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中野人事法務事務所中野 泰(なかの やすし)

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請負と派遣の業際問題シリーズ:第19回<管理責任者の兼任>

Q 請負事業主の管理責任者が作業者を兼任する場合、
  管理責任者が不在になる場合も発生しますが、
  請負業務として問題がありますか?

A 事実上は請負労働者の管理棟ができない場合や、
  請負作業場に、作業者が一人しかいない場合で
  当該作業者が管理責任者を兼任している場合は
  偽装請負と判断されます。

請負事業主の管理責任者は、
請負事業主に代わって、
請負作業場での作業の遂行に関する指示、
請負労働者の管理、発注者との注文に関する交渉等の
権限を有しているものですが、
仮に作業者を兼任して、通常は作業をしていたとしても、
これらの責任も果たせるのであれば、特に問題はありません。

また、管理責任者が休暇等で不在にすることがある場合には、
代理の者を選任しておき、
管理責任者の代わりに権限を行使できるようにしておけば、
特に問題はありません。

ただし、管理責任者が作業者を兼任しているために、
当該作業の都合で、事実上は請負労働者の管理等が
できないのであれば、管理責任者とは言えず、
偽装請負と判断されることになります。

さらに、請負作業場に、作業者が一人しかいない場合で
当該作業者が管理責任者を兼任している場合、
実態的には発注者から管理責任者への注文が、
発注者から請負労働者への指揮命令となることから、
偽装請負と判断されることになります。

(「労働者派遣事業と請負により行われる
  事業との区分に関する基準」
  (37 号告示)に関する疑義応答集より。)

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