士業ねっと! マイナンバー対応、助成金・補助金などの資金調達の各種相談、各種顧問料の見直しなどもどうぞお気軽に!

士業ねっと! 全国版

東証スタンダード「株式会社フォーバル」のグループ会社が運営しています。

掲載希望の士業者様はこちら

士業ねっと!全国版

士業者検索

BLOG

中野人事法務事務所中野 泰(なかの やすし)

ブログ記事一覧

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準 2

厚生労働省では、
「労働時間の適正な把握のために
 使用者が講ずべき措置に関する基準」を作っています。
(平成13年4月6日 基発339号)

この基準に記載されている、
労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置は
次の通りです。

(1)始業・終業時刻の確認及び記録

使用者は、労働時間を適正に管理するため、
労働者の労働日ごとの始業・ 終業時刻を確認し、
これを記録すること。

(2)始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法

使用者が始業・終業時刻を確認し、
記録する方法としては、
原則として次のいずれかの方法によること。

ア 使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること。
イ タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として
  確認し、記録すること。

(3)自己申告制により始業・終業時刻の確認
    及び記録を行う場合の措置

上記(2)の方法によることなく、
自己申告制によりこれを行わざるを得ない場合、
使用者は次の措置を講ずること。

ア 自己申告制を導入する前に、
  その対象となる労働者に対して、
  労働時間の実態を正しく記録し、
  適正に自己申告を行うことなどについて
  十分な説明を行うこと。

イ 自己申告により把握した労働時間が
  実際の労働時間と合致しているか否かについて、
  必要に応じて実態調査を実施すること。

ウ 労働者の労働時間の適正な申告を阻害する目的で
  時間外労働時間数の上限を設定するなどの
  措置を講じないこと。
  また、時間外労働時間の削減のための
  社内通達や時間外労働手当の
  定額払等労働時間に係る事業場の措置が、
  労働者の労働時間の適正な申告を
  阻害する要因となっていないかについて確認するとともに、
  当該要因となっている場合においては、
  改善のための措置を講ずること。

(4)労働時間の記録に関する書類の保存

労働時間の記録に関する書類について、
労働基準法第109条に基づき、3年間保存すること。

(5)労働時間を管理する者の職務

事業場において労務管理を行う部署の責任者は、
当該事業場内における労働時間の
適正な把握等労働時間管理の適正化に関する事項を管理し、
労働時間管理上の問題点の把握及びその解消を図ること。

(6)労働時間短縮推進委員会等の活用

事業場の労働時間管理の状況を踏まえ、
必要に応じ労働時間短縮推進委員会等の
労使協議組織を活用し、
労働時間管理の現状を把握の上、
労働時間管理上の問題点及びその解消策等の検討を行うこと。

■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■
こちらのサイトもご覧ください!
★ 就業規則作成相談室
★ 中野人事法務事務所
★ 中野人事法務事務所FACEBOOK
□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準 2の続きを読む ≫

労働時間の適正な把握のために 使用者が講ずべき措置に関する基準 1

労働時間を管理することは、労務管理の基本です。

始業・終業時刻を初め、労働時間を把握しなければ、
遅刻や早退控除ができなくなりますし、
時間外労働や休日出勤、深夜労働に対する
割増賃金の計算もできません。

法定労働時間や、三六協定で定めた
時間外・休日労働時間の上限を超えないための
指導もできなくなります。

こうした背景から、厚生労働省では、
「労働時間の適正な把握のために
 使用者が講ずべき措置に関する基準」を作りました。
(平成13年4月6日 基発339号)

この基準の適用範囲(対象事業場)

労働基準法のうち労働時間に係る規定が適用される全ての事業場

この基準に基づき使用者が労働時間の適正な把握を行うべき対象労働者

下記の人を除く全ての人
 ★ いわゆる管理監督者
 ★ みなし労働時間制が適用される労働者
   (事業場外労働を行う労働者の場合は、
     みなし労働時間制が適用される時間に限る。)

※ 「使用者」には、使用者から労働時間を管理する
  権限の委譲を受けた者を含みます。
※ みなし労働時間制とは、以下の3つのものをいいます。
  1 事業場外のみなし労働時間制
  2 企画業務型裁量労働制
  3 専門業務型裁量労働制

なお、この基準の適用から除外する労働者についても、
健康確保を図る必要があることから、
使用者において適正な労働時間管理を行う
責務があるとされています。

□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■
こちらのサイトもご覧ください!
★ 就業規則作成相談室
★ 中野人事法務事務所
★ 中野人事法務事務所FACEBOOK
□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■

労働時間の適正な把握のために 使用者が講ずべき措置に関する基準 1の続きを読む ≫

定額残業手当の未消化部分の繰越はできるか?

