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中野人事法務事務所中野 泰(なかの やすし)

ブログ記事一覧

経団連、労働法制に関する提言を公表!

平成25年4月16日、経団連は
労働法制改革についての提言をまとめ、
ホームページにて公表しました。

全文は【コチラ】をご覧ください。

なお、「こうすべきだ!」という部分のみ
抜粋してまとめたポイントを
以下ご紹介します。

1 企画業務型裁量労働制に関する規制緩和

A 対象業務に関する規制緩和

対象業務については、告示で詳細を定めるのではなく、
個別企業における集団的労使自治を尊重し、
労使が企業実態に適する形で対象業務の内容を
決定できることとすべきである。 

B 対象労働者の範囲拡大

一部定型的な業務を行っていても
大部分が裁量的業務に従事するものであれば
対象労働者と認めるようにすべきである。 

C 手続きの簡素化

事業場ごとの届出が求められる現行の手続規定は、
経営上および効率性向上の観点から、
企業単位での一括届出を認めるよう見直すべきである。

定期的な労働基準監督署長への報告義務がなくとも
適正な運用を図ることは可能であり、
集団的労使自治を尊重した形へと
見直しを図るべきである。

2 ホワイトカラー・エグゼンプションの検討

一定の要件を満たす営業職を含む事務職や
研究・技術開発職等の一部の労働者について、
労働時間規制、深夜・休日労働規制の
適用を除外することを認める制度を創設すべく、
検討を進めるべきである。 

3 フレックスタイム制

A 週休2日制の場合の時間外労働となる
  時間の計算方式の変更

1ヵ月単位のフレックスタイム制を
週休2日で運用する場合、
1ヵ月の法定労働時間の枠は、
週40時間を基準として
暦日数から逆算した時間ではなく、
週休日を除いた所定就業日数に
1日8時間の法定労働時間数を乗じて
計算する方式に変更すべきである。 

B 清算期間の規制緩和

清算期間の長さについては、
労使が企業実態に適する形で
決定できることを基本として、
現行の1ヵ月よりも長い期間を
設けられるようにすべきである。

3 1ヶ月単位・1年単位の変形労働時間制

天災を事由とする場合に限り、
あらかじめ変更事由等を就業規則に規定し、
総労働日と総労働時間の増加がないことを条件として、
代替日未定の労働日の変更(非労働日の設定)を
認めることとすべきである。 

4 三六協定の特別条項に関する規制緩和

労働基準監督署において、所管地域の事業場や
関連する海外の事業場の状況等を総合的に勘案し、
特段の事情があると認定した場合に、
「一時的又は突発的」あるいは
「全体として1年の半分を超えない」という要件について、
柔軟な解釈がなされるべきである。

5 休憩の一斉付与義務の撤廃

休憩の一斉付与義務は、
労働者の自律的な労働時間配分を
妨げるものとなっており、
その意義を失っているため、
速やかに撤廃すべきである。

6 勤務地・職種限定社員に対する
  雇用保障責任ルールの透明化

紛争を予防するため、
特定の勤務地ないし職種が消滅すれば
契約が終了する旨を
労働協約、就業規則、個別契約で定めた場合には、
当該勤務地ないし職種が消滅した事実をもって
契約を終了しても、解雇権濫用法理が
そのまま当たらないことを法定すべきである。 

7 労働条件変更に伴う紛争防止

就業規則による労働条件の
変更ルールの透明化を図るには、
過半数労働組合との合意
または過半数労働組合がない場合には
労使委員会の労使決議
(労働側委員の過半数の同意を得たもの)等を条件に、
変更後の就業規則の合理性を推定することを
労働契約法に明文化するべきである。 

ポイントは以上です。

あくまで使用者側の主張ですので
労働者側としては納得できない主張も
多々あるかと存じます。

労働者側の主張も、今後取り上げていきつつ、
今後の労働法制がどうなっていくのかを
ご紹介して参ります。

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厚生年金基金解散に向けた法律案 国会に提出!

