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中野人事法務事務所中野 泰(なかの やすし)

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請負と派遣の業際問題シリーズ:第26回<請負業務において発注者が行う技術指導>

Q 請負労働者に対して、
  発注者が技術指導等を行うと、偽装請負となるか。

請負労働者に対して、
発注者は指揮命令を行ってはならないと聞きましたが、
技術指導等を行うと、偽装請負となりますか。

A 請負としての要件を満たしていれば、
  一定の技術指導等については偽装請負とはならない。

適切な請負と判断されるためには、
請負事業主が、自己の雇用する労働者の労働力を
自ら直接利用すること、
業務を自己の業務として
契約の相手方から独立して処理することなどの
要件を満たすことが必要となります。

発注者が、これらの要件を逸脱して
労働者に対して技術指導等を行うことはできませんが、
一般的には、発注者が請負労働者に対して行う
技術指導等とされるもののうち
次の例に該当するものについては、
当該行為が行われたことをもって、
偽装請負と判断されるものではありません。

[例]

1 請負事業主が、発注者から新たな設備を借り受けた後
  初めて使用する場合、
  借り受けている設備に発注者による改修が加えられた後
  初めて使用する場合等において、
  請負事業主による業務処理の開始に先立って、
  当該設備の貸主としての立場にある発注者が、
  借り手としての立場にある請負事業主に対して、
  当該設備の操作方法等について説明を行う際に、
  請負事業主の監督の下で
  労働者に当該説明(操作方法等の理解に
  特に必要となる実習を含みます。)を受けさせる場合のもの

2 新製品の製造着手時において、
  発注者が、請負事業主に対して、
  請負契約の内容である仕様等について
  補足的な説明を行う際に、
  請負事業主の監督の下で
  労働者に当該説明(資料等を用いて行う説明のみでは
  十分な仕様等の理解が困難な場合に
  特に必要となる実習を含みます。)を受けさせる場合のもの

3 発注者が、安全衛生上緊急に対処する
  必要のある事項について、
  労働者に対して指示を行う場合のもの

(「労働者派遣事業と請負により行われる
  事業との区分に関する基準」
  (37 号告示)に関する疑義応答集より。)

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