毎月、20時間相当分の残業手当を
固定で支払っている会社があります。

実態は、毎月10時間前後の残業しか発生していないのですが、
ある月に、30時間の残業が発生した社員が現れました。

普段、大目に支払っていることを考慮して、
いつも通り、定額の20時間相当分しか支払わないという運用は
認められるでしょうか?

原則的には、認められません。

残業手当を定額で支払うこと自体は、
その手当の額が、法が定める計算方法による
割増賃金額以上であれば問題ありませんが、
現実の労働時間によって計算した割増賃金額が
定額の残業手当の額を上回っている場合は、
その差額を支払わなければなりません。
(昭和63年10月26日 大阪地裁判決 関西ソニー販売事件)

したがって、30時間残業したにもかかわらず、
20時間分しか支払わないのは、法律違反となります。

前月や前々月などの多く支払い過ぎた差額分を
当月に充当することはできません。

残業手当は月を単位として支給される賃金です。
毎月、賃金請求権が発生しますので、
月を超えて平均化することはできません。

・・・という見解が常識である中、
平成21年3月27日、東京地裁で、
「SFコーポレーション事件」の判決が出ました。

『固定残業手当に未消化部分があれば、
次月以降に繰り越すことができる』と記載されている
就業規則の条文は有効であると、判示されました。

となると、就業規則に「未消化部分は次月以降に繰越できる」と
文言を入れておけば、冒頭の企業の場合、
20時間分の定額残業手当だけでクリアできるのでしょうか?

私としては、こうした判決に左右されず、
今まで通りの原則的な運用を続けることをお勧めします。

理由は次の3点です。

1 今回の判決は、あくまで地裁レベルの判決であり、
  確定的な判断ではないこと
2 未消化部分の繰越ができるかどうかが争点の裁判ではなかったこと
  (主な争点は「管理手当の支払いは時間外手当等の内払いとして
   認められるか?」という点)
3 この判決を受けて国から通達やコメント、リーフレット等が出ておらず、
  行政指導の方針が変わったことを確認できないこと

元々、定額の残業手当が認められた背景には、
イチイチ労働時間を細かく計算するのは面倒なので、
定額にする、という「事務の簡便化」が挙げられます。

事務の簡便化を優先する代わり、
多少の払い過ぎには目をつぶる、という趣旨です。

それにもかかわらず、「定額制」と言っておきながら、
「未消化部分は翌月以降に繰り越し可」とすれば、
何のための定額制か分からなくなります。

『君子、危うきに近寄らず』です。

□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■
こちらのサイトもご覧ください!
★ 就業規則作成相談室
★ 中野人事法務事務所
★ 中野人事法務事務所FACEBOOK
□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■

定額残業手当の未消化部分の繰越はできるか?の続きを読む ≫

有給休暇のパンフレット

有給休暇に関する約束事って、
どのようなことがあるんでしょうか?

こちらのパンフレットには一通り記載されているので、
とても便利です。
しっかりマスター労働基準法〜有給休暇編〜.pdf
(東京労働局作成のパンフレットです。)

職業柄、お客様の就業規則を拝見することがありますが、
法定を下回る日数が記載されているケースを時々見かけます。

経営者から見れば、仕事をする日に休まれるのが痛手で、
仕事が回るのかどうか、心配になります。
そして、給与も支払わなければならないことが
さらに追い討ちをかけます。