先週、厚生労働省より、公的年金制度の健全性
及び信頼性の確保のための
厚生年金保険法等の一部を改正する法律案が
国会に提出されました。

多くの厚生年金基金が解散に向かうきっかけとなる法律案です。
以下、法律案の概要をご紹介します。

1.厚生年金基金制度の見直し
  (厚生年金保険法等の一部改正)

  (1)施行日以後は厚生年金基金の新設は認めない。
  (2)施行日から5年間の時限措置として特例解散制度を見直し、
     分割納付における事業所間の連帯債務を外すなど、
     基金の解散時に国に納付する最低責任準備金の
     納付期限・納付方法の特例を設ける。
  (3)施行日から5年後以降は、代行資産保全の観点から
     設定した基準を満たさない基金については、
     厚生労働大臣が第三者委員会の意見を聴いて、
     解散命令を発動できる。
  (4)上乗せ給付の受給権保全を支援するため、
     厚生年金基金から他の企業年金等への
     積立金の移行について特例

  施行期日:公布日から1年を超えない範囲で政令で定める日

2.第3号被保険者の記録不整合問題への対応
  (国民年金法の一部改正)

  保険料納付実績に応じて給付するという
  社会保険の原則に沿って対応するため、以下の措置を講ずる。

  (1)年金受給者の生活の安定にも一定の配慮を行った上で、
     不整合記録に基づく年金額を正しい年金額に訂正
  (2)不整合期間を「カラ期間」(年金額には反映しないが
     受給資格期間としてカウント)扱いとして、
     無年金となることを防止
  (3)過去10年間の不整合期間の特例追納を可能とし、
     年金額を回復する機会を提供(3年間の時限措置)

  施行期日:公布日から1月を超えない範囲で政令で定める日
         ((3)は施行から1年9月以内、
           (1)は施行から4年9月以内)

  【第3号被保険者の記録不整合問題とは?】

  サラリーマン(第2号被保険者)の被扶養配偶者である
  第3号被保険者(専業主婦等)が、
  第2号被保険者の離職などにより、
  実態としては第1号被保険者となったにもかかわらず、
  必要な届出を行わなかったために、
  年金記録上は第3号被保険者のままとなっていて
  不整合が生じている問題。

3.その他
  (国民年金法等の一部を改正する法律等の一部改正)

  障害・遺族年金の支給要件の特例措置及び
  国民年金保険料の若年者納付猶予制度の期限を10年間延長する。

  施行期日:公布日

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内閣府がまとめた今後の人材活用の方向性<教育>

 内閣府の「経済社会構造に関する有識者会議」は、
「成長のための人的資源の活用の今後の方向性について」
という報告書をまとめました。

今後の人事政策の大きな方向性を打ち出したものです。
中期的な制度的対応の方向性として
示されているもののうち、
教育について記載されている箇所を
以下、報告書より抜粋してご紹介申し上げます。

1 人的資源形成の第一歩として
  学校教育において基礎学力の保障が重要。
  あわせて、職業に必要な基礎的・汎用的な能力を
  身につけることが必要である。 

2 企業内の人材育成の対象とならない層が
  労働市場で通用するような職業能力を
  身につけることができるように、産学官が連携して
  人材育成とマッチングのあり方を検討すべきである。 

3 高等教育においては、
  職業に直接役立つ専門的な知識・技能を
  身につけるための教育を充実させるとともに、
  社会の変化に対応していくための
  基礎的・理論的な能力を身につけるための
  教育を推進する。 

4 常に社会人が学び直しの機会が持てるよう
  社会人向けプログラムの充実が必要である。

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内閣府がまとめた今後の人材活用の方向性<雇用労働>

 内閣府の「経済社会構造に関する有識者会議」は、
「成長のための人的資源の活用の今後の方向性について」
という報告書をまとめました。

今後の人事政策の大きな方向性を打ち出したものです。
中期的な制度的対応の方向性として
示されているもののうち、
雇用労働について記載されている箇所を
以下、報告書より抜粋してご紹介申し上げます。

1 従来の正規社員と非正規雇用の
  二極分化を解消するため、
  多元的な正社員の形態を普及するとともに
  専門能力・知識を有する労働者の養成をめざし、
  法制、制度などの見直しや、
  積極的労働市場政策の更なる充実について
  検討していくことが考えられる。 

2  無限定型の正社員も今後とも
  重要な位置を占めるものの、
  様々な雇用形態間を、ライフスタイルなどに応じて
  個人の選択によって
  相互に行き来できるようにするとともに、
  非正規雇用労働者が無限定型だけでなく
  限定型の正社員に移行するルートを
  確立することが重要である。 

