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中野人事法務事務所中野 泰(なかの やすし)

ブログ記事一覧

中小企業向け!無料の「就業規則の解説本」

この度、愛知県の産業労働部が
という無料冊子をHP上に公開しました。

書店に行くと、就業規則に関する書籍が
たくさん販売されていますが、
全て有料です。(←当たり前ですが...)

一方、こちらは無料です。
そして、無料だからと言ってバカにできないくらいの
情報の質と量が確保されています。

ご興味ある方は有料の書籍を買う前に、
一度ご覧いただくとよいかと存じます。

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経営が苦しくなった時に思い出していただきたい労働条件の変更に関するルール

経営が苦しくなってくると、
給与カットに代表される労働条件の引き下げを
検討する可能性が高くなります。

そこで、労働条件の引き下げに関する
労働法の規定についてまとめてみました。

なお、労働条件の引下げ等を行う場合には、

法令等で定められた手続き等を遵守するとともに、
事前に十分な労使間での話合いなどを行うことが必要です。

1 合意による変更

労働契約の変更は、労働者と使用者の
合意により行うのが原則です。
(労働契約法第3条)

労働者と使用者が合意すれば、
労働条件を変更することができます。
(労働契約法第8条)

2 就業規則による変更

使用者が一方的に就業規則を変更して、
労働者の不利益に
労働条件を変更することはできません。
就業規則によって労働条件を変更する場合には、
内容が合理的であることと、
労働者に周知させることが必要です。

【法令】

使用者が一方的に就業規則を変更して、
労働者の不利益に
労働条件を変更することはできません。
(労働契約法第9条)

使用者が、就業規則の変更によって
労働条件を変更する場合には、
次のことが必要です。
(労働契約法第10条)

 1 その変更が、以下の事情などに照らして合理的であること。
    ・ 労働者の受ける不利益の程度
    ・ 労働条件の変更の必要性
    ・ 変更後の就業規則の内容の相当性
    ・ 労働組合等との交渉の状況
 2 労働者に変更後の就業規則を周知させること。

就業規則の作成や変更にあたっては、
事業場に、労働者の過半数で組織する
労働組合がある場合はその労働組合、
労働者の過半数で組織する労働組合がない場合は
労働者の過半数を代表する者の意見を
聴かなければなりません。(労働基準法第90条)

参考:労働契約法

労働契約法は、労働契約の基本的なルールを定めています。
罰則はありませんが、解雇等に関して、
民法の権利濫用法理を当てはめた場合の判断の基準など、
私法上の効果を明確化するものです。
民事裁判や労働審判は、
労働契約法の規定を踏まえて行われます。

3 配置転換・出向

A 配置転換

配置転換を命じるには、就業規則等にその根拠を
置いていただくことが望まれます。
裁判例によれば、配置転換命令の業務上の必要性と
その命令がもたらす労働者の生活上の
不利益とを比較衡量し、
権利濫用に当たるかどうか
判断される場合があるとされています。

【法令】

事業主は、従業員に就業場所の変更を伴う
配置の変更を行おうとする場合に、
その就業場所の変更によって
子育てや介護が困難になる従業員がいるときは、
当該従業員の子育てや介護の状況に
配慮しなければなりません。
(育児・介護休業法第26条)

【裁判例】

転勤命令について、業務上の必要性がない場合
または業務上の必要性がある場合であっても、
他の不当な動機・目的から転勤命令がなされたとき、
もしくは転勤命令が労働者に対し
通常受け入れるべき程度を著しく超える
不利益を負わせるものであるときには、
その転勤命令は権利の濫用になる。
(最高裁第二小法廷 昭和61年7月14日判決)

B 出向

(在籍)出向を命じるには、
個別的な同意を得るか、
または出向先での賃金・労働条件、
出向の期間、復帰の仕方などが
就業規則等によって
労働者の利益に配慮して
整備されている必要があります。
出向の命令が、その必要性、
対象労働者の選定等に係る
事情等に照らしてその権利を
濫用したものと認められる場合には、
その命令は無効となります。
(労働契約法第14条)

転籍については、労働者本人の同意(合意)を要するので、
使用者は一方的に労働者に転籍を命じることはできません。

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就業規則よりも優遇した手当の支払いをやめることはできるか?