ただ、インターネットで調べればすぐに分かるような
法違反の日数を就業規則に掲げていては、
従業員との信頼関係が損なわれやしないかと心配です。

一方、従業員からすると、
有給休暇を申請しづらい会社というのも
正直、魅力に欠けますね。

ただ、「有給休暇の取得は労働者の権利だ!」等として、
会社の都合は一顧だにせず、
取得するというのも寂しい話です。

こうした会社は、
「A or B」(AにするかBにするかのどっちか)の
発想から抜け出ていない気がします。

双方が話し合いの席をしっかり持って、
「A and B」、経営者側の心配も払拭し、
有給休暇の取得もしやすい、
節度を持った社内ルールを
定めてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、こうした智慧については
パンフレットには記載されておりません(苦笑)。

有給休暇のパンフレットの続きを読む ≫

就業規則よりも優遇した手当の支払いをやめることはできるか?

ある会社の出張旅費規程には、
片道100km以上の移動を伴う業務が出張であり、
出張の際には日当を支払うと規定しています。

ところが、実態は50kmを超えた場合は日当を支払うことを
10年くらい前から続けていました。

こうした背景がある中、経費削減の一環として、
100km未満の場合の日当は今後は支払わないものとし、
出張旅費規程通りの運用に戻すことはできるのでしょうか。

こうした就業規則には書かれていないものの、
暗黙のルールとして運用されているものを
「労使慣行」と言います。

労使慣行は実質的に就業規則としての効力を
持っているとされています。

今回の事例は、今まで支払ってきたものを
支払わないという変更ですから、
不利益変更に当たります。

この不利益変更が有効とされるためには、
この労使慣行を廃止するための「合理性」が求められます。

この合理性の判断基準として、
タケダシステム事件最高裁判決
(昭和58年11月25日 第二小法廷)では、
変更の内容と、その必要性の双方について
検討することが求められ、
次のような諸事情を総合的に勘案することと
判示しています。

★ 変更により従業員の被る不利益の程度
★ 不利益変更との関連の元に行われた賃金の改善状況
★ 労働組合との交渉の経過
★ 他の従業員の対応
★ 関連会社の取扱い 等

今回の事例についても、
経費削減という会社側の必要性の程度と、
100km未満の移動の場合は日当を支払わないとする
不利益変更の内容の双方について
検討を加えることになります。

こうした不利益変更を行うためには、
一般的には、極力既得権益を損なわないよう
配慮する措置を取ることが多いです。

例えば、次のようなことをするとよいでしょう。

★ 今後入社する従業員については
   出張旅費規程通りの日当支払ルールを適用する。
★ 既存の社員については一定期間経過措置期間を設け、
   激変緩和措置を行う。
★ 他のルールの改善を行い、不利益変更と抱き合わせる。
★ 労働組合や従業員と十分に話し合い、理解を求める。

こうした取り組みの結果、最終的に同意を得られない
従業員が出てしまうかもしれません。

こうした場合は、会社の責任において
不利益変更を実施することになりますが、
従業員が納得しない場合は、
その妥当性について
法廷で争うことになる可能性が高くなります。

こうなると、時間、費用、労力がかかりますし、
従業員との信頼関係も決裂しやすくなります。

不利益変更の実施の前に、
労働組合や従業員とは十分に話し合い、
極力このような事態を迎えることのないよう、
意を尽くすことをお勧め致します。

□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■
こちらのサイトもご覧ください!
★ 就業規則作成相談室
★ 中野人事法務事務所
★ 中野人事法務事務所FACEBOOK
□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■

就業規則よりも優遇した手当の支払いをやめることはできるか?の続きを読む ≫

欠勤時に、残っている有給休暇を強制的に消化させることは可能か?

欠勤の場合は、通常無給です。

そこで、年次有給休暇が残っている場合は、
残っている年次有給休暇日数から
充当することを就業規則に定める等して、
(従業員の意思とはかかわりなく)
欠勤に対して、残っている有給を
強制的に使わせることはできるのでしょうか。

結論から申し上げると、法的にはできません。

労働基準法第39条が定める年次有給休暇とは、
原則として、従業員が「○月○日に有給休暇を使って休みたい」と
時期指定をすることで、年次有給休暇が成立します。
(従業員の指定に対して、会社が適法な範囲内で
 時季変更権の行使をした場合は、話が変わりますが...)

