相続の基礎知識(2)
相続開始の時期は
「相続は、死亡によって開始する。(民法812条)」
と、民法で規定されていますが、
では、被相続人が行方不明のときはどうなるのでしょうか。
この場合は、「民法第30条によって、利害関係人が不在者の失踪宣告を請求し、
失踪宣告のあったときは、失踪期間の満了のときに遡って相続が開始し、
このときに、相続人は相続財産を取得する。」というのが判例です。
民法第30条
①不在者の生死が7年間明らかでないときは、家庭裁判所は、
利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。
②戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者
その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、
それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後または
その危難が去った後1年間明らかでないときも、前項と同様とする。
つまり、相続は被相続人の死亡のときまたは
被相続人が行方不明のときはその失踪宣告の期間満了時に
開始するということです。
今回は、相続開始の時期について書きました。
今後も、相続の基本と判例を御紹介してゆきますので
続けてお読みください。