ある会社の出張旅費規程には、
片道100km以上の移動を伴う業務が出張であり、
出張の際には日当を支払うと規定しています。

ところが、実態は50kmを超えた場合は日当を支払うことを
10年くらい前から続けていました。

こうした背景がある中、経費削減の一環として、
100km未満の場合の日当は今後は支払わないものとし、
出張旅費規程通りの運用に戻すことはできるのでしょうか。

こうした就業規則には書かれていないものの、
暗黙のルールとして運用されているものを
「労使慣行」と言います。

労使慣行は実質的に就業規則としての効力を
持っているとされています。

今回の事例は、今まで支払ってきたものを
支払わないという変更ですから、
不利益変更に当たります。

この不利益変更が有効とされるためには、
この労使慣行を廃止するための「合理性」が求められます。

この合理性の判断基準として、
タケダシステム事件最高裁判決
(昭和58年11月25日 第二小法廷)では、
変更の内容と、その必要性の双方について
検討することが求められ、
次のような諸事情を総合的に勘案することと
判示しています。

★ 変更により従業員の被る不利益の程度
★ 不利益変更との関連の元に行われた賃金の改善状況
★ 労働組合との交渉の経過
★ 他の従業員の対応
★ 関連会社の取扱い 等

今回の事例についても、
経費削減という会社側の必要性の程度と、
100km未満の移動の場合は日当を支払わないとする
不利益変更の内容の双方について
検討を加えることになります。

こうした不利益変更を行うためには、
一般的には、極力既得権益を損なわないよう
配慮する措置を取ることが多いです。

例えば、次のようなことをするとよいでしょう。

★ 今後入社する従業員については
   出張旅費規程通りの日当支払ルールを適用する。
★ 既存の社員については一定期間経過措置期間を設け、
   激変緩和措置を行う。
★ 他のルールの改善を行い、不利益変更と抱き合わせる。
★ 労働組合や従業員と十分に話し合い、理解を求める。

こうした取り組みの結果、最終的に同意を得られない
従業員が出てしまうかもしれません。

こうした場合は、会社の責任において
不利益変更を実施することになりますが、
従業員が納得しない場合は、
その妥当性について
法廷で争うことになる可能性が高くなります。

こうなると、時間、費用、労力がかかりますし、
従業員との信頼関係も決裂しやすくなります。

不利益変更の実施の前に、
労働組合や従業員とは十分に話し合い、
極力このような事態を迎えることのないよう、
意を尽くすことをお勧め致します。

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就業規則のひな形(フォーマット)はこちら!

厚生労働省で推奨している就業規則のひな形はこちらです。

一つ一つの条文に解説がついています。
こちらの解説を読みながら、
ひな形を元に御社バージョンの就業規則に仕上げていきます。

法的な要件は満たしておりますし、
最新の法例に基づいていますので、
ひな形として使う分には安心です。

ただ、法的な要件を満たしているからと言って、
御社にトラブルが起きた時に
御社や真面目に働いている大半の従業員を
守ってくれる内容になっているとは限りません。

ひな形にはひな形のよいところと限界があります。
その点にご留意いただきながら、ご活用ください。

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アルバイト就業規則を作成。意見を聴取する「労働者」は 誰にすればよいか?

全従業員のうち30%がアルバイトで構成されている会社が
アルバイト用の就業規則を作成することとなりました。
この場合、就業規則を作成・変更する際に意見を聴取する「労働者」は
誰にすればよいのでしょうか?

結論から申し上げると、全従業員の代表者です。
(アルバイトの代表者ではないということです。)

ここでいう全従業員の代表者については、
労働基準法第90条に詳しく記載されています。

――――――――――――――――――――――――――
使用者は、就業規則の作成または変更について、
当該事業場に、労働者の過半数で組織する
労働組合がある場合においてはその労働組合、
労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては
労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
――――――――――――――――――――――――――

物理的には「正社員用の就業規則」と「アルバイト用の就業規則」の
2冊に分かれていたとしても、
労働基準法上は、その2冊を合わせたものが
「当該事業場の就業規則」という取り扱いになります。

したがって、対象者がアルバイトだから
アルバイトの代表者から意見を聴取するという考えではなく、
あくまで就業規則の意見を聴取するのは
「全従業員の代表者」となります。

逆に言えば、「全従業員の代表者」は
正社員の代表、あるいは組合員の代表というよりも、
全従業員の代表であるという視点に立って、
意見を述べることが期待されています。

もっとも、アルバイトの代表者にも意見を聞くことは、
労務管理上望ましいことは言うまでもありません。

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行方不明の社員をどうする? 退職 or 解雇?