したがって、会社側が、従業員の意思とは無関係に、
「欠勤した場合は、残っている有給を充てさせる」ということはできません。

なお、欠勤した日について、後日、従業員から
「有給休暇を充当させたい」と申し入れがあったとします。

この場合、断っても労働基準法違反にはなりませんが、
従業員の申し入れに受け入れ、
有給休暇として取り扱うことは、
法的には差し支えないとされています。

□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■
こちらのサイトもご覧ください!
★ 就業規則作成相談室
★ 中野人事法務事務所
★ 中野人事法務事務所FACEBOOK
□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■

欠勤時に、残っている有給休暇を強制的に消化させることは可能か?の続きを読む ≫

定額で支給している通勤手当を出勤日数に応じて減額できるか?

通勤手当について、1ヶ月分の定期代相当額を
毎月支払っているケースって多いですよね。

でも、よく考えてみると、休日が多い月や、夏季休暇等、
満額を支払うのはもったいないと思われる
ケースもあるのではないでしょうか?

こうした際に、出勤日数に応じて
通勤手当の額を減額することは可能でしょうか?

結論を申し上げると、原則として、
労使が合意すれば問題ありません。

ただし、今までは満額を支払っていたにもかかわらず、
今後は減額する場合があるとなると、
従業員にとっては労働条件の不利益変更となります。

労使が合意すれば不利益変更であっても問題ないとはいえ、
合意できないこともあるでしょうし、
減額するための手続きにも十分に注意した方がよいでしょう。

そこで、減額するための手続きについて記しておきます。

通勤手当は、就業規則等にその支給が定められていれば、
賃金の一種となります。
何の根拠もなく、いきなり減額して支払うと、
労働基準法第24条「全額払いの原則」に違反してしまいます。

そこで、就業規則を変更して、
減額できる根拠を作ることになります。

ただ、使用者側の一方的な意思で
就業規則の不利益変更ができるかどうか。

この点について、最高裁は
第四銀行事件(平成9年2月28日、第二小法廷判決)で
「就業規則の作成・変更に合理性があれば構わない」としています。

具体的には、次のように判示しています。

――――――――――――――――――――――――
「新たな就業規則の作成または変更によって
 労働者の危篤の権利を奪い、
 労働者に不利益な労働条件を一方的に課すことは、
 原則として許されないが、
 労働条件の集合的処理、
 特にその統一的かつ画一的な決定を
 建前とする就業規則の性質からいって、
 当該就業規則条項が合理的なものである限り、
 個々の労働者において、これに同意しないことを理由として、
 その適用を拒むことはできない。
 (中略)特に賃金、退職金等
 労働者にとって重要な権利、
 労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす
 就業規則の作成または変更については、
 当該条項が、そのような不利益を労働者に
 法的に受認させることを許容することができるだけの
 高度の必要性に基づいた
 合理的な内容のものである場合において、
 その効力を生ずるものというべきである。」
――――――――――――――――――――――――

そして、合理性の有無の判断基準として、
次の点を総合考慮して判断すべきだと判示しています。

1 就業規則の変更によって労働者が被る不利益の程度
2 使用者側の変更の必要性の内容・程度
3 変更後の就業規則の内容自体の相当性
4 代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況
5 労働組合等と交渉の経過
6 他の労働組合または他の従業員の対応
7 同種事項に関する我が国社会における一般的状況等

以上により、従業員の同意が得られない場合であっても、
就業規則の変更に合理性があれば、
通勤手当の減額も可能です。

ただ、合理性の有無の判定も
上記のように文字で書けば簡単に見えますが、
トラブルになれば、一つ一つ証明していくことになりますので、
非常に煩瑣です。

強行突破作戦は最後の手段にして、
従業員の同意を得ることに意を尽くした方が得策です。


□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■
こちらのサイトもご覧ください!
★ 就業規則作成相談室
★ 中野人事法務事務所
★ 中野人事法務事務所FACEBOOK
□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■

定額で支給している通勤手当を出勤日数に応じて減額できるか?の続きを読む ≫

試用期間の長さをどう設定するか?

就業規則等に定める試用期間の長さについて、
御社ではどのように設定なさっていますか?

