ですが、労災の場合は0割です。)
休業中の所得補償についても、
健康保険でしたら賃金の約67%ですが、
労災保険でしたら賃金の約80%となり、労災の方が手厚いです。
また、業務上の災害による休業中、及び復帰後の30日間は
原則として解雇ができません。
今回の事件も、解雇ができない期間中に
会社が解雇したことになりますので、
労災が認められるとなると、
女性にとっては相当有利になります。
一方、会社側の立場に立つと、
本人に比べて圧倒的に有利な点は、
会社が持つ情報量です。
いつ、誰が、何を、どのようにしたのか。
関係者から情報や根拠となる資料や証拠をかき集めて、
女性が景品を盗んだと断定できる根拠を示すことだと思います。
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