従業員がある日突然出社しなくなり、行方が分からなくなりました。
この場合、会社としてどのような対応が考えられるでしょうか。

1 退職扱い

就業規則の退職事由に、
「行方不明となり、その期間が○日を経過したとき」
等と記載されている場合、
その期間を超えれば当然に退職となります。

この場合は、本人の退職の意思表示も、
会社からの通知も必要ありません。

後にご紹介する解雇の場合よりも
手続きが簡単で、おススメです。

なお、「○日」が短すぎるとトラブルの元になりかねません。
具体的に「○日以上とすること」等の通達はありませんが、
厚生労働省監修の書籍による事例ですと、
「2ヶ月」という例が表示されています。
また、懲戒解雇となる無断欠勤日数の基準を
14日とする通達もありますし(後述)、
解雇予告をする場合は「30日前」という基準もあります。

これらを参考にしていただき、
妥当な日数を設定ください。

2 懲戒解雇扱い

懲戒解雇の事由に
「無届欠勤が○日以上に及んだとき」等と記載されている場合、
この要件を満たす期間、行方不明であれば、
懲戒解雇の要件を満たすことになります。

従業員の責に基づく解雇の場合は、
解雇の予告をしなくても構いません。

また、日数の設定については次の通達が参考になります。

----------------------------------------------------------
原則として2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、
出勤の督促に応じない場合は
労働者の責に帰すべき事由となる。
(昭和23年11月11日基発第1637号、
 昭和31年3月1日基発第111号)
----------------------------------------------------------

出勤督促をしようと思ってもできない行方不明の場合は、
2週間以上無断欠勤しているというだけで十分かと存じます。

なお、この場合は、労働基準監督署長から
解雇予告手当の除外認定を受けることで、
解雇予告手当の支払いをしなくて済むようになります。

なお、面倒なのはここからです。

解雇をする場合、
解雇の意思表示が本人に届かないと、
解雇の効力が生じません。

そこで、公示送達(民法第97条、民事訴訟法第110~113条)
という手段を用います。

公示送達は、従業員の住所地を管轄する
簡易裁判所に申し立てをし、
裁判所の掲示場に掲示することによって行います。

掲示場に掲示を始めた日から2週間経過すると、
公示送達の効力が発生し、
従業員に解雇の意思表示が届いたとみなします。

公示送達、面倒ですよね?
となると、退職という形を取れるよう、
就業規則を見直しておく方がよいかと存じます。

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「10人以上の労働者」に含まれる従業員は?

労働基準法では、常時10人以上の労働者を使用する使用者に
就業規則の作成と届け出を義務付けています。

この「10人以上の労働者」に次のような社員は含めるのでしょうか?

1 アルバイト、パートタイマー
2 嘱託社員(定年後の再雇用社員等)
3 出向社員
4 派遣社員

1 アルバイト、パートタイマー & 2 嘱託社員(定年後の再雇用社員等)

「10人以上の労働者」に含めて考えます。

労働基準法では、アルバイト、嘱託社員等の名称に関係なく、
また、時給制や月給制等の賃金の支払い方に関係なく、
事業または事務所に使用され、賃金を支払われる人を
一律に「労働者」として定めているからです。

3 出向社員

出向社員が出向元にも籍を残しつつ、
出向先で働くようなケースを想定した「在籍出向」と
出向元には席を残さず、出向先とのみ雇用契約が存在している「転籍出向」があります。

在籍出向の場合は、出向元、出向先ともに「10人以上の労働者」に含めて考えます。
出向元、出向先のどちらも、出向者と雇用契約関係があるためです。

転籍出向の場合は、出向元では「10人以上の労働者」に含めず、
出向先のみ「10人以上の労働者」に含めて考えます。
出向元とは雇用関係が存在せず、出向先とは雇用関係が存在するためです。

4 派遣社員

雇用契約を締結しているのは、派遣会社と派遣社員です。
したがって、派遣会社では「10人以上の労働者」に含めて考えます。

一方、派遣先の会社では、派遣社員と雇用関係にあるわけではありませんので、
派遣先でのカウントをする際は、「10人以上の労働者」に含めません。

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就業規則の任意的記載事項って何?

就業規則の記載事項については、労働基準法で縛りがかけられています。

重要な労働条件についての記載が漏れていると、
就業規則としての体(てい)をなさなくなるからです。

就業規則に記載すべきことは次の3区分に分けられます。

1 絶対的必要記載事項
2 相対的必要記載事項
3 任意的記載事項
  ※ 記載事項の詳細については、こちらをご覧ください。

任意的記載事項とは、
絶対的必要記載事項、相対的必要記載事項以外のもので、
会社が任意に就業規則に記載する事項のことですが、
具体的にはどんなものを指しているのでしょうか?

例1 就業規則にかける熱い情熱を前文として記載する

自社にとって、就業規則を作成することにどのような意味があるのか。
どのような目的で就業規則を作成することにしたのか。
就業規則を作成することで、会社はどうなっていくのか。

このような熱い思いを前文として記載する会社がございます。
この前文が任意的記載事項となります。

例2 企業理念や社是をドーンと掲載する

これも例1と似ておりますが、
企業理念や社是、行動指針を冒頭に記載し、
その流れを踏まえて、具体的な条が記載されていくという体裁の
就業規則を作成した場合、
この企業理念などは任意的記載事項となります。