試用期間を設ける設けないは会社の自由です。
いきなり本採用でも構いません。

ただ、通常は試用期間を設けて、
従業員としての適性を判断します。

試用期間の長さについて、
「○日以内にしなければならない」という
法令上の定めはありません。
ただし、あまりにも長すぎると、
従業員の雇用の安定性が損なわれてしまいます。

当事務所でお勧めしている期間は6ヶ月間です。

一般には「3ヶ月間」と定めているケースが多いのですが、
3ヶ月で見極めがつかない場合、
試用期間を延長することになります。

試用期間を延長する場合は、
原則として従業員の同意が必要です。

同意が得られない可能性や、
そこでトラブルが発生する可能性を考慮すると、
最初から6ヶ月に設定しておく方が無難です。

さらに、3ヶ月で見極めがついて、
正社員として雇用して問題ないと判断した場合は、
試用期間を早めてあげればいいだけの話となります。

要は、試用期間は長めに設定しておき、
早めに見極めがついた人はその時点で本採用するようにするということです。

なお、6ヶ月でも見極めがつかないケースも稀にあるかと存じます。
その場合は従業員の同意を得て試用期間を延長することになりますが、
延長したとしても、最大6ヶ月、
試用期間全体の最大の長さは1年間という見方が一般的です。

□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■
こちらのサイトもご覧ください!
★ 就業規則作成相談室
★ 中野人事法務事務所
★ 中野人事法務事務所FACEBOOK
□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■

試用期間の長さをどう設定するか?の続きを読む ≫

就業規則のひな形(フォーマット)はこちら!

厚生労働省で推奨している就業規則のひな形はこちらです。

一つ一つの条文に解説がついています。
こちらの解説を読みながら、
ひな形を元に御社バージョンの就業規則に仕上げていきます。

法的な要件は満たしておりますし、
最新の法例に基づいていますので、
ひな形として使う分には安心です。

ただ、法的な要件を満たしているからと言って、
御社にトラブルが起きた時に
御社や真面目に働いている大半の従業員を
守ってくれる内容になっているとは限りません。

ひな形にはひな形のよいところと限界があります。
その点にご留意いただきながら、ご活用ください。

□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■
こちらのサイトもご覧ください!
★ 就業規則作成相談室
★ 中野人事法務事務所
★ 中野人事法務事務所FACEBOOK
□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■

就業規則のひな形(フォーマット)はこちら!の続きを読む ≫

コアタイムのないフレックスタイム制での休憩の決まりごとは?

コアタイム制のないフレックスタイム制度を導入する際に、
休憩について「いつでも好きな時に取るように」とすることはできるでしょうか?

休憩に関しては「一斉付与」の原則があります。
休憩は個々バラバラに与えるのではなく、
一斉に与えなくてはならないとする原則です。

ただし、労使協定を締結することで、
一斉付与の原則の適用を除外することができます。

コアタイム制のないフレックスタイム制の場合には、
従業員の出勤時間帯はまちまちですから、
休憩を一斉に与えることは事実上不可能です。

したがって、労使協定を締結し、
一斉付与の原則の適用を除外することが必要です。

なお、下記の事業場については
休憩の一斉付与の原則が適用されないことから、
労使協定の締結の必要もありません。

1 運送業
2 販売・理容業
3 金融・保険・広告業
4 映画・演劇業
5 郵便・信書便・電気通信業
6 保健衛生業
7 旅館・飲食・接客業
8 官公署

□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■
こちらのサイトもご覧ください!
★ 就業規則作成相談室
★ 中野人事法務事務所
★ 中野人事法務事務所FACEBOOK
□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■

コアタイムのないフレックスタイム制での休憩の決まりごとは?の続きを読む ≫

解雇制限期間中に解雇の予告をすることはできるか?

業務上ケガや病気をした社員が職場復帰したその初日に、
「あなたを30日後に解雇します。」と解雇の予告をすることはできるでしょうか?

