労働基準法上の管理監督者とはどんな人?
労働基準法上の管理監督者に該当する場合は、
労働時間や休憩、休日に関する労働基準法上の定めが適用されません。
したがって、残業手当や休日出勤手当を支払う義務を免れます。
(ただし、深夜に関する割増賃金は支払い義務あり)
それでは、労働基準法上の管理監督者とはどういう人たちを言うのでしょうか。
これについて、厚生労働省が見解を公表していますので、ご紹介します。
なお、<こんな場合に注意!>に記載している事項は
多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の判断基準です。
マクドナルドの地裁の判決を受け、厚生労働省が作成したものから
主要な部分を抜粋し、読みやすいように改変しました。
==労働基準法上の管理監督者となる3つの要件==
1 労働条件の決定その他労務管理について、経営者と一体的な立場にあり、
労働時間や休憩、休日等の規制の枠を超えて活動せざるを得ない
重要な職務内容、責任、権限を持っていること
<こんな場合に注意!>
★ 店舗に所属するアルバイト・パート等の
採用に関する責任と権限が実質的にない場合。
★ 解雇店舗に所属するアルバイト・パート等の
解雇に関する事項が職務内容に含まれておらず、
実質的にもこれに関与しない場合。
★ 部下の人事考課に関する事項が職務内容に含まれておらず、
実質的にもこれに関与しない場合。
(人事考課の制度がある企業のみ)
★ 労働時間の管理店舗におけるシフト表の作成
又は残業命令を行う責任と権限が実質的にない場合。
2 現実の勤務態様が、労働時間等の規制になじまないものであること
<こんな場合に注意!>
★ 遅刻、早退等により減給の制裁、
人事考課での負の評価など不利益な取扱いがされる場合。
★ 実際には労働時間に関する裁量がほとんどないと認められる場合。
★ 管理監督者としての職務も行うが、
会社から配布されたマニュアルに従った業務に従事しているなど
労働時間の規制を受ける部下と同様の勤務態様が労働時間の大半を占めている場合。
3 賃金等について、その地位にふさわしい待遇がなされていること
<こんな場合に注意!>
★ 基本給、役職手当等の優遇措置が、実際の労働時間数を勘案した場合に、
割増賃金の規定が適用除外となることを考慮すると十分でなく、
従業員の保護に欠けるおそれがあると認められる場合。
★ 一年間に支払われた賃金の総額が、勤続年数、業績、専門職種等の
特別の事情がないにもかかわらず、
他店舗を含めたその企業の非管理職の賃金総額と同程度以下である場合。
★ 実態として長時間労働を余儀なくされた結果、
時間単価に換算した賃金額において、
店舗に所属するアルバイト・パート等の賃金額に満たない場合。
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