  その際には「人事権」に加え
  個人がキャリアを如何に主体的に
  選択できるようにするのかも論点の一つである。 

3 企業による人的投資が期待しにくい
  非正規雇用労働者への OJT も含めた教育訓練、
  人材投資が十分行われるよう
  政策資源の重点投資を検討すべきである 

4 企業による雇用保障に関するルールの明確化が
  課題と指摘されている。
  現状でも、計画的人員削減を実施している企業もある。

  また、労働市場全体としては、
  国際的にみて低い失業水準という成果とあわせて、
  企業外部においては、
  効果的な教育訓練機会が乏しく
  移動のための市場は十分発展していない。

  こうした現状も踏まえながら、
  人的資本をできるだけ損なうことなく、
  より高い生産性の部門へ失業を経ないで
  移動できることを目指して、
  改革のための議論がなされるべきである。 

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内閣府がまとめた今後の人材活用の方向性<良質な教育訓練機会の確保>

 内閣府の「経済社会構造に関する有識者会議」は、
「成長のための人的資源の活用の今後の方向性について」
という報告書をまとめました。

今後の人事政策の大きな方向性を打ち出したものです。
いくつかあるポイントの一つがこれ。

3 変化に対応して新しい技術・技能を
  常に身につけることができる効果的な学び直しを
  行うための良質な教育訓練機会の確保を図ること

この点について、詳細に記述された部分を
以下、抜粋してご紹介します。

時代にあった多様な人的資源形成のために
教育のあり方を見直していくことが必要である。
職業に直接役立つ企業内外の
効果的な教育訓練機会の確保が
企業内外の高生産性部門への
円滑なマッチングを進めるための前提である。

経済社会の変化に対応して
新しい技術・技能を常に身に付ける
必要性が生じうるということを、
学生の時代から一人一人の労働者に
自覚を促していく必要がある。
また、個人の意欲を喚起しつつ、
効果的な学び直しを行うための
良質な教育訓練機会の確保とともに
意欲ある者に手厚い支援を行う必要がある。

ただし、その際には公的支援と自己負担を組み合わせるなど
モラルハザードが生じない仕組みを工夫する必要がある。

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内閣府がまとめた今後の人材活用の方向性<専門能力活用型のジョブ型労働市場の整備>

 内閣府の「経済社会構造に関する有識者会議」は、
「成長のための人的資源の活用の今後の方向性について」
という報告書をまとめました。

今後の人事政策の大きな方向性を打ち出したものです。
いくつかあるポイントの一つがこれ。

2 職業能力をレベル毎に的確に評価でき、
  それが転職した場合にも賃金に反映されるような
  企業横断的な職業能力評価制度の整備などを通じた
  専門能力活用型のジョブ型労働市場の整備を図ること

この点について、詳細に記述された部分を
以下、抜粋してご紹介します。

正社員であっても、非正規雇用であっても、
自らのキャリア、職業能力を軸として
円滑に労働移動することによって、
雇用の安定を図っていくことが考えられる。

職業能力を蓄積することにより
賃金上昇を可能とすることによって、
転職した場合にも生活の安定を
図っていくことが考えられる。

そのためには、それを可能とする専門能力活用型の
ジョブ型労働市場の整備を図るべきである。

職業能力をレベル毎に的確に評価でき、
それが転職した場合にも賃金に反映される
企業横断的な職業能力評価制度の整備が必要である。

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内閣府がまとめた今後の人材活用の方向性<多元的な無期雇用形態>

 内閣府の「経済社会構造に関する有識者会議」は、
「成長のための人的資源の活用の今後の方向性について」
という報告書をまとめました。

今後の人事政策の大きな方向性を打ち出したものです。
いくつかあるポイントの一つがこれ。

1 正社員としての雇用の安定性を一定程度確保しつつ
  ワークライフバランスが確保できるような、
  残業なしの働き方や短時間正社員、職種限定正社員など、
  多元的な無期雇用形態を個人の選択により可能にすること

この点について、詳細に記述された部分を
以下、抜粋してご紹介します。

現在、正社員と非正規雇用に二極分化しており、
職務内容、労働時間、勤務場所などについて
限定的に働きたいが、雇用の安定を求めたいという
正社員・非正規雇用労働者のニーズに
十分応えられていない面がある。