結論から申し上げると、問題ありません。

労働基準法第19条において、次の定めがあります。

――――――――――――――――――――――――――
使用者は、労働者が業務上負傷し、または疾病にかかり
療養のために休業する期間及びその後三十日間
並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によって
休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。
(後略)
――――――――――――――――――――――――――

これが「解雇制限」と言われているものです。
この条文により、業務上のケガや病気の療養のために
休業中と、職場復帰後30日間は
原則として、解雇が禁止されています。

ここでのポイントは「解雇」は禁止されていますが、
「解雇の予告」までは禁止されていないということです。

また、業務中にクギを踏んでケガをして、
労災認定を受け休業療養中の労働者に対して、
就業規則違反を理由に懲戒解雇の意思表示を行った事件があります。
(昭和31年9月13日福岡地裁小倉支部判決 小倉炭鉱事件)

裁判官は次のように判示しています。

――――――――――――――――――――――――――
労働基準法第19条は同条の規定する条件の下にある
要保護労働者のために
特にその労働者の地位を一定の期間内
確保するのが目的であるから、
解雇制限期間内と言えども
解雇制限期間の満了を条件とし
あるいは解雇制限期間が確定している場合は
その確定した期間を期限として、
解雇の事由に応じそれぞれの要件を充たして
あらかじめ解雇する旨の意思表示をなす事は許される。
――――――――――――――――――――――――――

なお、例えば職場復帰日が8月1日の場合、
初日不算入の原則を踏襲した30日後となりますので、
最短の解雇可能日は8月31日となります。

最後に、解雇予告期間中に、またも業務上ケガや病気をした等、
解雇制限に該当する事由が発生した場合は、
その事由が消滅するまでの間、解雇予告の効力が停止します。
(昭和26年6月25日 基収第2609号)
併せてご注意ください。

□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■
こちらのサイトもご覧ください!
★ 就業規則作成相談室
★ 中野人事法務事務所
★ 中野人事法務事務所FACEBOOK
□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■

解雇制限期間中に解雇の予告をすることはできるか?の続きを読む ≫

解雇予告期間の起算日と終了日をどう考えたらいいのか?

解雇に当たっては、労働基準法第20条において、
次のように定められています。

―――――――――――――――――――――――
使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、
少なくとも三十日前にその予告をしなければならない。
―――――――――――――――――――――――

この30日の予告期間の計算をする際に、
起算日と終了日についてはどのように考えればよいのでしょうか?

<起算日について>

民法第140条に次の定めがあります。

―――――――――――――――――――――――
日、週、月または年によって期間を定めたときは、
期間の初日は、算入しない。(後略)
――――――――――――――――――――――

この条文により、解雇予告をした初日は参入されません。

<期間満了日について>

民法第141条に次の定めがあります。

―――――――――――――――――――――――
前条の場合には、期間は、
その末日の終了をもって満了する。
――――――――――――――――――――――

この条文により、期間の末日の終了(24時)をもって
期間の満了となります。

<実 例>

例えば、6月30日に解雇するためには、
6月1日に解雇予告をするというのはどうなるのでしょうか。

初日不算入の原則により、
6月1日は起算日とならず、2日が起算日となります。
2日から30日までの期間の日数は29日。
労働基準法第20条により、
「少なくとも30日前に予告しなければならない」のですから、
これでは1日不足してしまいます。

6月30日に解雇するためには、
5月31日に解雇予告をしなければならないということです。

そして、6月30日の24時をもって
解雇対象となっている従業員との雇用契約が終了すると考えます。

□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■
こちらのサイトもご覧ください!
★ 就業規則作成相談室
★ 中野人事法務事務所
★ 中野人事法務事務所FACEBOOK
□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■

解雇予告期間の起算日と終了日をどう考えたらいいのか?の続きを読む ≫

生理休暇を取得した者は賞与を減額してもよいか?

欠勤日数に生理休暇日数を加えた日数を出勤すべき日数から控除した、
実労働日数に応じた賞与額を計算することは労働基準法違反でしょうか?

