◇所有権留保・譲渡担保(2)
所有権留保が一般に多く用いられるのは、
乗用車や貨物自動車などの販売に際して、
支払いに月賦による分割払いの方式を利用する場合です。
これは自動車の売買契約にあたって、
自動車の所有権移転の時期を、
2,3年先の月賦代金完済の時まで伸ばして、
それまでは、売主が自動車の所有権を持ち続ける
という特約を付けておきます。
したがって、自動車登録の所有者名も、
自動車販売会社名義のままにしておきます。
機械設備販売の際も、代金の支払いが割賦払いという場合は、
買主に所有権を移転せずに使用する権利だけを認め、
代金完済時に、その機械の所有権が買主に移転することとします。
これらが、いわゆる所有権留保の特約付売買契約です。
譲渡担保は、債務者若しくは担保提供者の所有する
動産の所有権を債権者に譲渡し、
占有改定という方法で引渡して対抗要件を備えた後、
改めて債務者または担保提供者が
その動産を使用するという形式をとります。