このため、正社員と非正規雇用労働者の
二極化を解消するため、
正社員としての雇用の安定性を一定程度確保しつつ
ワークライフバランスが確保できるような、
残業なしの働き方や短時間正社員、
職種限定正社員、業務限定正社員など、
多元的な無期雇用形態を、
雇用契約の多元化や明示などを通じて可能として普及し、
各雇用形態間を労働者個人の選択によって
相互に移行可能にしていくことが考えられる。

これまで無限定の働き方を避け、
有期契約の非正規雇用を選択していた者も
働き方を限定したままで
無期契約の正社員に移行することができる。
また、希望に応じて正社員に移行するルートとして
多元的な働き方が活用しうる。

なお、制度設計に当たっては、
個人の選択が確保され、
企業からの強制や正社員の処遇切り下げとならず、
改革を通じて雇用の安定化が図られる層が増えるよう
配慮がなされるべきである。

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内閣府がまとめた今後の人材活用の方向性<概要>

 内閣府の「経済社会構造に関する有識者会議」は、
「成長のための人的資源の活用の今後の方向性について」
という報告書をまとめました。

今後の人事政策の大きな方向性を打ち出したものです。
ポイントは以下の通りです。

1 正社員としての雇用の安定性を一定程度確保しつつ
  ワークライフバランスが確保できるような、
  残業なしの働き方や短時間正社員、職種限定正社員など、
  多元的な無期雇用形態を個人の選択により可能にすること
  →こちらの詳細についてはコチラ
2 職業能力をレベル毎に的確に評価でき、
  それが転職した場合にも賃金に反映されるような
  企業横断的な職業能力評価制度の整備などを通じた
  専門能力活用型のジョブ型労働市場の整備を図ること
  →こちらの詳細についてはコチラ
3 変化に対応して新しい技術・技能を
  常に身につけることができる効果的な学び直しを
  行うための良質な教育訓練機会の確保を図ること
  →こちらの詳細についてはコチラ

また、中期的な制度的対応の方向性として
示されているもののうち、
下記の2分野をご紹介申し上げます。

2 教育

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高速ツアーバスの運営会社で管理監督者性が争われた地裁判決は?

ウィラーエクスプレス西日本(大阪市北区)という
高速ツアーバスを運営する会社の運行課長だった男性が、
実態は、労働基準法上の管理監督者ではないにもかかわらず、
管理監督者として扱われ、
そのために本来支給されるべき残業手当が支給されなかったとして、
会社側に約910万円を求めた訴訟の判決が
東京地裁でありました。
東京地裁は約620万円の支払いを命じました。

労働基準法上の管理監督者かどうかを判断する基準は
次の3つとされています。

1 労働条件の決定その他労務管理について、経営者と一体的な立場にあり、
  労働時間や休憩、休日等の規制の枠を超えて活動せざるを得ない
  重要な職務内容、責任、権限を持っていること
2 現実の勤務態様が、労働時間等の規制になじまないものであること
3 賃金等について、その地位にふさわしい待遇がなされていること

篠原絵理裁判官は「労働時間は会社に管理されており、
裁量権があったとは認めがたい」と指摘しました。
上記「2」を満たしていないということです。

さらに、「他の職員との給与差もわずかで」(上記3」を満たしていない)
「人事権限もなかった」(上記「1」を満たしていない)と指摘しています。

結局、上記3つの基準をいずれも満たしていないので、
管理監督者には当たらないと裁判官は判断したようです。

ウィラー社は「判決の詳細を確認中なのでコメントは控える」としています。

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労働保険の申告書 マニュアルはこちら!

厚生労働省より、本年度の労働保険の申告書に関する
マニュアルが公表されました。

必要な方はこちらから入手してください。


なお、今年の申告・納付期間は下記の通りとなっております。
納付忘れなどないよう、お気をつけください。

申告・納付期間6月3日(月)〜7月10日(水)

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賞与で減給の制裁はできるか?

減給処分を行う際、通常は毎月支払われている給与から減給を行いますが、
賞与からの減給処分は可能でしょうか?

賞与も賃金であることから、
制裁として賞与から減額することが明らかになっている場合は、
労働基準法第91条の減給の制裁に該当します。

したがって、減給すること自体は可能ですが、
下記の点にご注意ください。

1 1回の事由につき、平均賃金の2分の1の額を
  超えないようにすること
2 減給の総額が賞与額の
  10分の1を超えないようにすること

(昭和63年3月14日 基発150号より)

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過半数代表者の選出⇒投票、挙手等の「等」って何?

