相続の基礎知識(9)の3
しばらくこのブログを書くのをさぼっているうちに
11月も半ばを過ぎ、昨日は酉の市でしたね。
今年は三の酉までありますね。
三の酉のと年は火事が多いといわれていますので
特に火の用心が大事ですね。
では、今回も相続の放棄についての
父と娘の会話です。
父 母親が先日亡くなって、
僕と僕の兄が母親の財産を相続することになったけど、
どうも兄の話だと、
母親が他人の連帯保証人になっていたので、
だいぶ銀行に返さなければいけないらしいよ。
娘 おばあちゃんは財産がどのくらいあったのかしら。
父 詳しくは判らないけど、
兄の話では、銀行に返すのに数百万円足りないらしい。
娘 それなら、相続放棄をすればその借金を返さなくても良くなるわ。
というような会話があって父親は相続放棄をしましたが、
実際は、数百万円が兄の手元に相続財産として残ったようです。
後になって、仲の悪い兄にだまされたことが判りました。
父親 兄にだまされて相続放棄して、
何も相続できなかったけど、相続放棄をやめることはできないのかな。
娘 一度した相続放棄は、
相続開始後3ヶ月以内でも撤回はできないみたいよ。
父親 でも、それでは納得いかないな。
誰かに聞いてよく調べてみよう。
娘 判ったわ。
撤回はできないけど、詐欺とか脅迫の場合は取消せるようよ。
でも、だまされたことが判ったときから6ヶ月以内か
相続放棄したときから10年以内に取消す必要があるわ。
これについては、次のような判例があります。
一度受理された相続放棄の撤回は許されない。(最S37.5.29)
相続の放棄に法律上無効原因の存する場合は
後日訴訟において被相続人の債権者はこれを主張できる。(最S29.12.24)
今回もお読みいただきありがとうございました。
ではまた次回。