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中野人事法務事務所中野 泰(なかの やすし)

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請負と派遣の業際問題シリーズ:第14回<受付案内業務は請負か派遣か?>

Q デパートや美術館等の受付案内業務は、
  37 号告示にいう「自らの企画又は自己の有する
  専門的な技術・経験に基づく業務処理」と言えますか。

A 業務遂行の実態により、請負と判断されたり、
  派遣と判断されたりする。

請負業務では、請負事業主が契約の相手方から独立して
業務を処理することなどが必要であり、
下記のいずれかであることが必要です。

1 自己の責任と負担で準備し、
  調達する機械・設備、材料・資材により業務を処理する
2 自ら行う企画又は自己の有する
  専門的技術・経験に基づき業務を処理する

デパートや美術館などの受付案内業務のように、
「仕事を完成させ目的物を引き渡す」形態ではない請負業務は、
1のような自己負担すべき設備や材料等がなく、
2に該当する場合もあると考えられます。

これに関しては、例えば、
様々な場所の受付における来客対応、
案内の方法、様々な客層に対する接遇手法や
トラブル発生時の対応等のノウハウを蓄積し、
これを基に業務対応マニュアル等を自ら作成した上で、
労働者に対する教育訓練を自ら実施し、
かつ、当該業務が的確に行われるよう
自ら遂行状況の管理を行っているような場合は、
請負事業主が自らの企画又は
専門的技術・経験に基づいて
業務処理を行っていると判断できます。

一方、例えば、発注者から、
来客への対応マナーや応答ぶり等を
すべて事前に文書等で詳細な指示を受けており、
トラブルが発生した場合には
その都度発注者に対応方針の指示を仰ぐこととされているなど、
契約上の業務内容に請負事業主の裁量の余地がない場合は、
単なる労働力の提供と認められ、
労働者派遣事業と判断される可能性が高まります。

(「労働者派遣事業と請負により行われる
  事業との区分に関する基準」
  (37 号告示)に関する疑義応答集(第2集)より。)

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