労働者の過半数代表者を選出する際、
「投票、挙手の方法による手続きにより選出された者・・・」と
書いてあるケースが多いのですが、
この「等」って何かご存知ですか?

例えば、労働者同士の話し合い、
持ち回り決議といったように、
労働者の過半数がその人の選任を
支持していることが明確になる
民主的な手続きを指しています。
(平成11年3月31日 基発169号より)

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過半数代表者の要件とは?

労働者の過半数代表者とは
どのような要件を満たす人のことを言うのでしょうか?

通達によると、次のいずれの要件とも
満たすものであることとされています。
(平成11年1月29日 基発45号、
 平成22年5月18日 基発0518第1号)

1 労働基準法第41条第2号に規定する
  監督または管理の地位にある者でないこと
2 法に基づく労使協定の締結当事者、
  就業規則の作成・変更の際に
  使用者から意見を聴取される者等を
  選出することを明らかにして実施される
  投票、挙手等の方法による
  手続きにより選出された者
であり、
  使用者の意向によって選出された者ではないこと。

「1」については、いわゆる「管理職ではないこと」ということになりますが、
ここでいう管理職とは、会社が定める基準で選ばれた管理職ではなく
労働基準法上の管理職という意味合いです。

以前、マクドナルドの店長が管理職ではないとされた
東京地裁の判決は有名ですね。

「2」については、最後の一文が重要です。
中小・零細企業であればあるほど、
実際は投票や挙手などの選出手続きを行わず、
経営者が特定の従業員にいきなり声をかけて、
「ここにハンコ押して」と声をかけて、
労使協定を作成するケースが多いと思いますが、
それは、本当はダメということです。

なお、下記の場合で、
その事業場に上記「1」に該当する労働者がいない場合、
つまり、労働基準法第41条第2号に規定する
監督または管理の地位にある者のみの事業場である場合には、
上記「2」の要件を満たすだけでOKとされています。

1 労働者の貯蓄金をその委託を受けて
  管理する際の労使協定
  (労働基準法第18条第2項)
2 賃金の一部控除に関する労使協定
  (労働基準法第24条第1項ただし書)
3 有給休暇に関する労使協定
  (労働基準法第39条第4項、第6項及び第7項ただし書)
4 就業規則の作成・変更に伴う意見聴取
  (労働基準法第90条)

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賃金の端数処理 その3<1ヶ月の差引支給額の端数処理>

賃金計算をする場合、
総支給額から社会保険料や所得税等を控除した
差引支給額を本人に支払うことが多いかと存じます。

この差引支給額、キリの悪い数字になることが大半ですが、
次にご紹介する端数処理については、
賃金支払いに関する便宜上の取扱として
認められています。

なお、こうした端数処理を行う場合は、
従業員とのトラブルの元となりますので、
就業規則に規定化しておくことと、
従業員への周知に力を入れてください。

1 1ヶ月の差引支給額に百円未満の端数が生じた場合

50円未満の端数を切り捨て、
50円以上の端数を切り上げる
端数処理は認められています。

2 1ヶ月の差引支給額に千円未満の端数が生じた場合

端数を翌月の賃金支払い日に繰り越して
支払う処理は認められています。

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賃金の端数処理 その2<割増賃金計算の端数処理>

割増賃金の計算において、
次の端数処理は、常に従業員側の不利になるものではなく、
賃金計算作業の簡便化を目的としてものとして認められています。

1 残業時間等の合計時間に関する端数処理

1ヶ月における時間外労働、休日労働、及び深夜業の
各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、
30分未満の端数を切り捨て、
30分以上を1時間に切り上げる
端数処理は認められています。

2 1時間当たりの賃金額・割増賃金額に関する端数処理

1時間当たりの賃金額及び割増賃金額に
円未満の端数が生じた場合、
50銭未満の端数を切り捨て、
50以上の端数を1円に切り上げる
端数処理は認められています。

3 割増賃金総額に関する端数処理

1ヶ月における時間外労働、休日労働、深夜業の
各々の割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合、
50銭未満の端数を切り捨て、
50以上の端数を1円に切り上げる
端数処理は認められています。

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