相続の基礎知識(9)の2
「相続の放棄」について、
母と娘の会話の続き
母 お父さんが死んだのは、もう2ヶ月前らしいけど、
今聞いたばかりなのに
後1ヶ月以内に相続の放棄をしなければいけないのかしら。
娘 自分がお父さんの財産を相続することが判ったときから
計算すればいいのよ。
だから、今から3ヶ月以内でいいのよ。
その間に、お父さんの財産状況を良く調べて、
借金のほうが多くて
受継いだら損しそうなときは相続放棄しましょうよ。
母 お父さんは、どうもまともに働いていなかったらしく、
サラ金のほかにもあちこちに借金を作っていたようよ。
だから、まず財産らしきものは残らないと思うけど、
もし、後から何か財産らしきものが出てきたときは
どうなるのかね。
娘 そう思う理由が認められれば、
財産があると判ったときから3ヶ月の期間が始まるみたいよ。
今の話にも判例があります。
被相続人に相続財産が全く存在しないと
信じる相当な理由が認められるときは、
熟慮期間は、相続財産の全部または一部の存在を認識したとき
または通常これを認識できるときから起算する。
(最判S59.4.27)
今回もお読みいただきありがとうございました。
では、また次回。