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中野人事法務事務所中野 泰(なかの やすし)

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請負と派遣の業際問題シリーズ:第21回<中間ラインで作業をする場合の取扱い>

Q 製造業務において、発注者の工場の製造ラインのうち、
  中間のラインの一つを請け負っている場合に、
  毎日の業務量は発注者が作業している
  ラインから届く半製品の量によって変動します。
  この場合は、偽装請負となりますか。

A 請負の要件を満たしている限り、
  偽装請負とはみなされません。

適切な請負と判断されるためには、
業務の遂行に関する指示
その他の管理を請負事業主が自ら行っていること、
請け負った業務を自己の業務として
相手方から独立して処理することなどが必要です。

これらの要件が満たされているのであれば、
発注者の工場の中間ラインの一つを
請け負っていることのみをもって、
偽装請負と判断されるものではありません。

具体的には、工場の中間ラインの一つを
請け負っている場合であっても、
一定期間において処理すべき
業務の内容や量の注文に応じて、
請負事業主が自ら作業遂行の速度、
作業の割り付け、順番、労働者数等を
決定しているのであれば
中間ラインの一つを請け負っていることのみをもって、
偽装請負と判断されるものではありません。

ただし、工場の中間ラインの一つを請け負っている場合で、
一定期間において処理すべき業務の内容や量が
予め決まっておらず、
他の中間ラインの影響によって、
請負事業主が作業する中間ラインの作業開始時間と
終了時間が実質的に定まってしまう場合など、
請負事業主が自ら業務の遂行に関する指示
その他の管理を行っているとはみなせないときは、
偽装請負と判断されることになります。

(「労働者派遣事業と請負により行われる
  事業との区分に関する基準」
  (37 号告示)に関する疑義応答集より。)

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