結論から申し上げると、違反ではありません。

生理休暇については労働基準法第68条で次のように定めています。

――――――――――――――――――――――――――――――
使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、
その者を生理日に就業させてはならない。
――――――――――――――――――――――――――――――

年次有給休暇のように「有給にしなければならない義務」はありませんので、
賃金を計算する際に、欠勤として扱っても問題ありません。

賞与額を算定する際の出勤率の計算にあたり、
生理休暇取得日数を欠勤扱いとすることも労働基準法違反とはなりません。
(昭和49年4月1日婦収第125号、
 昭和63年3月14日基発第150号、婦発第47号)

また、賞与そのものではありませんが、
精皆勤手当の支給に当たり、
生理休暇を欠勤として扱うことは適法であるという判例もあります。
(昭和60年7月16日エヌ・ビー・シー工業事件)

以上により、賞与の額を算定する際に
出勤率の計算において、生理休暇日数を欠勤として取り扱うことは
労働基準法違反ではないと言えます。

ただし、こうした計算方法により
生理休暇を取りづらくしている面は否めません。
法の趣旨からは外れることになりますので、
生理休暇取得日を出勤したものとみなして計算する方が望ましいです。

□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■
こちらのサイトもご覧ください!
★ 就業規則作成相談室
★ 中野人事法務事務所
★ 中野人事法務事務所FACEBOOK
□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■

生理休暇を取得した者は賞与を減額してもよいか?の続きを読む ≫

減給の制裁処分として「給与を3か月間1割削減」することはできるか?

ある社員が就業規則に違反し、減給処分をすることとなりました。
「3か月間、給与を1割減給する」等、
複数月に渡って減給処分を行うことはできるのでしょうか?

結論から申し上げますと、一つの事案について、
複数月に渡って減給処分を行うことはできません。

労働基準法第91条には次の定めがあります。

―――――――――――――――――――――――――――――
就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、
その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、
総額が一賃金支払期における賃金の総額の
十分の一を超えてはならない。
―――――――――――――――――――――――――――――

「一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え」てはならないというのは、
「一箇の事案に対しては減給の総額が平均賃金の
1日分の半額以内でなければならない」ことを意味しています。
(昭和23年9月20日基収第1789号)

たった1回の事案によって、多額の損害が会社に発生したとしても、
減給額は平均賃金の1日分の半額を超えることはできません。

また、その事案についての減給の制裁を数回に分けて行うとしても、
その合計額は、平均賃金の1日分の半額までです。

したがって、1つの事案について、
1割減給を3か月間継続することはできないということになります。

なお、従業員が業務上の重過失により
会社に損害を与えた場合、
従業員の重過失の行為と発生した損害との間の因果関係や
発生した損害額を会社側で証明することができれば、
従業員に対して損害賠償請求をすることも可能です。

減給の制裁額と、損害賠償は別問題として
切り離して考えるということです。

□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■
こちらのサイトもご覧ください!
★ 就業規則作成相談室
★ 中野人事法務事務所
★ 中野人事法務事務所FACEBOOK
□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■

減給の制裁処分として「給与を3か月間1割削減」することはできるか?の続きを読む ≫

三六協定書を締結後、従業員数が急増。三六協定書は有効か?

社員数10名の会社で、労働者の過半数代表者と会社側で三六協定を締結し、
有効期間を1年間として、労働基準監督署に届け出ました。

数か月後、20名の従業員を雇用。
この時点で、かつての過半数代表者は
過半数の代表者ではなくなってしまいました。

このように三六協定を締結後、
過半数代表者が労働者の過半数を代表する人でなくなった場合、
改めて過半数代表者を選定し直し、
三六協定を再度締結・届出をしなければならないのでしょうか?

結論から申し上げると、その必要はありません。

三六協定締結当事者の要件として要求される
「事業場の労働者の過半数で組織する労働組合
 または事業場の労働者の過半数を代表する者」
という要件は、三六協定が有効に成立するための要件であり、
有効に存続するための要件ではありません。

したがって、いったん三六協定が有効に成立すれば、
その三六協定は有効期間中は、その効力に影響は生じません。

なお、労働基準法は労働条件の最低基準を定めている法律です。
改めて過半数代表者を選定し直し、
三六協定を再度締結するに越したことはありません。

□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■
こちらのサイトもご覧ください!
★ 就業規則作成相談室
★ 中野人事法務事務所
★ 中野人事法務事務所FACEBOOK
□■□□■■□□□■■■□□□□■■■■□□□□□■■■■■□□□□□□■■■■■

三六協定書を締結後、従業員数が急増。三六協定書は有効か?の続きを読む ≫

アーカイブ

Quickサムライコンタクト