例3 就業規則の条文解釈を就業規則中に記載する

実例は私も見たことがありませんが、
就業規則の各条文について、
具体的にはこのように解釈する、この言い回しはこういう意味だ、
というような文章を就業規則の欄外などに表記するなどした場合、
この解釈文章は任意的記載事項となります。

例4 適用に関する規程を記載する

例えば、この就業規則は誰に対して適用するかという条文や、
附則として記す施行年月日、改正施行年月日は
任意的記載事項となります。

<任意的記載事項の注意ポイント>

1 大半のルールは相対的記載事項です

服務規定や休職に関する規定等を
任意的記載事項と分類している方もいらっしゃいますが、
これらについては相対的記載事項の一つとして、
下記の記載があります。

★ 前各号に掲げるもののほか、
  当該事業場の労働者のすべてに
  適用される定めをする場合においては、これに関する事項

ということで、服務に関するルールも休職に関するルールも
相対的必要記載事項に該当します。

ただ、分類にこだわっても、実態は何も変わりません。
マニアックな話で恐縮です...。

2 企業理念も書き方によっては相対的記載事項になります

企業理念を掲げるだけなら任意的記載事項ですが、
「企業理念を守ること」とすれば、これはルールになりますので、
相対的必要記載事項となります。

ただ、これも分類上の話。実務上全く気にしなくてよいかと存じます。

3 法令違反や公序良俗違反の内容は記載してはいけません

当たり前のことと言えば当たり前ですが、念のため記載しておきます。
ちなみに「公序良俗」とは「公の秩序」「善良な風俗」の略称です。

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違法な就業規則の条文は有効か?

就業規則の作成のご依頼を受けた際、
「それでは今の就業規則を拝見させていただけますか?」と尋ね、
現状の就業規則の内容を確認します。

その際、例えば、本来入社6ヶ月後に付与される有給休暇の日数は10日のところ、
「5日」等と記載されているケースがあります。

事情を確認すると、「10日も与えることはできない。」という社内事情があるとのこと。

まず、法的には「5日」というのは労働基準法に照らし合わせると、違法です。

労働基準法に定める労働条件は最低のものだとされています。
その最低条件を下回ることはできません。

この場合、就業規則全体が無効になるのではなく、
違法になっている部分のみが無効となります。

上記の「5日」は「10日」に引き上げられます。

ということで、就業規則に「5日」と書いてあったとしても、
従業員には「10日」が付与されることになります。

常時10人以上の労働者を使用している事業所については、
就業規則は労働基準監督署に届け出ることになっています。

労働基準監督署に実際に届け出ると、
条文をしっかりチェックしてから受理印を捺印する人もいれば、
内容をチェックせずに、機械的に受理印を捺印する人もいます。

受理印は「受理したこと」の証ではありますが、
内容が合法であることまでは証明していませんので、
受理印があるからと言って、「5日でOK」となったわけではありません。

ここから先は私の意見ですが、

★人にされて嫌なことは、人にしない。
★人からされて嬉しかったことを、人にする。

こうしたことは経営の基本であり、人とのかかわり合いの基本だと思います。
10日も付与したら会社が成り立たなくなる、というのは自分の都合。

スタッフが気持ちよく働いて、初めて自分の経営が成り立ちます。
スタッフが気持ちよく働くためにはどのような職場環境にすればよいか。

こうした気持ちをスタッフに伝え、
スタッフと一緒に「日々の運営に支障をきたさないようにしながら、
法定の有給休暇を付与し、なおかつ消化したいだけ消化するにはどうすればよいか?」と
ディスカッションをすることが大切だと私は思っています。

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就業規則は会社で一つ作成して、届け出ればよいか?

就業規則は常時10名以上の従業員を使用する場合に、作成義務と届け出義務があります。

ここで気をつけなくてはならない点が、次のような場合です。

本社:15名
A支店:12名
B支店:5名
合計:32名

私たちは日常的には次のように考えます。

「全従業員合計が32名だから、常時10名を超えている。
 そこで、就業規則を作成し、本社を管轄している労働基準監督署に届け出なければ...。」

実は、労働基準法は原則として「事業場単位」で考えています。
(例外的に会社単位の場合もありますが...。)

就業規則もその一つです。

したがって、正確には次のように考えなければいけません。

「本社とA支店はそれぞれ常時10名以上なので、
 本社と、A支店には就業規則の作成義務があり、
 本社分は本社を管轄している労働基準監督署に届け出て、
 A支店分はA支店を管轄している労働基準監督署に届け出る必要がある。
 一方、B支店は常時10人未満だから、
 就業規則の作成義務もないし、届け出義務もない。」

実務上は、B支店にも適用する就業規則とし、
届出をすることが多いと思います。

気をつけなくてはいけないのは、つい企業単位と考えてしまい、
各支店を管轄している労働基準監督署へ
就業規則を届け出るのをうっかり忘れてしまう、ということです。

お気をつけください。

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